ET2009(組込み総合技術展)レポート
ET2009(2)――リアルタイムOS,マイクロプロセッサ,開発支援,DLNAにも注目
イーソル
イーソルは,T-KernelのPOSIX対応バージョンの展示を行っていた。T-KernelはμITRONの流れを汲むリアルタイムOS(RTOS)として定評があるカーネルだが,イーソルでは,POSIX対応にあたって,ライブラリ互換というレベルではなくカーネル自体に手を入れてほぼネイティブにPOSIXに準拠するようにしたという。そのため,製品名も「eT-Kernel/POSIX」となっており,T-Kernelと互換性を保ちながらも,別カーネルという位置づけだ。
また,イーソルでは,LinuxやPOSIX向けのソフトウェアリソースを活用しやすいように,Autoconf,Automakeなどビルド支援環境も用意している。このため,リアルタイム性が要求されるクリティカルなアプリケーションでも,Linuxなどのオープンプラットフォーム系の一般アプリケーションのような開発もカバーできるようになる。
そして,組込み機器にインターネットに接続するサービスを実装するために,Flash LiteやGUIのためのミドルウェアのデモも行っていた。Flash Liteは以前からイーソルのソリューションの一部として組込み機器向けに展開していた。GUIのミドルウェアについてはUIEジャパンのUIEngineによるソリューションを提供する。UIEngineは,IPTVのようなストリーミングサービスを携帯電話に実装するために利用できるのだが,デモはまさにそのような動画を再生していた。
レクロイ・ジャパン
PC向けのボードなどが市販されはじめ,普及の兆しが見え出したUSB 3.0は,転送速度が5Gbpsという仕様だ。これくらいの帯域幅になるとファイバチャネル(FC)と対して変わらないスピードだ。このような高周波になると,開発環境をどうするかというのも重要だ。そのような波形を観測するウェーブジェネレータ,測定器,アナライザは,それ以上の帯域(解像度)を持たなければならない。ハイエンドのオシロスコープでも1GHzがやっとである。
レクロイは,USB 3.0の物理層からプロトコル層までをワンストップでカバーする開発環境(測定器など)を提供している企業だ。ET 2009の会場では,USB 3.0に対応したシリアルデータアナライザ,テスタ,プロトコルアナライザを展示していた。
デモ機器は,送信データのアイパターンが確認できるオシロスコープを搭載したデータアナライザ SDA813Zi(13GHz,40GS/s),ジッタプロファイルを再現し受信性能を検査するPeRT3 データジェネレータ/エラーディテクタ,そしてプロトコルモニタが可能なVoyagerに,それぞれに必要な試験パッケージやツール,プローブなどだ。
グレープシステム
グレープシステムのブースでは,DLNAを使ったメディアコントローラのデモが行われていた。Android端末向けのソフトウェア開発の例として,DLNAで接続されたNAS,テレビ,Android端末で構成されたシステムで動画再生や音楽再生などを端末とテレビで行うというものだった。
Android端末には,制御用アプリがインストールされ,開発されたDLNA制御のミドルウェアも搭載される。端末からは,WiFiでNASにアクセスし,保存してある音楽データをストリーミングで再生したり,端末をコントローラとして,NAS内の動画コンテンツをテレビ(DLNAユニットが接続されている)で視聴したりが自由にできるというシステムだ。Android端末で撮影したカメラ画像をそのままモニタに表示させることも可能だ。
そのほか,ネットワーク接続される機器として,今後対策を強化しなければならない部分として,マルウェアの検出や侵入検知のミドルウェアも手掛けているそうだ。
DLNAを使ったメディアコントローラは,AwoX社のmedia CTRLモバイルといういミドルウェアソリューションで,セキュリティ関係のミドルウェアはmocana社のNanoDefendar,DSF for Androidなどをベースにしている。グレープシステムでは,これらを活用し,日本向けのマルチメディア端末のソリューションを提供しているそうだ。
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