そうだ! EuroPython 2011へ行こう

#1 基調講演とカンファレンスの全体像

この記事を読むのに必要な時間:およそ 5 分

exec,eval,type

Pythonのコーディングは明示する文化なので,eval()execを使う機会はあまりないと思います。応用例の1つとして,講演の中でtimeitnamedtupleは,テンプレートから実行時にコードを生成する用途に使われていると紹介されていました。inキーワードを利用することで,評価結果をグローバルまたはローカルの名前空間に割り当てられます。スプレッドシートのアプリケーションにはこういったテクニックが使われるそうです。

>>> namespace = {}
>>> exec "x = 100" in namespace
>>> namespace["x"]
100
with文

Python 2.6から標準で利用できるようになったwith文という構文があります。with文のブロックでは,リソースのロックとアンロック,ファイルのオープンとクローズといったtry...exceptで行っていた標準的な前処理と後処理を切り出すことができます。

この仕組みそのものは,他の言語でも提供されているものがあるそうですが,withというキーワードは珍しいのではないでしょうか。

with open(file_name) as f:
    f.read()
# ブロックを出るときにクローズされる

また,任意のコンテキストマネージャーを定義することで,そういったリソース管理などのコードを分離するためのツールになるということが重要な点だと強調されていました。

conference:カンファレンス

カンファレンスのスケジュールは,5日間にわたりました。1日あたり,5つのトラック(4つの英語トラック,1つのイタリア語トラック)⁠3つのハンズオントレーニングがありました。

カンファレンスの内容は,大きく次の4種類に分けられます。個別の講演やハンズオントレーニングの詳細については次回に紹介します。

メイン会場

メイン会場

talks: 講演

60分,または90分の単位で発表者がプレゼンテーションを行う,一般的な講演のスタイルです。開催日数が5日間と長く,トラック数も多いことから,発表と質疑応答に十分な時間が割り当てられていました。一番大きな部屋は200人,その他が50人から100人程度の部屋でした。

筆者は,基調講演以外に5個のセッションをもっていたRaymond Hettinger氏の講演に強く興味をもって聴講していました。

hands-on trainings:ハンズオントレーニング

3時間とやや長めの時間を取り,参加者が実際にコーディングしたり,サンプルアプリケーションを作成したりします。チュートリアルと呼ばれることもあります。筆者は高度なPythonテクニックPySideとQMLによるデスクトップ/モバイルアプリ開発の2つのハンズオントレーニングに参加しました。

recruit: 求人募集

スポンサー企業のうちstatproAltran Xype-HT ConsultingDemonWareSpotifyの5社による,参加者への求人募集がありました。設立後,数年といった若い企業の求人募集が多かったように思います。会社説明の最中に,⁠会場席を指差して)そこにCTO(最高技術責任者)がいるから話しかけてね,話し合いがまとまれば面接は合格だよ,といったノリでした。

スポンサー企業の発表が終わった後に,サプライズイベントとして,空飛ぶモンティ・パイソン「おバカな就職面接」が演じられ,会場を沸かしていました。英語が苦手な筆者でも,この一幕は十分に楽しめました。

events: イベント

Python系イベントパートナープログラムの2種類が用意されていました。筆者はほとんど参加していないので,サイトに記述されている以上のことは分からないのですが,フィレンツェは観光名所でもあるので,カンファレンスの合間に観光へ出掛けるのも良さそうです。

筆者も半日かけて同行者と街の散策をしたり,美術館巡りをしたり,最終日は「サン・ジョヴァンニ祭」というお祭りで花火を見ました。イタリアの花火も日本のものとほとんど同じで,夏の風物詩といった様相でした。

「サン・ジョヴァンニ祭」での花火

「サン・ジョヴァンニ祭」での花火

organization: 運営

海外の有料イベントですと,ランチが提供されるのが一般的(?)なようです。カンファレンスのスケジュールを見ると,90分のランチと,45分のコーヒーブレイクが2回あります。ホテルのレストランにて,それぞれの休憩時間に食べものや飲みものが振る舞われます。長めの休憩時間のおかげで,参加者同士のコミュニケーションが活発でした。筆者もほとんど英語が話せないながらも,みんながわいわい話している雰囲気に後押しされて話しやすかったりしました。

いくつか写真の紹介します。イタリアの食べものと共に雰囲気を楽しんでください。

lunch: ランチ

料理はどれもおいしかったです。パスタよりもご飯系のほうが筆者の好みでした。

リゾット,ハムと惣菜

リゾット ハムと惣菜

ランチでもコーヒーブレイクでもワインがありました。お国柄ですね。数あるデザート類の中で,筆者はこのティラミスが一番おいしかったです。

ワイン,デザートのティラミス

ワイン デザートのティラミス

coffee break: コーヒーブレイク

コーヒーブレイクでは,数種類のデザートが用意されていました。食べたり飲んだりしながら歓談していました。

デザートと,コーヒーブレイク時の歓談風景

デザート コーヒーブレイク時の歓談

次回予告

今回はカンファレンスの基調講演の内容とカンファレンスの全体像を紹介しました。次回は個別の講演やハンズオントレーニングについて紹介したいと思います。

著者プロフィール

森本哲也(もりもとてつや)

一介のプログラマ。

自分で設計して,自分で開発して,自分で直せるような独立したプログラマを目指している。OSSコミュニティのゆるい人のつながりが性にあっていてPythonプログラミングが好き。共訳書に『エキスパート Pythonプログラミング』(アスキーメディアワークス)がある。

Twitter:@t2y

ブログ:http://d.hatena.ne.jp/t2y-1979/