戦略的Webマーケティングセミナー開催
戦略的Webマーケティングセミナー開催(その3):パネルディスカッション「お金に繋がる~Webの価値」
2009年4月1日
Webマーケティング, Web Site Expert, オーバーチュア, 花王, ワンパク, ビジネス・アーキテクツ
プロモーション, コミュニケーション, 制作会社, タレント, クライアント, メディア
最終回となる今回は,『Web Site Expert』の連載「キーパーソンが見るWeb業界」でもおなじみの阿部,森田両氏と,本日スピーカーをつとめた河田氏,さらにクライアント側の立場から花王 本間氏が参加したパネルディスカッションが行われました。
セッション4:お金に繋がる~Webの価値
本セミナーの最後は「セッション4:お金に繋がる~Webの価値」と題したパネルディスカッションです。パネリストに阿部淳也氏(1PAC.INC. 代表取締役),本間充氏(花王(株) Web作成部ディレクター),河田顕治氏(オーバーチュア(株)),森田雄氏((株)ビジネス・アーキテクツ 取締役・Quality Improvement Director)を迎えて行われました。
ワンパク代表取締役
クリエイティブディレクター,阿部氏。

本編に先駆けてモデレータ・馮氏((株)技術評論社)のMCで全員の自己紹介。「Webにこだわらず幅広いメディアでのコミュニケーションツールを制作している」という阿部氏や「企業のWebディレクターとしてディレクションの立場から話せれば」と語る本間氏,「販促現場に近いサービスの人間として広告主の本音などもお伝えしたい」との河田氏。そして「Webを中心にコミュニケーションデザインをやっているWeb制作会社の中の人です」との回答で会場を沸かせた森田氏と,4者4様の立場でご参加いただきました。ディスカッションは馮氏から提案された4つのトピックを軸に進むことに。
1.Web業界の2009年
2009年を俯瞰するにあたり,2008年の状況も込みで回答していただいた一つ目のテーマ。 「2009年は現実世界のネットワークにつながるコミュニケーションや,紙媒体などにもつながる仕組みが作りたい。これまでネットに足りなかったライブ感や時間共有の概念が出てきそう」という阿部氏や「Twitterなどの広がりもあって,ブログに書かれた感想の共有から一緒に見て盛り上がった感覚をブログで共有する形が増えたと思う」と同意する森田氏などまずは「ライブ感」がキーワードとしてあがりました。
他方,コーポレートサイトではCMS導入とツールの淘汰傾向があるという指摘もあり,企業側の本間氏も「確かにCMSの淘汰が進んでいます。企業型CMSも安定してきましたね,逆に言えば今後進化がないということなのかもしれないですが」と語った上で,キャンペーンやプロモーション用ガジェットの純粋な反響・効果とタレントの関連づけへの悩ましさを打ち明けていました。とはいえ「ブログの普及のせいかタレントさんがネットへの露出に抵抗が少なくなった気がする」という発言にも見られたように,ブログや動画が広まったことでネットメディアが一般的により身近になったことは全員が実感していました。
オーバーチュア
マーケティングコミュニケーションズ
マネージャー,河田氏。

「ネットメディアの価値が高まる中で広告的視点から見て,検索エンジンのマッチングのさせ方などに変化などはあったのか」という問いに「実はテキスト検索とタレント名の連携は難しいんです。興味本位での検索が多く広告出稿にはあまり繋がらないので‥‥」と苦笑気味の河田氏。過去のプロモーション失敗例などの例も挙げられる中で,「ブランディングとかけ離れたタレント優先のプロモーションだと価値は低い。広告主がそこを意識できるようになれば効果もあがるのでは」という本間氏の提案に,現在のネット広告の状況が垣間見られました。
2.Webの表現手法~作り手からクライアントへの提案(制作側)
表現手法の話から2つめのテーマへ。Webの表現手法について制作側は今どんな提案ができるのでしょう。冒頭のキーワード「ライブ感」も絡めつつ,ディスカッションは進みます。
「FMS(Flash Media Serever)サーバ上でデータを一緒に見ているという共有感というか,波状的なライブ感があるキャンペーンやプロモーションが増えてきている気がする」森田氏や「Webから現実へと繋がる物がライブ感にも大切になってくると思う。Web系の人たちが他の分野でも活躍するようになって,コミュニケーションの本質を考えてクリエイティブするようになるのが今後の理想」という阿部氏の発言には,どこかしらクロスメディア的な流れも感じられます。
「企業側から期待することは?」という問いに,「最終的に顧客が商品を買ってくれることがゴールであって,Webはそれを後押しする上での有効なツールだと思う」と本間氏。顧客を購買に向かわせるライブ感の重要性,顧客の意向が満たされない現在の企業サイトの状況も含め多面的な分析が行われていました。
ビジネス・アーキテクツ
取締役,森田氏。

日本におけるテレビの影響力と共に「だからナショナルクライアントは他のメディアにCM予算を回せないんです。でもWebプロモーションではテレビCMにも作れないライブ感が出せますよね。そここそがWebサイトの強みだと思う」と本間氏が発言すると,森田氏からは「Web以外のアイデア(たとえばテレビCMなど)を提案した途端にクライアントがCM制作会社の方に流れてしまう。そういった提案はCMも取り込んだ上で,Webからのコミュニケーションをディレクションしたいという意味なので“Web屋”という認識で対峙されてしまうとうまくいかないことが多い」との苦言が。それを皮切りに,このタームでは「Webでできないこと・テレビではできないこと」の判断基準を新たに提案していく行動の重要性,優秀な人材が失われつつあるWeb業界の構造や問題点などについて熱い論議が交わされました。
また,「広告予算が伸びることのない2009年にWeb業界がやらなければならないことは,マス広告から予算をどれだけシフトさせてトータル収支モデルをよくするか。テレビや雑誌とどれだけ戦えるかが大事」という本間氏,「代理店からのプロモーションは,他メディアで予算をとってからWebにまわってくるので,予算的にも提案的にも難しいところがある。また、コーポレートの場合は広報案件になりがち。宣伝としての全体予算からWebにどれだけ調達できるかという工夫が大事」という森田氏など,Web制作業界が考えなければならないことは山積みのようです。
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