YAPC::Asia 2014 スペシャルレポート

YAPC:: Asia 2014 1日目レポート[更新終了]

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Kenichi Ishigakiさん「Get a kick out of CPAN」

charsbarこと,Kenichi Ishigakiさんは,CPANの現在の状況の分析とそれに対してどのようなアクションをすべきか,に関して発表しました。

CPANの日本人Authorの数や,それぞれのリリースしているモジュールの数などを分析したところ,日本人のCPAN Authorは欧州全体よりも多いのにも関わらず,実際にモジュールをアップしているのは66%に過ぎないという結果でした。また,モジュールを複数登録している人はもっと割合が少なくなり,CPAN Authorとして登録した後の障壁が意外に大きいようでした。

そのことについてIshigakiさんは,フィードバックが得にくいのが原因ではないかと分析。Gamificationを導入することで,この状態を改善できるのではないかと考えました。ただ,先日行われたCPAN DAYにおいて,モジュールのアップロードが過剰に発生するという問題が発生したことを挙げ,Gamificationを導入する場合はその設計が難しいということを話していました。

他の改善案として,RTの残っているチケットについて進んで貢献することや,メンテナンスが滞っているモジュールのメンテナンスを引き受けたりと,フィードバックを得やすい方法を提案していました。会場からも活発に意見が交わされ,特に,GitHubにモジュールを上げているだけで止まっているユーザをなんらかの後押しする必要があるのではないかという意見が複数出ていました。

この発表を聞いてもらった上で,IshigakiさんはRTの状況を調べて地方pmなどの機会で貢献者を発表しようとしているそうです。YAPCに参加してPerlのコミュニティへ貢献をしたいと考えている方,これを機にIshigakiさんの提案される方法にしたがってRTを見直してみるのはいかがでしょうか?

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Kazuhiro Osawaさん「Java For Perl Mongers」

Kazuhiro Osawaさん(@Yappo)は,Perl Mongerの自分が実際にJavaを使ってみた経験や感じたことを発表しました。

最初にコードを示して,このコードがどの言語で実装されたか,という質問を観客に投げかけました。コードは一見するとJavaのもののように見えましたが,実際には工夫次第でPerlでも動くことを説明しました。

その後,実際にJavaを使った経験から,悪いとされている点,良いと言われている点について言及しました。JVMが重いといった根本的な話から,コードが冗長になりがちといって話まで取り上げ,問題の大半はメリットの裏返しであったり,IDEを活用することで解決できると説明しました。また,書ける人が多いことやORMの効果が高いことなどのメリットについても解説しました。

最新のバージョンであるJava8については時間の都合で少ししか触れませんでしたが,Stream APIやlambdaといった新しい機能を紹介しました。

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大西康裕さん「開発合宿!!!!」

最近,はてなのサービス開発本部長になったという,大西康裕さん(@yasuhiro_onishi)が,はてなでの開発合宿について発表しました。

開発合宿という言葉は,Wikipediaに2007年に記載されたようですが,はてなでは2005年から行っているため,はてなが始めたのではないかと思っているそうです。はてなブックマークも少人数の開発合宿から生まれ,2005年2月5日に合宿の企画し,次の日から合宿を開始,2月10日にはベータリリースまで行ったことを紹介しました。

最近では,数人で1つの新サービスをつくるという形式から複数チームでコンペという形式に変わってきたそうで,基本フォーマットは2泊3日で,初日にチームビルド,開発開始,最終日に成果発表会と投票を行う形式になっていると言います。

開発合宿の良い点は,普段とは非連続な開発ができること,普段の業務を離れて集中できること,普段と違う人と開発できること,お祭り感があること,非日常感,モチベーション向上があり,良くない点は,回線が良くないこと,大画面モニタがないこと,椅子が良くないこと,飲み過ぎること,寝ないで開発し続けて体調崩してしまうことを挙げていました。

また,実際に開発合宿をやるために必要になる,準備,宿選び,機材,飲食,企画のそれぞれについて説明しました。

はてなでは開発合宿にバリエーションがあるとし,合宿ではないですがオフィスでアイデアソンを行ったり,オフィスと宿など複数会場で開催したり,成果発表会に合宿非参加者も参加してもらったり,と例を挙げました。ただ,家族・彼氏彼女も参加OKにした回では,子供が大暴れして,大変だったそうです。また,複数会場で開催する際に1時間に1回,合宿新聞を出していて,宿にいる参加者にインタビューした内容を載せていたのですが,深夜になり誰もいなくなってしまったため,椅子にインタビューしたとのこと。会場では笑いが起きていました。

最後に,開発合宿は盛り上がるが,コストもかかるということと,企画・準備をしっかりやって会社を盛り上げましょうということを伝え,発表を締めくくりました。

開発合宿の楽しさが伝わってきて,明日から合宿に行きたくなるような発表でした。

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zoncoenさん「初心者が Web エンジニアのコミュニティに触れてみて感じたこと - ゆとりエンジニアの成長戦略」

zoncoenさんは,Webエンジニアのコミュニティに触れてみて感じたことについて発表しました。

zoncoenさんがWebエンジニアになろうと思った経緯は,勉強会が普段から行われること,OSSが普通に使われている状況,業界で知見を共有するところ,技術力だけでなくそれを使って何をしたかと言うところが大事だとみなされているところに惹かれたことからだと言います。

そして,自分の経験を例に挙げて,初心者が成長するためにやるべきことを紹介していきました。具体的には,⁠Titterを使って有名な人をフォローして彼らが何をしているか観察する」⁠勉強会へ行き業界の話し等を聞いたりする」⁠技術Blogに自分ではまったことや便利だと思ったこと,勉強会への参加報告を書いてみる」⁠GitHubで他人のプロダクトへPull Requestを送ってみる」⁠勉強会で発表する」などを挙げていました。

最後に,一人で成長するのは辛いので,利用できるものは利用して成長していくこと。また,目標となるエンジニアを持ったり積極的な情報発信をしたりして,いつかは刺激をもらう側から与える側になろうと述べていました。

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著者プロフィール

臼井洋文(うすいひろふみ)

京都府京都市出身のプログラマ。仕事ではPerlでサーバサイドを書きつつ,Objective-CでiOSアプリの開発をしている。週末はボルダリングに勤しむ日々。

Twitter:@usuihiro
Web:http://d.hatena.ne.jp/usuihiro1978/


日下部雄也(くさかべゆうや)

仕事はニフティクラウドのネットワーク関連の機能の企画・開発・運用で,運用自動化のためのプログラムを書いていることが多い。言語は,Perl,Python,Ruby,C,Goなど。最近,Vyatta CoreからフォークされたVyOSという仮想ルーターのユーザー会を設立し,第1回目のミーティングを主催した。

Twitter:@higebu
Web:http://www.higebu.com


滝沢玲美(たきざわれみ)

千葉県在住。仕事はITとは全く無縁な事務職だが,プログラミングに以前から興味があり。今回,Perl入学式にてプログラミングを初めて学ぶ。

藤沢理聡(ふじさわまさあき)

神奈川県在住。仕事でソフトウェア開発をしつつ,余暇にも友人たちとソフトウェア開発をする日々。長くPerlを愛用している他,ここ数年はPerl 6にも挑戦している。

Twitter:@risou
Web:http://www.risouf.net/


本間雅洋(ほんままさひろ)

北海道苫小牧市出身のプログラマー。好みの言語はPerlやPython, Haskell, Scala, OCamlなど。在学中は数学を専攻しており,今でも余暇を利用して数学を嗜む。現在はFreakOutに在籍し,自社システムの開発に力を入れている。 共訳書に「実用Git」(オライリー・ジャパン),共著書に「FFmpegで作る動画共有サイト」(毎日コミュニケーションズ)がある。

Twitter:@hiratara
Web:http://hiratara.github.io/


森藤大地(もりふじだいち)

ISP勤務。卒研でPerlのプログラムを組んで以来, Perlを利用している。 CROSSというエンジニアイベントを主催していたりする。 d3の翻訳やひとりアドカレなど,解析・可視化業務を行っている。

Twitter:@muddydixon
Web:http://muddydixon.hatenablog.com


山中裕之(やまなかひろゆき)

ドラゴンズファン。某会社のプログラマとして活動中。好きな言語はPerl, Ruby, C, C++, Haskelなど。武術が好きで休日はいそしんでいる。

Twitter:@hiroyukim
Web: http://hiroyukim.hatenablog.com

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