PHP Matsuri 2011 レポート

PHP Matsuri 2011 セッション・ワークショップレポート

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ニフティ 市角栄康さん,E2 わたなべかずひろさん「ニフティクラウドのAPIの紹介と今後の予定,ユーザーからみたNiftyCloud」

PHP Matsuriのハッカソンのために,無料インスタンスを提供していただいたニフティクラウドの市角さんと,ニフティクラウドのベータ版からのユーザーであるわたなべさんより,ニフティクラウドに関するセッションが行われました。

はじめに,ニフティクラウドというサービスの紹介が行われました。ニフティクラウドとは,Amazon EC2に近い形で提供しているIaaS型のパブリッククラウドコンピューティングサービスです。2010年1月のサービス開始より,900社以上が導入しており,仮想化基盤にはVMWareを使用しているそうです。このサービスでは1ヶ月に1回という早いペースで機能を追加しており,直近ではAmazon S3互換のクラウドストレージサービスやより高速な増設ディスクサービス,障害通知サービスなどが追加されたとのことです。

次に,実際にWEBコントロールパネルを見ながらの操作デモが行われました。このWEBコントロールパネルでは,現在のサービス使用状況を閲覧できるほか,サーバーの追加や削除をはじめとする各種操作も行うことができるそうです。

サーバーの追加デモでは,

  • OS選択
  • サーバー名登録
  • スペック,料金選択
  • 公開鍵選択(または作成)
  • ファイアーウォール設定

の5ステップを実際に操作し,実際に5分程度でサーバーが起動することが確認できました。

最後に,ニフティクラウドAPIの説明が行われました。このAPIは,Amazon EC2互換のREST APIとSOAP APIがあり,JavaとRubyのSDKが用意されているのでプログラムからサーバーを操作することができるそうです。また,非公式ながらわたなべかずひろさんが作成したPHPのSDKもあるため,PHPからの操作も可能とのことでした。APIを使用するメリットとして,プログラムによるインフラの自動制御や複数サーバーの同時起動が可能になることが挙げられました。また,公式のAPIリファレンスが簡単に紹介されましたが,APIリファレンスが日本語で記述されている点も,日本人エンジニアには嬉しいポイントではないかと思います。

次に,わたなべさんによる「ユーザーからみたNiftyCloud」セッションが行われました。それによると,ニフティクラウドを選択したポイントは,

  • ネットワークとCPUが速い
  • 日本語で全て行うことができる
  • WEBコントロールパネルが使いやすい
  • スタッフが親切

の4点であったそうです。そのため,現在では60台近くのサーバーのうち90%をニフティクラウドで運用しているとのことです。

ニフティクラウドを使用していて困ったこととして,初期のマイナートラブルでHDD障害が起きたことなどを挙げていました。しかし,高負荷時にスケールアップすることで対応するなど,クラウドサービスの恩恵も受けているそうです。また,新規追加された高速な増設ディスクサービスのおかげで,DiskIOの負荷に悩まされることが減るなど,頻繁なバージョンアップも魅力とのことでした。

VOYAGE GROUP 高橋洋平さん「今日もまた○○な環境で仕事をはじめるお ~エンジニア理想の職場と私の職場~」

VOYAGE GROUPの高橋洋平さんより,エンジニアの職場環境についてのセッションが行われました。

セッションで話すのは初めてという高橋さん

セッションで話すのは初めてという高橋さん

はじめに,高橋さんの定義する環境についての説明がありました。それによると,場所・人・使う物など全てを引っくるめて環境とするそうです。

次に,エンジニアを取り巻く環境について,以前にTwitterで#engineerenvというハッシュタグを使用して議論された内容を引用し,

  • 職場の全員が良い物を作ろうという価値観で一致している
  • 和室
  • デュアルディスプレイ
  • 誇れる場所(プライド?)
  • ヒト(エンジニア)が一番大事だと理解している職場
  • 非喫煙者の休憩所
  • 有能なエンジニアと一緒に働ける
  • エンジニアを育てる風土

といった意見があったことを紹介しました。それらの意見を集計すると,

  • 良いイスとデュアルディスプレイ
  • ビジョン,情報の共有
  • 権限と責任を与えてくれる
  • コミュニティ(OSSなど)活動支援
  • エンジニアを育てる風土

といった内容が多かったそうです。しかし,それらがすべて揃ってたら本当に働きやすい環境か?という問題提起とともに,VOYAGE GROUPのエンジニアを取り巻く環境が次のようなものになっていることを紹介しました。

  • 配給されるハードウェアはデュアルディスプレイとMacbook ProまたはAir
  • 和室と掘りごたつのスペースがある
  • AJITOという社内バーで,お酒だけでなく,昼食や軽い休憩でもコミュニケーションができる
  • OASISというライブラリ兼集中ルームに常時4,000冊ぐらいの本があり,社内外問わず勉強会会場になっている
  • 社内勉強会が自然発生的に行われる
  • グループ他社であっても垣根無くエンジニア同士が高めっている

最後に,⁠みなさんも自分の環境などをアウトプットしてみてください」という言葉で締めくくられました。

ディノ 高原芳浩さん「PHPer.jpの紹介」

パブリッククラウドコンピューティングサービスであるユニットホスティングを運営する傍ら,PHP向けのPaaSサービスを開発するディノの高原さんより,PHPer.jpというサービスに関するセッションが行われました。

はじめに,PHPer.jpの概要が説明されました。それによると,PHPer.jpとは,速くて耐障害性が高くてスケーラブルなPHP環境を手っ取り早く構築することを目的に構築しているPaaSサービスだそうです。サーバー構成は,Ruby向けPaaSで知られるherokuと同等の仕組みをPHPに適用したものであり,特徴として,仮想専用サーバーとLAMP構成の組み合わせであること,git pushコマンドによりデプロイされること,RESTFul API/CLIが備わっていること,PHP向けサービスながらRuby on railsで作られていることなどが挙げられるそうです。

次にサービス開発の経緯についての説明が行われました。このサービスは個人プロジェクトとして1人で開発を開始され,twitterで公開したところ反響があったためベータサービスを開始したそうです。2011年10月現在,133人のユーザーが84のアプリケーションをデプロイしているそうですが,未だに個人プロジェクトとして開発を継続されているとのことです。

最近の開発の成果としては,PHPMyAdminが使用可能になったとのことです。また今後の課題として,本当の意味で自動的なオートスケール機能を実装することとしています。

PHP Matsuriのハッカソンにおいて,エラーログ,アクセスログをWEB上から閲覧可能にするなど精力的に開発されている印象を受けました。

著者プロフィール

佐野宏英(さのひろひで)

神奈川県横浜市在住。18歳で参画した大手SIerによる大規模Java開発から2年で脱出して以来,CakePHPを使ったWEB開発を主に1人で行っている。尊敬する人物はよしおかひろたか氏。

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