PHPカンファレンス2010スペシャルレポート

2日目,テックデイレポート[随時更新]

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フレームワークアップデートLT

安藤祐介さん「CakePHP」

CakePHPは,ビデオレターによる紹介です。

CakePHPでは,今はリファクタリングをして少しずつコードを整理している最中とのことです。また,次のリリースからはSimpleTestからPHPUnitに移行します。

また,PHP 4の処理を削除することでパフォーマンス改善と最適化を図っています。⁠長い間,手がつけられなかった所を作り直してリフレッシュするいい機会だ」とコアチームのメンバーは語ります。PHP 5専用にして,レイトバインディングなどのPHP 5専用機能を導入することで,テスト環境では30%もの速度向上が実現したそうです。

また,例外処理やDIコンテナも導入されるとのこと。次期バージョンリリースが楽しみなCakePHPです。

なお,ビデオレターはPHP Matsuriのサイトで公開されています。

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安藤祐介さん「Lithium」

Lithiumも,ビデオレターによる紹介です。

Lithiumは2年前に開発が始まり,去年公開されたフレームワークです。PHP 5.3専用で,PHP 5.3の機能をふんだんに使っています。

先行のCakePHPなどを参考にして作られたフレームワークで,開発を助けるような新しい要素を取り入れ,さらなる改善を図っています。

始めるには,ダウンロードしてチュートリアルを実行しましょう。ブログ,認証,フィルターなどの機能を使ってフォトブログを作るチュートリアルが同梱されています。写真にジオタグをつけることもできます。

まだ若いフレームワークで,バージョンがまだ1.0になっていません。正式リリース時にはドキュメントも一緒にリリースする予定とのことです。安定版になる前の状態を学んでほしくないので,まだドキュメントはつけていないとのことでした。

来週のPHP Matsuriに開発者のNateさんとJoelさんも来日する予定とのことです。興味のある方はチェックしましょう。

Lithiumのビデオレターも,PHP Matsuriのサイトで見ることができます。

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sotarokさん「Ethna」

Ethnaは,GREEのふじもと氏が2004年に公開したフレームワークです。2000万ユーザーのWebサービスを支えた実績があります。

去年の10月18日,バージョン2.5.0 stableをリリースしました。2.3.0から約2年半ぶりのメジャーバージョンアップで,PHP 4とPHP 5.2をサポートする最後のバージョンになります。

2.5.0はUTF-8化,国際化対応,ActionFormの多次元配列対応などが盛り込まれています。また,次期バージョンとなる予定のバージョン3.0については,⁠3.0を考える会」というオフラインミーティングで活発な話し合いがされており,Ethnaらしさをもっと出したものになる見込みです。

また,この1年での大きな出来事に,公式マスコット「えすにゃん」が登場し,夏コミや同人誌に登場したことも挙げられます。

「この1年はいろいろと構想を練る年だった」と話すsotarokさん。⁠Ethna 3.0に期待してください!」の一言でLTを締めくくりました。

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riafさん「rhaco」

続いてrhacoの紹介です。

"No trunk, no rhaco",⁠3時間前はジュラ紀"など,開発者「とくしまん」で有名なrhacoは,次世代PEARサイトOpenpearでも使われています。

rhacoからrhaco2は全く別ものとして扱われています。開発中のOpenpearもrhacoからrhaco2へリプレースされています。

rhaco自体の特徴としては,Object.phpやdoctest,PHPとしては気持ち悪い変態的なrunserverコマンドがrhaco2に実装されました。

続きはLingrのrhaco-ja部屋で!

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MugeSoさん「Agavi」

AgaviとはSymfonyの兄貴,HTTP専用でもフルスタックでもない高品質なフレームワークと位置づけられています。

Avaviのアップデートは,iisのサポート,Azure Platformのサポート,XSLTレンダラのサポート,FormPopulationFilterのxmlモード(xhtml用)で   が使えるようになった,例外画面の例外連結(PHP >= 5.3)サポートなどがあります。

さらにメジャーアップデートのバージョン1.1は,認証レイヤーの追加,HipHop PHPのサポート,Windows Azure Platformサポートの向上,ストレージサブシステム機能追加(キャッシュやセッションなどで用いる,KVSの統一インターフェイズ)⁠ResponseクラスへのAttribute追加があげられます。

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Kenji Suzukiさん「CodeIgniter」

Googleトレンドで「初めて今年第2位になった」と話して会場の笑いを誘うSuzukiさん。MOONGIFTでも,CodeIgniterベースのアプリケーションがよく紹介されるようになったそうです。また,来年2月19日,⁠CodeIgniter Con 2011 Tokyo Japan」というイベントが日本で開かれる予定です。

CodeIgniterは,⁠軽い,速い」⁠規約が少なく習得が簡単」⁠拡張が容易」という特徴をもつフレームワークです。最終バージョンは1.7.2で,現在は2.0が開発中です(リリース時期は未定)⁠2.0では,Driverと呼ばれる特殊なクラス,JavaScriptクラス,セキュリティクラスなどが追加される予定とのことです。

詳しくは,日本CodeIgniterユーザー会のサイトをご覧ください。

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sasezakiさん「Zend Framework」

ZendFrameworkの紹介です。バージョン1.8でZend_Applictionが追加されたのが大きなアップデートになっています。2.0に向けて変更が予定されている箇所は E_USER_NOTICE が出力されるそうです。

追加されたコンポーネントは,Zend_OAuth,Zend_Filter_Compress, Decompress,Zend_Service_Azure_Platformなどがあります。さらにZend_SerializerではPythonのPickle形式が読めるようになったそうです。

今後はバージョン1.11をリリース予定であり,もう少しだけ1.x系は続きます。

ZendFrameworkではマニュアルの翻訳者が足りていないため,絶賛募集中です。

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小川雄大さん「Symfony」

最後にSymfonyの紹介です。

今年6月に日本Symfonyユーザー会を設立され,IRCで定期的なミーティングが行われています。

1.3は互換性を残したバージョンで,1.4は互換性を切り捨てたバージョンとしてリリースされています。

Symfony2は現在開発中で,PHP5.3.2以上に対応し,1.xからは大幅に変更されています。中核となるHttpKernelというクラスがあります。このクラスには大きな機能はありませんが,非常に柔軟でやろうと思えばこの上でCakePHPを動かすことも可能です。

さらに,新しいキャッシュ機構により80倍以上の高速化がされています。DIコンテナーもSymfony2のコンポーネントとして実装されています。他にもProfilerなど便利な機能が目白押しです。速度・拡張性・柔軟性が大幅に改善されています。

リリースは来年の3月にリリース予定だそうです。

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著者プロフィール

佐藤佳祐(さとうけいすけ)

株式会社オトバンク ウェブ配信事業部 開発チーム所属。北海道出身。nequalというエンジニアグループでOpenpearの開発を担当。最近はLOCALの活動が気になって仕方がない。

URLhttp://riaf.jp / twitter:riaf


春原宏保(すのはらひろやす)

長野市在住。最近はC++とDelphiばかりで,PHPからは遠ざかっている。あちこちの勉強会やカンファレンス,セミナーへ参加しては議事録を執筆し,ブログに公開するのが趣味。

URLhttp://d.hatena.ne.jp/suno88// twitter:suno88


藤本洋一(ふじもとよういち)

株式会社BeProud所属。

会社でもnequalでも毎日コードしか書いてません。最近はPythonでDjangoで生活を楽しく面白くする何かをつくってます。

URLhttp://wozozo.jp/ / twitter:wozozo


ヤガー

エンジニアブロガーとして個人ブログCreazy!にPHPやJavaScriptのTipsを更新する傍ら,ツイポーートTwitGIFなどPHPで開発したWEBサービスを多数運営している。

現在は絶賛求職中。

URLhttp://creazy.net/ / twitter:yager