世界最大のPythonカンファレンス「US PyCon 2019」レポート

第4回 思わぬ出会いのあった3日目ポスターセッション ―Pythonコミュニティのこれから

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ポスターセッション当日

さて,話をPyConに戻してポスターセッション当日です。10時となってポスターセッションが開始になりました。といっても明確な何かがあるわけではありません。初めての海外でのポスターセッションでの発表は私一人では非常に心細かったのですが,アイデア出しなどにも参加してた寺田さん,Selinaさんが手伝ってくれたのでとても助かりました。揃いのPython Boot Camp Tシャツがあることも,チームっぽい感じがしてとてもよかったと思っています。

ぽつぽつとポスターを見ていく人が現れ,いろいろな方にPython Boot Campについて説明したり,質問に答えたりしました。

参加者とディスカッションする筆者

参加者とディスカッションする筆者

ポスターに興味を持って撮影する参加者

ポスターに興味を持って撮影する参加者

よく質問された内容は以下のようなものでした。

日本では何ヵ所くらいで開催したのか?
→32回開催して,29の都道府県で開催済みです。47都道府県を制覇しようとしています。
どんな内容でどのくらいの時間で実施しているの?
→4時間でPythonの入門からWebスクレイピングの体験までをサポートしています。
運営資金はどうしているの?
→年に一回PyCon JPイベントを開催しているので,そこのスポンサー収入を一部残して資金として使用しています。
何人くらいが参加しているの?
→1回について20人前後が参加しています。のべ人数だと800人以上がこのイベントに関わってきました。

ポスター発表をしていると,本当にさまざまな国からPyConに参加している人が来てくれて,とても面白かったです。特にアフリカやアジアなどから参加している,⁠おそらく)まだそれほどPythonが自国で広まっていない人は,この活動に深く興味を持っているようでした。もしかしたら数年後にどこかの国で同じような活動が立ち上がるかも知れません。韓国からの参加者はPython Boot Camp Text ドキュメントにあるテキストを韓国語に翻訳したい」と言っていました。

他にも,過去にPyCon JPなどで会った方との再会や,はじめて出会う人がいたこともとてもよかったです。以下のような人たちと出会うことができました。

  • 彼女が日本人で,日本語を少ししゃべれる方
  • 娘が日本で空手を習っているという方
  • スペインからの参加者で,PyCon JP 2018キーノートのManuel Kaufmann@reydelhumoと友達の方
  • 日本人の方で,現在はアメリカの金融系の会社に勤めている方(毎年Job Fairで参加しているそうです)
  • Pyshon Software FoundationのChair PersonのNaomi Ceder@NaomiCeder
  • MailmanのCore Developerで筑波在住のStephen Turnbull@yasegumi氏。3年前くらいはPyCon JPにも来てくれていました。

また,PyCon night Tokyo/Osakaで2016年に発表してくれた,DisneyのPaul Hildebrandt@paulhildebrandt氏とも再会できました。このときはGoogleの@ymotongpoo(彼はスポンサーとしてPyConに参加していました)も,一緒にPython Boot Campなどについての説明を手伝ってくれました。ありがとう。

参考:
PyCon JP Blog: PyCon night Tokyo/Osaka 2016.06 を開催しました

Paul Hildebrandt氏(右がymotongpoo)

Paul Hildebrandt氏(右がymotongpoo)

そして,私のポスターセッションに,なんとPython作者のGuido van Rossum氏も来てくれました!!! Guido氏はポスターを興味を持って見てくれて,筆者は「日本各地で開催していること,このイベントをきっかけに日本各地でコミュニティが立ち上がった」ということを説明しました。

ポスターを眺めるGuido氏と筆者

ポスターを眺めるGuido氏と筆者

Guido氏が「へー,いろんなコミュニティがあるんだねー」と言いながらポスター右下のコミュニティの地図を見たときに「UDONPy!!?ブワッハハハハハ!!!」とめちゃくちゃウケていました。Guido氏は麺類が好きらしく,うどんも好きだそうです。私はUDONPyは香川県のPythonコミュニティで,Python Boot Campがきっかけで誕生したものですよ」と紹介しました。Guido氏はスマートフォンでUDONPyのロゴを撮影していました。UDONPyの世界デビューも間近です。

Python Boot Campがきっかけで生まれたコミュニティの地図

Python Boot Campがきっかけで生まれたコミュニティの地図

そして,ひととおり会話が終わったところでGuido氏から「一緒に写真撮る?」という申し出がありました。これは筆者にとって,とてもうれしい提案でした。今回USでのPyConに初参加することで,Guido氏を目にすることはあるだろうと思っていましたし,実際に会場内やPyLadiesオークションなどで何度か見かけました。そしてGuido氏は当然有名人なので,いろんな人に声をかけられて2ショットでの写真撮影に快く応じていました。

ただ,私自身は「Guido氏はそこまで快く思っていないかも知れないし,声をかけてツーショットを撮るのはなにか違うな」と思っていました。そのため,自分から「写真を一緒に撮ってもらえますか?」のように声をかけることはしないと決めていました(遠くから盗撮や,PyLadiesオークションでは撮影しましたw⁠⁠。

そう決めていた私に対して,Guido氏から「写真撮る?」と言われたとき,私は平静を装って「はい,ぜひ!」と言いましたが,心の中では超大きなガッツポーズをしていました。さまざまな参加者だけでなく,Guido氏とも交流してこの写真が撮れたことで「PyConのポスターセッションでおれはやったな。完全にやってやったな」と自らを褒め称えました。

Guido氏とPython Boot Campチーム

Guido氏とPython Boot Campチーム

なお,ポスターのデータはDropboxで公開しています。Python Boot Campの概要,目的,背景,工夫,そして成果がまとまっています。ぜひ見てみてください。

著者プロフィール

鈴木たかのり(すずきたかのり)

一般社団法人PyCon JP,副代表理事,株式会社ビープラウド所属。

部内のサイトを作るためにZope/Ploneと出会い,その後必要にかられてPythonを使い始める。PyCon JPでは2011年1月のPyCon mini JPからスタッフとして活動し,2014年-2016年のPyCon JP座長。他の主な活動は,Pythonボルダリング部(#kabepy)部長,Python mini Hack-a-thon(#pyhack)主催など。

共著書に『Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書(2018 翔泳社刊)』『Pythonプロフェッショナルプログラミング 第3版(2018 秀和システム刊)』『Pythonエンジニア ファーストブック(2017 技術評論社刊)』『いちばんやさしいPythonの教本(2017 インプレス刊)』などがある。

最近の楽しみはPython Boot Campの講師で訪れた土地で,現地のクラフトビールを飲むこと。2019年は世界各国のPyConでの発表に挑戦している。趣味は吹奏楽とボルダリングとレゴとペンシルパズル。

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