Oracle OpenWorld 2010現地レポート ~JavaOneの新たなステージ

ハードウェア+ソフトウェアが生み出す創造性、信頼性、可能性、そしてFusion Applicationsの足音―Oracle OpenWorld 2010 4日目午後キーノート

Oracle OpenWorld 2010 4日目に、再びOracle CEO, Larry Ellison氏が登場した.OOW2010の振り返りとともに、Fusion Applicationsの未来について語った。

オープニング前から長蛇の列

OOW2010最後のキーノート、そして再びEllison氏が登壇するということもあり、会場には講演開始前から長蛇の列ができていた。

開場を待つ参加者たち
開場を待つ参加者たち

Infosysのこれから

まずはじめに、Infosys CEO and Managing Director, Kris Gopalakrishnan氏によるプレゼンテーションが行われた。

Infosys CEO and Managing Director, Kris Gopalakrishnan氏
Infosys CEO and Managing Director, Kris Gopalakrishnan氏

Infosysはインドにあるコンサルティングを中心に、ITに関するソリューションを提供するITベンダ。Infosys HRO Platformをはじめ、クラウドをベースにしたサービスとプラットフォームを提供している。

Gopalakrishanan氏は「将来的に、クラウド指向のソリューションが重要になっていく。なぜならITの消費のされ方が変わるからだ」と、ITの消費のされ方が再利用・共有という考え方にシフトし、その結果としてクラウドが重要になることを述べた。

また、これからのプラットフォームとしてiEngageやShoppingTrip360に関する説明が行われた。

iEngageのイメージ
iEngageのイメージ

過去最大規模の発表内容

Infosysの講演に続いて、Larry Ellison氏が登壇した。

堂々と登場した、Oracle CEO, Larry Ellison氏
堂々と登場した、Oracle CEO, Larry Ellison氏

冒頭でまず「今週は本当に素晴らしい週となった。なぜならこれまでのOracleの中で最もたくさんのエキサイティングな内容を発表できたからだ」と、Oracle OpenWorld 2010において、Exalogic Elastic Cloudをはじめとした新製品、新ミドルウェアソリューションを多数発表できたことを喜んだ。

気になるJavaやMySQLといったテクノロジについても「Javaについては今後HTML5と共存させていく方向で考えている。次世代のJavaに期待している。また、MySQLについては多方面から⁠OracleはMySQLを潰すのではないか⁠と問い合わせがあったがそんなことはしない。我々は投資したものについては必ず活用し、投資を回収するためにももっと改善し、MySQLを利益率の高いものにしていく」と、今回のOOWの中で、初めてEllison氏自らMySQLについて言及した。

今回発表された、新ソリューション、テクノロジーのリスト
今回発表された、新ソリューション、テクノロジーのリスト

Exadata→Exalogic Elastic Cloud

さらに、Exadataに続いてExalogic Elastic Cloudを発表できたことについて「繰り返し言うが、⁠Sun買収により)ハードとソフトを一緒に開発できるようになったこと、これにより顧客の手元には最適な状態にチューニングして提供できるようになる。さらに、異なる顧客でも同じミドルウェアソリューションが使えるようになること、これはユニークさがなくなるわけだが、これにより、全員が同じコンフィギュレーションを使えることになり、メンテナンスの手間は大幅に軽減する」と、Oracleの新体制による製品開発・販売の効果を熱く語った。

さらに同日、別のセッションでスピーカーを務めたSalesforce.com, Chairman & CEOのMarc Benioff氏の発言「クラウドは箱では使えない」という発言に対して「そもそもSalesforce.comだって箱をたくさん使っているのでは。それにExalogic Elastic Cloudの筐体の高さが高すぎると言っていたようだけど、高さのないマシンを使ったらフロアの専有面積は莫大なものになるんじゃないか」と、Benioff氏の発言に、Ellison氏ならではのユニークな皮肉を込めてコメントをした。

次世代のERP―Fusion Applications

気になるFusion Applicationsについては、開発背景と併せて説明を始めた。

「私たちにはERPもCRMもどちらの開発経験は豊富にある。Fusion Applicationsを開発する前には、今までやったことのない、業界標準となるミドルウェアを使って、次世代のERP、CRMを作ろうと思ったんだ」と、既存のERPやCRMとは異なる考え方、アーキテクチャによる製品開発を行ったそうだ。

「今後はプロセスオートメーションが重要」⁠分析は事後ではなくリアルタイムに行うべき」というコンセプトのもと、⁠今すぐ判断できる、意思決定のできるミドルウェア、それがFusion Applicationsだ」とFusion Applicationsのメリットともに、開発最新版のデモを行った。

Fusion Applicationsのデモンストレーション
Fusion Applicationsのデモンストレーション

新生Oracleのマネジメント体制

また、新生Oracleのマネジメント体制として

  • Mark Hurd(President)
  • Joanne Olsen(Cloud Services)
  • Chucko Rozwat(Support)

の3名が紹介された。

次回は2011年10月2~6日、再びサンフランシスコで

こうして、非常にボリューム感のある発表とともに、Ellison氏のキーノートは終了した。会期は翌9月23日まで行われ、計5日間、身のある発表が多数見られた。

また、JavaOneについても新しい姿で、会場もHilton Hotelに移って開催された。こちらは、これまでのJavaOneの規模と比較すると縮小した部分は否めないが、継続されるという観点で見ると喜ばしいことだろう。

次回Oracle OpenWorldおよびJavaOne/Oracle Developは、2011年10月2~6日の開催が発表された。興味のある方はぜひ西海岸へ足を運んで体感してもらいたい。

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