Oracle OpenWorld 2010現地レポート ~JavaOneの新たなステージ

Java SEの新技術とJavaFX最新動向―JavaOne 2010レポート(その2)

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JavaFXの新たな道

JavaFX 2.0

JavaFXのはじめてのメジャーバージョンアップであるJavaFX 2.0は,前述したようにクライアント技術の中核となることが発表されています。このセッションではクライアントのチーフアーキテクトであるRichard Bair氏とJasper Potts氏が担当しました。

図5 Richard Bair氏

図5 Richard Bair氏

図6 Jasper Potts氏

図6 Jasper Potts氏

JavaFX 2.0の最も大きな変化は,JavaFX Scriptをサポートしないということです。

今までJavaFXのアプリケーションは,宣言的文法を採用したJavaFX Scriptによって記述してきました。しかし,JavaFX 2.0ではJavaFX Scrriptを捨て,Javaから扱えるようになったのです。

つまり,JavaFX 2.0はSwingやAWTと同じように,Javaのグラフィック技術の1つとなったわけです。

個人的には,JavaFX Scriptの簡潔な記述が気に入っていただけに,この決定は非常に残念です。しかし,JavaFXがなかなか浸透しない理由の1つがJavaFX Scriptであるという見方もできます。

この決定が吉と出るか,凶と出るかは,まだわかりません。

JavaFXがJavaのライブラリとなるため,JRubyやGroovyなどJava VM上で動作するスクリプト言語でもJavaFXを扱えるようになっています。

JavaFX 2.0の機能強化として,HTMLとの親和性の向上が図られます。たとえば,CSS 3のサポートや,JavaFXでHTMLを表示できるようになります。また,HTML 5のローカルストレージへの対応や,HTMLのDOMを操作できるようにするなどの機能強化が図られています。

JavaFX 2.0ではレンダリングエンジンも一新されます。JavaOne初日のキーノートで紹介されたムービーがYouTubeにもアップされているので,ぜひご覧になってみてください。

JavaFX 2.0は2011年の第1四半期にアーリーアクセス版,第2四半期にベータ版,そして第3四半期にリリース予定です。

おわりに

今年のJavaOneはJava SE,JavaFXに関してはロードマップが一新され,今後の見通しがはっきりしてきました。逆に,前回も言及したようにJava EEとJava MEはまだロードマップに具体性がないように筆者には感じられました。今後,どのようなロードマップが示されるのか,興味深いところです。

そして,Oracleが主催したはじめてのJavaOneということで,残念ながら手際の悪さも目立ってしまいました。これについては2回,3回と回を重ねることによって改善されていくのではないでしょうか。

Oracleが主催になったことで,JavaOne開催のレギュレーションが変化し,サンフランシスコ以外での開催も決まっています。今年の12月にはブラジルと北京で開催される予定です。また,来年にはロシアとインドでの開催も企画されています。

そして,サンフランシスコで開催される次回のJavaOneは,2011年10月2日から開催されます。来年はどのような新しい技術が飛び出してくるのか,興味はつきないところです。

著者プロフィール

櫻庭祐一(さくらばゆういち)

横河電機に勤務するかたわらJava in the Boxにて新しい技術を追い続けています。JavaOneは今年で11年目。名実共にJavaOneフリークと化しています。