Plone Conference 2010参加レポート

Plone Conference 2010 Day 1

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基調講演: Revolution & Evolution

カンファレンスは基調演講から始まります。今年はPloneの共同創設者(Co-founder)のAlexander Limi氏とAlan Runyan氏から,Ploneの現在と今後についての話がありました。

Alan Runyan氏(左)とAlexander Limi氏

Alan Runyan氏(左)とAlexander Limi氏

基調講演の様子

基調講演の様子

Ploneの現在

最初にPloneの現状の説明として,2010年9月1日に最新安定版のPlone 4.0がリリースされたことの報告と,リリースマネージャーのEric Steele氏@esteeleが紹介されました。Plone 4.0は,Zope 2.0というPythonで記述されたアプリケーションプラットフォーム上に構築されていますが,Zope 3.0での先進的な機能が盛り込まれていることが説明されました。

また,現在Ploneはバージョン3/4/5という3つの開発ラインが存在しており,5系には意欲的に新機能を追加し,4系にはそのうち有用なものをバックポートし導入すること,3系にはセキュリティ対策のみが行われていくことが説明されました。さらに,リリースマネージャーのEric Steele氏から,Plone 4系のマイナーアップデートバージョンであるPlone 4.1が3月中にリリースを予定されていることが発表されました。

Ploneの今後

続いて,Plone 5以降の方向性が語られました。現在のWebの新しい標準であるHTML5,CSS3,SVG,Canvas等の技術に対応していくとのことです。また,iPhoneやiPadなどの新しい端末と新しいブラウザに対応させていくという発言がありました。

そして,Plone 5に搭載予定の新しいアーキテクチャについての説明がありました。それは以下の3つです。

  • Deco:画面上の部品をドラッグ&ドロップで簡単に配置する仕組みです。iGoogleのガジェット配置をイメージしてもらえるとわかりやすいでしょう。
  • Diazo: 今まで xdvと呼ばれていた機能の名前を変えたものです。DiazoはPloneサイトからコンテンツの要素を受け取って任意のHTMLテンプレートに配置しなおす仕組みです。Diazoを使うことにより,Ploneサイトには一切手を加えずにサイトのデザインを柔軟に変更することができます(詳しくは清水川Webの xdv チュートリアルを参照してください⁠⁠。
  • Dexterity:CMSに登録する新しいコンテンツの種類(例えばグルメサイトのお店等)を作成するときに,プログラムを一切作成せずにGUIだけで新しいコンテンツの種類を作成するための仕組みです。

他にもAmazonなどが提供するクラウド環境への配備や,サーバーの高速化,開発を簡単にすることなどが述べられました。また,Plone 5で得られた成果は,随時Plone 4にも適用していくことが再度説明されました。

最後にカンファレンス参加者に向けて,色んな人と話したり人を募集したり交流しましょうというメッセージがありました。会場の中にはサイトを運営している人,Ploneの機能拡張するためのプロダクトを作っている人,サポートをしている人などさまざまな人が来ているようです。

Solving Social Network Fatigue

スピーカーのDavid Jonas氏はオランダでメディアやアート系のサイトを作られているそうです。今回はV2_ Institute for the Unstable Mediaというサイトで実際に運用されている,サイトとソーシャルネットワークの連携を強化する仕組みについて発表が行われました。

David Jonas氏

David Jonas氏

MoMaなどのメジャーな美術館のサイトでは,YouTubeやtwitter, Facebook, Flickrなどにコンテンツを提供して収入を得ていることを指摘し,同じように自身が運営しているサイトでこれらのソーシャルネットワークを使用する場合に,手動でコピー&ペーストのは効率が悪いため,なんらかの代替案を考える必要があると言及しました。

最初の解決策として紹介されたのは,Facebookの「いいね」ボタンのように,サイトを共有するためのボタンを設けることです。この方法は新しいユーザを増やすためには有効ですが,頻繁にサイトを訪れるユーザはボタンを押さなくなるため,そういう人たちには有効ではないことが語られました。

次に解決策として提示されたのが,republishと表現していたPloneサイトにアップした情報を自動的にソーシャルネットワークにアップする方法です。新しいコンテンツを作成したらすぐにrepublishが実行されます。そのときに,ただ単にソーシャルネットワークにコピーするのではなく,コンテンツの種類によって,例えば画像はFlickrに,イベントはtwitterとFacebookにといったようにアップロード先を変えるという仕組みが説明されした。なお,この仕組みを実現するProducts.republisherというプロダクトが公開されています。

最後に,逆にソーシャルネットワーク上のデータをPloneに自動的にアップロードする仕組みが説明されました。現時点ではFlickrのある場所をリモートのフォルダとして扱い,新しい写真がFlickrにアップロードされるとPloneサイト上に画像コンテンツとして追加する仕組みを運用しているそうです。このプロダクトはProducts.remotefolderで公開されています。

実際にサイトでこのようなソーシャルネットワークと連携する仕組みを導入してから,訪問者が右肩上がりで増えていっていることが報告されました。公開するサイトを作成するときには参考になりそうです。

Ploneサイトとソーシャルネットワークとの連携イメージ

Ploneサイトとソーシャルネットワークとの連携イメージ

著者プロフィール

鈴木たかのり(すずきたかのり)

BeProud 所属。

部内のサイトを作るためにZope/Ploneと出会い,その後必要にかられてPythonを使い始める。最近miniじゃなくなりつつあるPython mini Hack-a-thonの主催者の一人でもある。

趣味は吹奏楽とレゴとペンシルパズル。2012年の目標は9月にオープンするマレーシアのレゴランドに行くこと。写真はうちのフェレットくろちゃんとくりちゃんです。

Twitter: @takanory
ブログ: http://takanory.net/takalog/