早稲田塾スーパーITプログラム2018,開講――今年のテーマは「0→1を実現する創造力を身に付ける」

講義02:今注目のスタートアップ都市福岡で高校生たちが学んだ、0→1の創造力と発信力

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福岡で観たスタートアップ最前線

8月15日の講義を終え,早稲田塾スーパーITプログラム2018の受講生たちは福岡でフィールドワークを実施しました。

今,福岡市が注目される理由―スタートアップとコミュニティ

今回,筆者がフィールドワークの地として福岡を選んだのは,IT/インターネット分野において,注目を集める企業が福岡に集まっていることに加え,もともと福岡で起業した企業がグローバルに展開していること,そして,もう1つは,民間と自治体の協力体制が,他の都市に比べて非常に強いことがあったからです。

ご存知のように,2012年に福岡市長の高島宗一郎氏は,明星和楽というイベントにて「福岡スタートアップ都市宣言」を行いました。

こうした市長自らの発言が,地場の民間企業,とくにIT関連企業主導で行われたイベントで発表された点がとくに注目したい点です。筆者はその宣言以降の福岡の動向を見ている中で,これからの民間企業と自治体の関わり方,もっと大きく言えば,コミュニティの未来像が見えたように思いました。

こうした背景に加えて,筆者自身が福岡にオフィスを構える各社に知人が多いこともあり,福岡市を選ぶことになったのです。

注目IT企業,福岡オフィス訪問

今回のフィールドワークで訪問したおもな企業や施設は以下のとおりです。

  • さくらインターネット株式会社 福岡オフィス
  • GMOペパボ株式会社 支社
  • Fukuoka Growth Next
  • 株式会社ヌーラボ(HQ)

それぞれの企業・施設で,代表や関係者の方たちに企業であればそれぞれが取り組んでいること,また,施設であれば,その施設が目指すものについて説明していただきました。

たとえば,さくらインターネットは,福岡オフィスを立ち上げたのは2017年3月。まだ1年半も経過していない状態です。当日オフィス紹介をしてくれた福岡オフィスマネージャーの櫻井裕氏は「これから福岡のファンを増やしていくフェーズ」と表現し,さくらインターネットとして,福岡を拠点に展開する施策を考えているそうです。

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また,前身から数えて設立17年目を迎えるGMOペパボは,現在の本社は東京にあるものの,福岡自体の規模も大きく,また,ホスティング事業を中心に,同社の中核をなす拠点として活動が続けられています。同社はとくに「おもしろさ」を大事にしている企業で,おもしろさからを創造の起点にすることの強みなどを,自社のサービスに合わせながら紹介してくれました。また,同社取締役福岡支社長 永椎宏典氏は,ずっと福岡で育ってきた背景から「福岡への愛着」という観点で福岡の良さを高校生たちに伝えてくれました。

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同じく,福岡で起業し,今では日本国内(福岡・東京・京都)に加えて,アメリカ(NYC)⁠オランダ(アムステルダム)⁠シンガポールの3ヵ国にも拠点を持つヌーラボは,前述のイベント明星和楽の発起人の1人でもる代表取締役の橋本正徳氏が,暮らし続けているからこそわかる福岡の良さについて,また,スモールスタートからの世界展開の実践について,紹介してくれました。

また,今回のフィールドワークでは,ヌーラボオフィスにあるセミナールームとカフェを会場として提供していただき,受講生たちは講義を聞いたり,グループワークを行ったりと,フィールドワークの拠点として活用させていただきました。

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そして,企業ではなく施設として2017年4月にオープンした官民共働型スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」では,ブランコ株式会社代表取締役CEO/CCOの山田泰弘氏が,施設立ち上げの背景と,現在,施設ん準備されているスタートアップ支援の仕組み,また,運営されているカフェやスペースについて紹介してくれました。

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非常に短い時間で,さまざまな場所を訪問することで,受講生たちは福岡のスタートアップの現在を,少なからず感じられたのではないかと思います。

また,これはどの企業・施設に訪れても異口同音で話してもらったことで,⁠福岡は都市としてコンパクトで,⁠物理的な)距離が近いことがスタートアップに向いている特徴の1つ」ということです。

たしかに,人と人との距離が近いことで,さまざまなコミュニケーションが短期間で生まれ,そのコミュニケーションから,今までにない何かを生み出す可能性が高いのかもしれません。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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