• DEVELOPER STAGE
  • ADMINISTRATOR STAGE
  • WEB+DESIGN STAGE
  • LIFESTYLE STAGE
  • CLOUD COMPUTING STAGE
gihyo.jp » NEWS & REPORT » レポート » 「第3回 ソフトウェアテストセミナー」レポート » #2 セッション1 独立したテスト組織におけるテストプロセス改善事例とテストエンジニアの教育

「第3回 ソフトウェアテストセミナー」レポート

#2 セッション1 独立したテスト組織におけるテストプロセス改善事例とテストエンジニアの教育

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1.5 分

日本オープンシステムズ
佐藤 光紀 氏

日本オープンシステムズ<br>佐藤 光紀 氏

セッション1は,日本オープンシステムズ 佐藤光紀氏による「独立したテスト組織におけるテストプロセス改善事例とテストエンジニアの教育」と題したプレゼンテーションでした。ソフトウェアテストにおける“人の問題”に焦点を当てて解説が行われました。

TPIを活用したテストプロセスの改善を実施

システムコンサルティングやシステムエンジニアリング,さらに組込み機器などのテストを実施するシステム検証サービスなど,幅広い事業に取り組んでいる日本オープンシステムズ。同社における開発では,社内の開発グループとは別に総勢150名からなる組織外のテストチームを構築し,開発側とは異なる,ユーザー視点でのテストが実施されています。

日本オープンシステムズの佐藤光紀氏は,テストのプロセス改善や支援活動を行うグループに所属,日々改善活動に取り組まれています。今回は,改善活動の中で利用されているツールや手法について紹介がありました。

まず最初に紹介されたのは,PDCAサイクルによる改善です。具体的には,プランとして具体的な品質目標を立て,実行フェーズにおいて計画や品質目標に基づいたテストの実施,そしてテスト結果から品質を分析し,その結果から出荷判定の合否を判定する資料を提出するという流れが説明されました。

またテストを実施しながら費用実績計測や進捗管理,遅延分析予測も行うとのこと。これによって事前に当初予定していた予算よりもオーバーするか,あるいはスケジュールが遅延しているかなどを判断し,必要に応じてクライアントとの折衝が行われます。「こうした対策を実施することにより,PDCAのサイクルを回しながらQCDの改善に向けて取り組んでいます」という佐藤氏の言葉から,テストそのものの品質管理への強い意欲が伺えます。

さらに「TPI(Test Process Improvement)」を利用したテストプロセスの改善にも取り組んでいると,佐藤氏は述べます。TPIはオランダのIQUIP(現SOGETI)によって提案された,テストプロセスの現状の評価と改善のための手法です。この中にテスト成熟度マトリックスと呼ばれる表があり,テスト戦略やライフサイクルモデルといった各々の項目における成熟度が示されています。この表を利用して現状を把握,さらにPDCAに当てはめて改善サイクルを回していくことで,テストチームのレベルアップが図られている言います。

JSTQBのテスト技術者試験で76%の合格率を実現

TPIでは評価項目の1つとして,「テスト技術者は適切な教育や訓練を受けている」という項目があり,その対応としてJSTQBの資格取得を目指した推進活動にも取り組んでいることが紹介されました。JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)とは「ソフトウェアテスト技術者資格認定」の運営組織で,テスト技術者の認定試験を行っています。日本オープンシステムズのテストチームでは,この資格取得を目指した勉強会を毎週実施,30~40人が参加されているそうです。このうち76%にあたる26人が合格したとのことで,試験全体の合格率(約50%)から考えると,レベルの高い非常に有効な勉強会であったことが分かります。

これらのさまざまな改善活動から見えてきたものとして,佐藤氏は「TPIはあくまでもモデルであり,テスト成熟度マトリックスのレベルを上げていくことだけが目的ではありません。改善の道筋をどうやって付けていくのかが重要です」と語ります。また,TPIの評価項目は現場ではそのまま使いづらいため,カスタマイズする必要があったと活用のポイントも教えていただきました。

続けて「テストに関する教科書や参考書には,何々すべきである,あるいは何々しなければならないなど,さまざまな方法論がありますが,簡単には通用しません」と語ります。さらにテストチームの改善活動を支援するためには,テストエンジニアの立場に立って,効率よくテストプロセスを回すためにはどうすればよいかなど,縁の下の力持ちとして支えていくことが重要であると述べられました。

日本オープンシステムズのノウハウを吸収できる教育サービス

最後に,こうした改善活動から得られたノウハウに基づき,日本オープンシステムズが提供している教育サービスについて紹介されました。

この教育サービスにおけるコンセプトとして紹介されたのは「顧客に合わせた独自の教育メニューの立案」,「個人だけではなく組織も含めた成長の支援」,そして「組織の求めるITキャリア体系の明確化」です。

まず一つ目の教育メニューの立案では,徹底した現状調査を行い,その分析から顧客の強みと弱みを把握して適切な教育メニューが立案されます。さらに日本オープンシステムズで採用したTPIの手法を活用するためのノウハウを提供し,個人及び組織の成長がサポートされるということで,組織力の強化にもつながるサービスとなっています。

3つ目は日本オープンシステムズが持つ評価項目に従って個々のエンジニアのスキルを明確化し,現状の見える化が行われます。自社が目指すべき方向性と,ここで得られた現状のスキルを見比べることで,個々のエンジニアにどういったスキルアップ施策を提供するかが明確化するわけです。

エンジニアの教育は多くの企業において重要な課題となっていますが,思うように効果が上がらず悩みを抱えているところも多いでしょう。そうした企業において,現実に自社で抱えているテストチームの改善を実現した日本オープンシステムズの教育サービスは,非常に魅力的なものと言えるのではないでしょうか。

コメント

コメントの記入