世界最大のPythonカンファレンス「US PyCon 2019」レポート

第4回 思わぬ出会いのあった3日目ポスターセッション ―Pythonコミュニティのこれから

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開発Sprint

カンファレンスの次の日からは開発Sprintです。開発Sprintは集まってチームごとに開発を進めるイベントで,US PyConでは5月6日から9日までの4日間開催されます。コアな開発者が一堂に会するため,ここでさまざまな開発が一気に進みます。さまざまな部屋でいろいろなチームが開発などをしており,毎日ボードに「どこで何をやっているか」が案内されていました。

Sprintの案内ボード

Sprintの案内ボード

筆者は1日しかSprintには参加しませんでしたが,自分の作業を進めたり,Packaging Summit(Pythonのパッケージングについてのミーティング)に参加してみたりしました。このSummitは,内容が難しいことと私の英語力の問題もあり,全然ついていけませんでした。Packaging Summitで議論された内容に興味のある方は,以下のツイートを参照してください。

次の日に移動するメンバーも多いので,Sprint 1日目の夜に日本メンバー全員でディナーに行きました。ちょっといいお店でステーキが食べたい!!ということで,ホテルで紹介してもらったBlue Point Grille: Fine Dining Seafoodに行きました(かなりいいお店はドレスコード的に無理でした⁠⁠。

Blue Point Grilleの店内

Blue Point Grilleの店内

ステーキおいしかったけどイモが多い…

ステーキおいしかったけどイモが多い…

初めてのSprint

Masaki Kagesawa(影澤正輝:@Masakikage

私は今までOpen Sourceに貢献したことがなく,今回が初めての貢献でした。最初はFlaskのSprintに参加しようと思いましたが,"Good First Issue"タグが付いたIssueがほとんどなかったため,初心者歓迎で多くの人が使ってるpipチームのSprintに参加しました。私のメンターは自分と同い年で,インドの大学に通ってる学生であり,なんとpipのコアメンテナーです。世界中のみんなに使われてるpipのコアメンテナーが21歳ということにびっくりしました。

初日はコードのリファクタリングをしてPull Requestを作成しました。次の日にmergeされていると思っていましたが,コミットメッセージがガイドと合っていないという指摘を受けました。git rebase後もう一度Pull Requestを更新し,mergeしてもらいました。

その後「今後もpipに貢献をしたいならPull Requestをテストして欲しい」とメンターから言われました。言われてみれば,pipは80個以上のPull Requestがオープン状態でした。貢献者はたくさんいてコードを書いてくれるけど,メンテナーは人数少ないからなかなかPull Requestをテストしてマージする時間がないとのことです。

自分でもコードを書くよりも,テストをしてmergeに貢献する方がインパクトあるなと思いました。今後は週末など時間があるときにオープンソース活動を継続していきたいと思います。

Sprint中パッケージチームはミニカンファレンスを実施していました

Sprint中パッケージチームはミニカンファレンスを実施していました

Sprint会場の様子

Sprint会場の様子

まとめ

以上でクリーブランドで開催されたPyCon 2019のレポートは終了です。非常に刺激的であり,規模などに圧倒されつつも,楽しくビールがおいしい7日間でした。日本からたくさんのメンバーが参加したこともあり,私が参加していないイベントの情報交換やこのレポートでもコラムを執筆してもらったりと,より幅広くPyConを知ることがでとてもよかったです。

日本からの参加メンバーで集合写真

日本からの参加メンバーで集合写真

また,日本のPython mini Hack-a-thonで友達になったJasonが,いろいろな人とつなげたり,PyConの楽しみ方を教えてくれたのはとてもありがたかったです。本当にありがとう。

Jasonファミリー,ゆきちゃんとけいちゃん(約2ヵ月)

Jasonファミリー,ゆきちゃんとけいちゃん(約2ヵ月)

しかし,せっかくいろいろな人と知り合っても,1回だけだとすぐに忘れてしまいます。来年もUS PyConに参加して,より深くグローバルなPythonコミュニティとの関係を築いていきたいなと強く思いました。ピッツバーグにはどんなクラフトビールがあるのかなぁ…。

クリーブランドのMain Avenue Bridge

クリーブランドのMain Avenue Bridge

著者プロフィール

鈴木たかのり(すずきたかのり)

一般社団法人PyCon JP,副代表理事,株式会社ビープラウド所属。

部内のサイトを作るためにZope/Ploneと出会い,その後必要にかられてPythonを使い始める。PyCon JPでは2011年1月のPyCon mini JPからスタッフとして活動し,2014年-2016年のPyCon JP座長。他の主な活動は,Pythonボルダリング部(#kabepy)部長,Python mini Hack-a-thon(#pyhack)主催など。

共著書に『Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書(2018 翔泳社刊)』『Pythonプロフェッショナルプログラミング 第3版(2018 秀和システム刊)』『Pythonエンジニア ファーストブック(2017 技術評論社刊)』『いちばんやさしいPythonの教本(2017 インプレス刊)』などがある。

最近の楽しみはPython Boot Campの講師で訪れた土地で,現地のクラフトビールを飲むこと。2019年は世界各国のPyConでの発表に挑戦している。趣味は吹奏楽とボルダリングとレゴとペンシルパズル。

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