ニュースリリース

テックカンパニーの地位を確固たるものに――メルカリ,社会実装を目的とした研究開発組織「mercari R4D」を設立

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株式会社メルカリは2017年12月22日,社会実装を目的とした研究開発組織「mercari R4D」の設立を発表した。

mercari R4D
https://r4d.mercari.com/

「mercari R4D」の設立背景を発表する株式会社メルカリ代表取締役会長兼CEO山田進太郎氏

「mercari R4D」の設立背景を発表する株式会社メルカリ代表取締役会長兼CEO山田進太郎氏

mercari R4D設立発表に先立ち,株式会社メルカリ代表取締役会長兼CEO山田進太郎氏が登場し,これまでのメルカリとこれからのメルカリの目指す姿について改めて説明した。

山田氏は「メルカリの強みの1つは,創業経営陣にエンジニア経験者が豊富にいることで,その結果として,UI/UXにこだわったサービス・プロダクト開発を進められてきました。加えて,積極的なマーケティングに取り組んだ結果,世界累計1億ダウンロード(2017年12月16日時点)という数字につながりました」と,エンジニアリングとマーケティングの融合から,現在のメルカリのポジションが確立できたことを紹介した。

「そして,今,メルカリはAIの積極的な活用をすることで,⁠感動出品⁠⁠不正な出品検知⁠⁠重量の自動推定(USのみ)⁠といったような,⁠これまで研究対象と言われていた)技術を実際のサービスに活かせるようになってきました」とコメントし,⁠これからは技術で差別化するフェーズに入ってきました」と述べ,今回の設立発表の背景について説明しました。

メルカリは技術で差別化するフェーズへ

メルカリは技術で差別化するフェーズへ

最後に「私たちメルカリは,日本から世界に通ずる⁠テックカンパニー⁠を目指します」と力強くコメントし,次の登壇者へバトンタッチしました。

4つのD
Development,Design,Deployment,Disruption

山田氏のバトンを受け,mercari R4Dの詳細を説明したのは,同社取締役CPO濱田優貴氏。

株式会社メルカリ取締役CPO濱田優貴氏から,mercari R4Dの詳細が説明された

株式会社メルカリ取締役CPO濱田優貴氏から,mercari R4Dの詳細が説明された

mercari R4Dの目的は次の2つ。⁠外部研究機関との共同研究を通じ,それぞれの強みを活かしてスピーディに研究をすること」⁠そして,⁠研究に留まらず,社会実装すること」⁠この2つを目的とした組織として設立したとのこと。

さらに今回のR4Dという名称は,次の4つのDに基づいている。

  • Development(開発)
  • Design(設計)
  • Deployment(実装)
  • Disruption(破壊)

濱田氏は「研究機関というと実用前の試験にとどまりがちだが,ただ試験にとどまらず,実験段階のものでも社会に出して,社会や世の中,使う人たちの反応を見ていきたい。そのためにも,採算などの前に積極的に発表し,世の中の反応を見られる組織,そのような研究開発に取り組んでいきたい」と,mercari R4Dの特徴として「研究開発と社会実装」が共存していることを説明した。

また,mercari R4Dは,メルカリのみで運用していくのではなく,メルカリ内部のエンジニアや関係者に加えて,外部(企業や教育機関)のエンジニア・研究者など,多様なメンバーで構成される。

設立時の代表は,株式会社メルカリ木村俊也氏が務め,シニアフェローには,アーティストのスプツニ子!氏と京都造形大学教授クロステックデザイン研究室/株式会社ABBALab/さくらインターネット株式会社に所属する小笠原治氏が就任する。他,複数のリサーチャーが所属する。

mercari R4Dのメンバー

画像 画像

多様な共同研究パートナーと研究テーマ

最後に,設立時に取り組まれる共同研究パートナーと研究テーマが紹介された。

  • ブロックチェーンを用いたトラストフレームワーク(慶應義塾大学)
  • 類似画像検索のためのDeep Hashing Network(筑波大学落合研究室)
  • 出品された商品画像から物体の3D形状を推定(筑波大学落合研究室)
  • 商品画像から背景を自動特定(筑波大学落合研究室)
  • 無線給電によるコンセントレス・オフィス(東京大学川原研究室)
  • Internet of Thingsエコシステム(京都造形芸術大学クロステックデザイン研究室
  • 量子アニーリング技術のアート分野への応用(東北大学大関研究室)
  • 8Kを活用した多拠点コミュニケーション(シャープ株式会社研究開発事業本部)
  • 光発電素子によるバッテリーレスセンシング(シャープ株式会社研究開発事業本部)

左から小笠原治氏,スプツニ子!氏,落合陽一氏,村井純氏,山田進太郎氏,濱田優貴氏,種谷元隆氏,川原圭氏,大関真之氏

小笠原治氏,スプツニ子!氏,落合陽一氏,村井純氏,山田進太郎氏,濱田優貴氏,種谷元隆氏,川原圭氏,大関真之氏

テックカンパニーとしてのメルカリ

今回の発表により「初年度で数億件規模の投資をする」⁠山田氏)とのことで,これらの研究の成果は「まず既存のメルカリのサービスやプロダクトにフィードバックし,活用できるものを取り入れることで,より優れたサービス・プロダクトにしていく」⁠濱田氏)のが狙いであるそう。

冒頭で山田氏は「3年で1,000人規模のエンジニアリング組織をつくる」と強く打ち出し,また「最近注目を集めるAIやIoT,AR/VR,ブロックチェーンといった(今の時点では)先端技術が,数年後には自分たちのサービスに必ずや関わってくることが予想できるからこそ,今から積極的に研究に取り組み,さらにエンジニアリングを強化していきたい」と述べた。メルカリが,日本国内の枠を越え,世界でもトップのテックカンパニーを目指す意気込みが強く伝わってきた設立発表会となった。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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