クラウド元年をリアルイベントで体感 ─「G-CLOUD Summit 2010」レポート

セッション5A 200社のISPのインフラを支えたフリービットが提供するクラウドサービス

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「多彩な設定オプションをもつクラウドサービス~機能と導入事例のご紹介~」

フリービット株式会社
シニアマネージャー 益子 純一 氏

フリービット株式会社の益子純一氏による「多彩な設定オプションをもつクラウドサービス~機能と導入事例のご紹介~」のセッションでは,同社のクラウドサービスへのアプローチや,⁠Feel6.VDC ENTERPRISE-FARM Pro」の紹介および導入事例,今後の展開などが紹介されました。

益子純一氏

益子純一氏

仮想化による分散型システムとIPv6対応で「Web to SiLK」を目指す

フリービットは2005年に設立され,10周年を迎えました。ISP向けのインフラ提供を中心に,グループ会社と併せてコンテンツ以外のITに関わる部分を提供しています。インフラを提供している会社は全国で200社におよび,最近では関連会社であるDTIが提供するサーバ化ソフト「ServersMan」が注目を集めています。また,中国においてIPv6サービスの提供や家電用通信技術なども展開しています。

同社が目指す世界として「Web to SiLK」を掲げており,これは「クモの巣」と呼ばれるインターネットをもっときめ細かになめらかに,絹のように丁寧なネットワークにするというものです。その構成要素として「Smart Infra」をコンセプトに,仮想化による分散型システムとIPv6 Readyに注力しています。益子氏は同社の強みとして,多くのISPの裏方として日本有数の帯域を持つ高速なネットワーク,都内6箇所をはじめとするデータセンター,実績のある課金システム,満足度No.1のサポートセンターを挙げました。

同社のクラウドへのアプローチとしては,ISPに設備を提供する「ISP's ISP」は使用した分だけ費用を請求するもので,現在でいえば「PaaS(Platform as a Service)⁠にあたります。同社では次のクラウドビジネスとして「IDC's IDC」を提供しています。これは,高機能と多彩なオプションを実装した安価なクラウドサービスで,サービス名称は「Feel6.VDC ENTERPRISE-FARM Pro」になります。

高機能と多彩なオプションを実装した安価なクラウドサービス

本サービスは,フリービットのデータセンターにVMwareの仮想サーバ,Fortinetのセキュリティ機器などが組み合わされており,信頼性の高い既存のものでシステムを構築し,運用ノウハウによって動かすという仕組みであると益子氏は言います。その特長として,⁠優れた操作性を約束する管理コンソール」⁠多彩な機能で実現する自由度の高いシステム」⁠高安定性を約束する冗長化・二重化構成」⁠IPv6標準対応」の4つを挙げました。

複数のサーバを容易に一元管理できる管理コンソールでは,仮想マシンごとの負荷状況を確認できるほか,電源のON/OFFといった操作が行えます。また,数ステップで簡単に仮想マシンを作成でき,既存の仮想マシンのスペック変更も行えます。さらに,既存の仮想マシンを容易に複製できる「クローン機能」により,ソーシャルネットワークなど急激にトラフィックが増加するような場合にも迅速な対応が可能になります。もちろん,イベントログの確認やUTM,ファイアウォール,ロードバランサの設定も可能です。特にセキュリティ設定を自由に行えるため,企業のセキュリティポリシーに合った運用が可能であることも強みです。

保守用に仮想環境へSSL-VPN接続することも可能で,専用線を引いて物理環境とのハイブリッド方式で運用したいというニーズにも対応します。OSの選択肢も広く,またプライベートセグメントを7つまで標準提供するため,三層構造のシステムも低価格で構築できます。特に信頼性を重視して冗長化・二重化も当然のこととして提供しています。そしてIPv6に標準対応していることも大きな強みであるとしました。

仮想マシンを容易に複製できる「クローン機能」で急激なアクセス増に対応

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価格については,サービス利用費用,ネットワーク費用,仮想マシン費用,オプション費用の4種類がかかり,さらに初期費用もかかることになりますが,月額2万4000円から高機能サービスを利用できることはコストメリットが大きいと益子氏は言います。この費用は「Pro」版のものですが,⁠Standard」版では1日あたり200円からの利用が可能でPro版への移行も可能になっています。

さらに事例として,アクセスの増減が激しい芸能人公式サイトを運用する株式会社アドウェイズ・エンタテインメントでは,クローン機能によって急激なアクセス増に対応できるようになったほか,初期コストの圧縮,高信頼性・高機能,短納期といったメリットもあったといいます。また株式会社ファインドスターでは,新規事業である自社開発SFAのSaaS事業におけるインフラとして導入,運用の効率化,短納期,サポートなどに大きなメリットがありました。

続いて益子氏は,オプションである「監視・障害対応代行サービス」⁠運用・構築代行サービス」について説明し,さらに今後の展開としてDISK I/Oボトルネック回避のためのストレージ割り当て,SAPのシステム運用を完全代行するサービスの提供,また同社が現在開発中の独自開発仮想プラットフォームへの移行による,さらなる低価格化と高機能化を挙げ,セッションを締めくくりました。