ライフスタイルに浸透したオンラインサービスの未来――ETC2012に見るEvernoteのこれから

第4回 もう1つのETC――Japan Prize受賞作品「memogram」開発者たちを密着!

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Evernote Devcup,Japan Prizeとは?

Evernote Devcup,Japan Prizeとは,Evernote社の広く日本の開発者を応援するという趣旨に賛同した楽天株式会社ご協力によって創設されたもので,今回で2回目の開催となります。

今回のJapan Prize審査員は以下の5名。

  • 辻村清行氏(ドコモエンジニアリング株式会社 代表取締役社長)
  • James Chen氏(楽天株式会社 執行役員 楽天市場サービス開発・運用部 部長)
  • 長谷川敦士氏(株式会社コンセント President)
  • 外村仁氏(Evernote Japan 会長)
  • 井上健氏(Evernote Japan General Manager)

Japan Prizeを受賞したmemogram

数ヵ月の応募,審査期間を経て,28の応募作品の中から選ばれたのが,小麦株式会社 新井浩司氏,竹本雅彦氏が開発する「memogram」です。

memogramは,Evernoteをバックエンドシステムとして,作成するカード(Evernote上のノート)のグループ化・カテゴリ分けを美しく可視化したiPad アプリケーションです。ノートブックやスタック,ノートへのタグ付けを意識せず,フラットで直感的に操作できるようなUIとなっており,あるテーマ別にそってさまざまな種類の情報を集めてタブレットで視覚的に整理できます。

今回の受賞理由について,審査員からは「従来のEvernoteが縦の整理だとすると,memogramは横の整理が行え,今後の方向性の1つを見せてくれたことが一番のポイントです」と述べています。

こうして,Japan Prizeに選ばれたmemogram,そして,開発者の新井・竹本両名がEvernote Trunk Conference(ETC)2012に参加することになりました。

出発からのサプライズ

今回は,日本時間8月23日の深夜便(0時過ぎ)での出発となりました。日本航空JAL002便にて。22日22:00に集合すると,最初のサプライズが!

当初エコノミークラスと言われていたチケットが,羽田とシリコンバレーを結ぶ唯一のキャリアであるJALの,Japan Prize受賞者を祝う粋なはからいでビジネスクラスにアップグレードされており,さらに,日本航空のラウンジおよびVIPルーム「輝」での,出発前のひとときを過ごす権利がついていたのです。

羽田空港国際線ターミナルにあるJALラウンジのVIPルーム「輝」⁠これから始まるツアーに備えてリラックスできる環境が用意された。後日聞いたところ,⁠いきなりでびっくりした」⁠新井氏,右)⁠⁠初めての海外旅行なので,どう反応していいかわからなかった」⁠竹本氏,左)と,予想外の反応も。かくいう担当も,一緒にこの部屋に通してもらえるという,貴重な体験ができました :-)

羽田空港国際線ターミナルにあるJALラウンジのVIPルーム「輝」。これから始まるツアーに備えてリラックスできる環境が用意された。後日聞いたところ,「いきなりでびっくりした」(新井氏,右),「初めての海外旅行なので,どう反応していいかわからなかった」(竹本氏,左)と,予想外の反応も。かくいう担当も,一緒にこの部屋に通してもらえるという,貴重な体験ができました :-)

休憩中,日本航空スタッフと,JALハッピを着用しての記念写真。手元には,まだ一般には流通していない最新のボーイング787タイプのミニチュア模型もプレゼントされた

休憩中,日本航空スタッフと,JALハッピを着用しての記念写真。手元には,まだ一般には流通していない最新のボーイング787タイプのミニチュア模型もプレゼントされた

いよいよ出発!ビジネスクラスのチケットを掲げ,いざ搭乗!

いよいよ出発!ビジネスクラスのチケットを掲げ,いざ搭乗!

Evernote本社でのアプリレビュー

約9時間ほどのフライトを終え,無事アメリカ・サンフランシスコに到着しました。到着したのは現地時間22日の17:00過ぎ。東京都内が30度を超える暑さから出発したにもかかわらず,現地では15度前後とかなり寒い気候が待ち受けていました。

無事入国審査を終えると,ツアーメンバー全員で車に乗り,滞在先のInterContinental San Franciscoへ。この日は夕飯を食べ,次の日に備えました。

スカッとした青空が広がるRedwood Cityにある,Evernoteヘッドクォーターへ

翌日,Evernoteヘッドクォーターに。同社のオフィスは,今年の6月にMontain ViewからRedwood Cityに移り,規模も大きくなりました。

Evernoteオフィス

Evernoteオフィス

ここでは,オフィス見学のほか,各担当者との充実したミーティングが実施されました。

Android担当者,iOS担当者とのミーティング,アプリレビューを体験

まず,Android担当者,Evernote本社で働くエンジニア寺崎和久氏とのミーティング&レビューが行われました。⁠memogramのAndroid対応に向け,貴重なご意見をいただけました」⁠竹本氏)といったコメントからもわかるように,充実したミーティングになったようです。

寺崎氏とのミーティング風景

寺崎氏とのミーティング風景

続いて,デザイナーのJosh Taylor氏,パートナーリレーションシップを担当する佐藤真治氏との,iOSおよび現時点でのmemogramに関するディスカッションが行われました。

Josh氏,佐藤氏に対して,紙で作ったプロトタイプと合わせながらmemogramを解説した

Josh氏,佐藤氏に対して,紙で作ったプロトタイプと合わせながらmemogramを解説した

Joshからデザインに関して「もしたくさんのノートが存在して,バランスが崩れたときは?」という質問が上がると,新井氏は「この(iPad)のサイズのスクリーンの中で綺麗に見られるように自動調整します。とにかくシンプルに,5分使えばわかるUIを目指しました」という回答をし,memogramの特徴をしっかりと伝えました。

さらに,実際にサービスを作っている立場からのアドバイスとして「まだリリース前なので頭で考えてしまいがち。とにかくベータ版でもいいので一般公開をして,本物のユーザの声を聞いて改善していくべきです。ユーザに使ってもらうこと,それが優れたアプリを作る上で一番大事なことです」⁠Josh氏)という貴重なアドバイスをもらっていました。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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