世界最大のPythonカンファレンス「US PyCon 2019」レポート

第1回 US PyConへの道,1日目キーノート「Pythonこの10年」,注目セッション~日本からのLT参戦

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1日目ライトニングトーク

カンファレンス中には毎日1時間程度のライトニングトークがあります。ライトニングトークのスピーカーの選び方は少し変わっており,毎日話したい人が申し込みするボードが用意されます。発表をしたい人はここに名前,メールアドレス,タイトルを記入します。そして,選ばれた10名にメールで連絡が来るという形式のようです。完全な早い者勝ちではなく,なおかつ多すぎる候補から選ばなくていいのでなかなかよい手法だなと思いました。

Lightning Talksの申し込みボード

Lightning Talksの申し込みボード

そして1日目のライトニングトークで日本から参加したHirataさんが見事選ばれました。以下はHirataさんのライトニングトークでの発表についての感想です。

初めてのライトニングトークでの発表

Tetsuya Hirata@JesseTetsuya

ステージに立つ前までは,とても緊張していました。なぜなら,ライトニングトークを日本でもやったこともなければ,他の人がやっていたのを実際に見るのも2,3回程度であったためです。こんな人数でこんなにもでかいスクリーンの前で話すのは,人生で一度もありません。

また,US PyConのステージにアジア人(特に日本人)で登壇してる人が少ないということもあり,日本人である自分の考えや意見を自信を持って伝えることでUSのPythonコミュニティに何かまた新鮮な感覚をもたらすことができるのではと思っていました。そう思いながら,会場に向かいました。

24人から選ばれる10人の発表者は,一列目の席に発表の順番に座ることになっていました。私は,緊張のあまり両脇に座っていた人に「I'm so nervoursssss. What should I do ?(とても緊張している。どうしたらいい?⁠⁠」と言ってました。右側の人(僕のトークの前の人)「おれ,全然準備してないから俺のスライドみたらもっと楽になるんじゃない?」と言われて見せてもらったら「スライド,めっちゃ準備してきてるじゃん」と思い,ここで自分のトークへの自信をなくしました。次に左側の女性(僕のトークの後の人)に聞いたら,⁠OMG, I'm getting more nervous(私も緊張してきたよ⁠⁠」と言われて,⁠え,僕のせい?!ごめん」となっていました。

いざ,ステージに上がるとみんなが温かい目でトークを聞いてくれている感覚があり,思っていた以上に緊張せずに話しきることができました。

Hirataさんの発表の様子

Hirataさんの発表の様子

発表が終わって,多くの人に名前と顔を覚えてもらえました。Guidoにも「君のトークを聞いてたよ,よかったよ」と言ってもらえました。他にも,いきなり知らない人(SprintでのPackaging Summitを仕切っていた人)「君のトークよかったぜ」と言われて飲みに誘われて行きました。

一番印象的だったのは,US PyConに参加していた何人かのアジア系の方々に「I'm impressed. Well done.(感動した。よくやった。⁠⁠」と言い寄られたことでした。このとき,日本では感じ得られないようものを感じました。

総じて,US PyConの多様性を重視する姿勢を感じることができ,これは現地にきてコミュニケーションをしないと感じ得られないことだと思いました。この多様性を受け入れる姿勢,この言語化できないような感覚は日本でもチームワークを上手く進める上で忘れずにコアな考えとして大事にしていきたいと思います。

HirataさんとGuido氏

HirataさんとGuido氏

Squareのパーティー

この日の夜はどこに飲みに行こうかなと思っていたところ,到着日(5月1日)にも飲みに誘ってくれたJasonから「Square主催のパーティーがあるから申し込んで行こう」というメッセージが来ました。このように,PyCon開催中には企業主催のパーティーも何カ所かで行われているようです。なんとLyft(配車サービス)のクーポンコードも提供してくれるという大盤振る舞いです。

会場はPunch Bowl Socialという,ボウリングや古いアーケードゲーム,でかいジェンガとかがおいてある謎の店です。ディナーはなかなかおいしかったし,地元クリーブランドなどのクラフトビールを扱っていていいお店です。

Squareのパーティー

Squareのパーティー

7時過ぎから飲み始めて,10時にパーティーは終わったんですが,そのあともここで飲み続けて遊んでいました。すると地元の黒人の人(Ericさん)が来てなぜか「4目並べて対戦しようぜ」と声をかけられて,対戦。結果は2勝1敗で勝つことができました。めちゃめちゃくやしがっていて,リアクションがとても面白い人でした。そのあと「じゃあダブルスやろうぜ」となって,私とEricさんペア,ymotongpooとJasonペアで対戦しましたが,負けてしまいました。こういう謎な交流があることも醍醐味ですね。

4目並べをダブルスで対戦

4目並べをダブルスで対戦

まとめ

1日目のレポートは以上です。

初参加でまずは規模の大きさにびっくりしつつも,楽しく過ごすことができたPyCon初日まででした。クリーブランドはローカルのクラフトビールもたくさんあって(私にとっては)いいところだなーと感じました。

次回レポートではカンファレンス2日目の衝撃のキーノートやPSF Directorへのインタビュー,PyLadiesオークションなどの様子をお伝えします。

著者プロフィール

鈴木たかのり(すずきたかのり)

一般社団法人PyCon JP,副代表理事,株式会社ビープラウド所属。

部内のサイトを作るためにZope/Ploneと出会い,その後必要にかられてPythonを使い始める。PyCon JPでは2011年1月のPyCon mini JPからスタッフとして活動し,2014年-2016年のPyCon JP座長。他の主な活動は,Pythonボルダリング部(#kabepy)部長,Python mini Hack-a-thon(#pyhack)主催など。

共著書に『Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書(2018 翔泳社刊)』『Pythonプロフェッショナルプログラミング 第3版(2018 秀和システム刊)』『Pythonエンジニア ファーストブック(2017 技術評論社刊)』『いちばんやさしいPythonの教本(2017 インプレス刊)』などがある。

最近の楽しみはPython Boot Campの講師で訪れた土地で,現地のクラフトビールを飲むこと。2019年は世界各国のPyConでの発表に挑戦している。趣味は吹奏楽とボルダリングとレゴとペンシルパズル。

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