2017年のYAPC::Japan~リブート,その後。

2017年7月開催:YAPC::Fukuoka 2017 HAKATAレポート~今,エンジニアたちが集結する福岡で初のYAPCが!

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福岡企業が大集合!スペシャルセッション「福岡のIT企業,開発現場の未来」

今回のスペシャルセッションは,福岡で10年以上事業を継続する企業から,今年に入って福岡で立ち上がった企業まで5社5様の企業のリードエンジニアたちが集まり,⁠福岡のIT企業,開発現場の未来」と題したトークセッションが行われました。

パネリストは以下の5名です。

  • 縣俊貴(株式会社ヌーラボ)
  • 大谷祐司(株式会社スカイディスク CTO)
  • 小田知央(GMOペパボ株式会社プリンシパルエンジニア)
  • 高山温(ピクシブ株式会社CTO)
  • 田中章道(オンサイト株式会社取締役CTO)

MCは筆者である馮が務めました。

左から,縣氏,大谷氏,小田氏,高山氏,田中氏

左から,縣氏,大谷氏,小田氏,高山氏,田中氏

縣氏・小田氏のように10年以上福岡を拠点に働いている方から,高山氏のように移ってきて2週間という方,また,ビジネス面ではIoTに取り組む大谷氏,Webを活用したビジネスコンサルティングを行う田中氏と,福岡という括りでも多種多様な顔ぶれで,それだけでも福岡に今アツさが集まっていることが伺えました。

印象的だったのは,異口同音に「エンジニアが足りない」とコメントしたことに加えて,足りない一方で,企業が集まることで福岡という土地での選択肢の多様化,結果として転職などに対してのリスク軽減ができると言うコメントをされていたことでした。

また,福岡のITと言うのはまさに今始まったばかりで,とくにコミュニティについては現状は絶対数が少ない,ただ少ないからこその濃さを強みにできる時期というメッセージも強く印象に残りました。

これから,エンジニア視点で福岡がどのように盛り上がっていくのか,そして,それぞれの企業がどのように成長していくのか,大きな期待が持てるセッションとなりました。

いよいよクロージングに向けて~スポンサーセッション,LT

さまざまなトーク,セッションが進み,いよいよキーノート,そしてクロージングの時間が迫ってきました。クロージングに向けて,応募されたトーク以外にも,スポンサー各社のセッションやエンディングを盛り上げる多様なLTも行われました。

ファームノート,LINE,DeNA3社によるスポンサーセッション

後半のスポンサーセッションには,パールスポンサーのDeNA・LINE,プラチナスポンサーのファームノートが務めました。各社,事業紹介といった一般的な内容も紹介しつつ,各社がPerlエンジニアを求めている点を強くアピールしていたのが印象的です。

Perlという言語がこれからまた,さまざまな企業,その先にある事業にとって必要なプログラミング言語になっていく可能性を感じました。

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次回沖縄に向けた内容も~LTは6名が登壇

今回のLT(Lightning Talks)は全部で6名が登壇。限られた時間の中,テクニカルな話題,まったくテクニカルではない話題など,さまざまな内容が行われました。

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福岡からニューヨークへ~ヌーラボ山本竜三氏

YAPC::Fukuoka 2017 HAKATAのキーノートを務めたのは,ここ福岡で2004年に設立し,今では日本国内に福岡ほか,東京・京都,さらには海外アメリカはニューヨークにもオフィスを構える,株式会社ヌーラボから,2015年からニューヨークオフィスに異動し,海外の文化の中で日本のプロダクト開発・普及に務めるエンジニア,山本竜三氏です。

キーノートを務めた山本竜三氏

キーノートを務めた山本竜三氏

もともと,山本氏がニューヨークへの転勤が決まったのは本人の希望ではなく,会社側からの要請だったとのこと。ニューヨーク生活のスタートそのものが急転直下ということから始まり,その後の,ニューヨーク生活も日々トライ&エラー,良く言えばエキサイティング,悪く言えば波乱万丈で過ごしているとのこと。

エンジニアとしての働き方,グローバルでのプロダクト開発といった話題も大変興味深かったのですが,筆者自身,とくに印象に残ったのは,まったく異なる文化圏に自分の身体,そして,家族とともに飛び込んでいき,そこで,生活の一部として,エンジニアリングを行う姿でした。今回のYAPC::Fukuoka 2017 HAKATAは,福岡の盛り上がりが1つのテーマではありましたが,このように,違う地域・文化に人が入り,どのような日常を暮らしているのか,本音で語ってくれたこのキーノートは,これから福岡に向かい入れる立場の人にとっても,また,福岡をはじめ,ほかの地域に飛び込もうと考える人にとっても,どちらの立場にも役に立ち,何より,心に響いたのではないでしょうか。

取り組む課題が大きかったり難しければ,当然辛いことや厳しい状況に直面します。しかし,それらを乗り越えたとき,そのゴールに到達したときの達成感は計り知れないものとなるでしょう。そして,その達成感こそが新しい価値の創造になる,という山本氏からのこれからのエンジニアたちに向けたメッセージのように捉えることができました。

クロージング,そして,2018年のYAPC::Japanは……

キーノートも終わり,いよいよクロージングです。

ベストトーク賞&ベストLT賞発表

まずは恒例のベストトーク賞とベストLT賞の発表が行われました。

ベストトーク賞は,午前のゲストトークを務めた徳丸氏の「ウェブセキュリティの最近の話題早分かり」でした。このトークに関しては,トーク直後から会場から「午前中にベストトーク決定か」という声が漏れるぐらい,非常に注目度と満足度が高い内容で文句なしの受賞だったと思います。ただ,クロージングの時間,徳丸氏はすでに退席されていて代理の方が受け取るというオチが付いたのはご愛嬌です。

ベストトーク賞は,徳丸氏がすでに退席されていたこともあり,代理の方へ景品が渡された

ベストトーク賞は,徳丸氏がすでに退席されていたこともあり,代理の方へ景品が渡された

ベストLTは,次回2018年3月に開催されるYAPC::Okinawa 2018 ONNASONについて紹介を行ったcodehex氏が受賞しました。同氏は次回の実行委員長も務めますので,この受賞をさらなるパワーに変えて,すばらしいYAPC::Japanに仕上げてもらいたいですね。

ベストLT賞を受賞したcodehex氏。次回YAPC::Okinawa 2018 ONNASONの実行委員長を務める

ベストLT賞を受賞したcodehex氏。次回YAPC::Okinawa 2018 ONNASONの実行委員長を務める

クロージング,そして,福岡へ

クロージングは,もう1人の実行委員長papix氏が務めました。papix氏は開口一番「サイリウムを使いましょう!」と,ノベルティで配布されたサイリウムを使って,参加者みんなで会場を華やかに盛り上げました。

そして,関係者全員に向けた感謝の言葉,また,自身の感想を述べました。とくに「自分が憧れた場所を僕自身が作れた」という一言は,非常に気持のこもった,そして,今回のYAPC::Fukuoka 2017 HAKATAに対する満足感が伝わってくるメッセージでした。

また,すでにLTで次回YAPC::Japanが沖縄で開催されることが発表されたことを受け,改めて2018年3月に開催されるYAPC::Okinawa 2018 ONNASONの紹介をし,イベントを締め括りました。

「今回こそ使いたかった!」とまずサイリウムを掲げたpapix氏

「今回こそ使いたかった!」とまずサイリウムを掲げたpapix氏

YAPC::Fukuoka 2017 HAKATAのフォローアップについては,下記サイトもご覧ください。

【YAPC::Fukuoka 2017 HAKATA】YAPC::Fukuokaを終えて
URL:http://blog.yapcjapan.org/entry/2017/07/12/130548
YAPC::Fukuoka 2017 Hakata 当日まとめ #yapcjapan
URL:https://togetter.com/li/1125355

実行委員たちの記念写真

実行委員たちの記念写真

実行委員長からのメッセージ

最後に,それぞれオープニングとクロージングを務めたYAPC::Fukuoka 2017 HAKATAの実行委員長を務めた平田氏・papix氏からのメッセージを掲載いたします※。 ※メッセージは2017年7月下旬にいただいたものです。
平田氏:

YAPC::Fukuokaでオープニングを担当した,Fukuoka.pmの平田@debilityです。

ご参加いただいた皆さま,スポンサーの皆さまのおかげで,無事に開催することができました。あらためまして,厚くお礼申し上げます。

Hokkaido,Kansaiの後を受けて開催することになったYAPC::Fukuokaでしたが,おかげさまでとても楽しいYAPC::Fukuokaになったと感じております。

と,堅苦しいやつはこのくらいにして。

YAPC::Fukuokaに関しては,⁠くそー参加者として参加したかった!」というのも本音だったりします。前日から楽しげなイベント多かったですし,ノベルティも充実していましたし,会場力もすごく高かったですし。⁠参加者だったら全然野菜行ってたのに!」とか「参加者だったら前夜祭で飲み食いまくったのに!」とか「参加者だったらLTソン出てたのに!」とか「参加者だったらもっとカフェスペース使いまくったのに!」とか。

最も楽しかったYAPCであり,最も疲れたYAPCであり,最も悔しい思いをしたYAPCでした。

というわけで,これを読んでいるYAPC::Okinawa(参加者|スポンサー|スタッフ)の方々にお願いです。

YAPC::Okinawaをさらに楽しいYAPCにして,私の溜飲を下げてください!

……わがまま,もとい冗談はさておき。

YAPC::Okinawaのスタッフは若い力で溢れています。会場もステキすぎる会場です。すでに楽しくなる下地は整いまくっていると思いますので,あとは福岡同様,あるいはそれ以上に皆さまが加担すれば,きっと楽しいYAPC::Okinawa 2017 ONNASONになると信じています。

すごく楽しみにしていますので,⁠とくに)スタッフの皆さん頑張ってください!

papix氏:

こんにちは,papixです。YAPC::Fukuokaでは,もう1人の実行委員長である平田さんを影で支える仕事をしていました。

さて,昨今のPerl界隈をを取り巻く状況は,控えめに言っても「下り坂の中」と言えるのではないでしょうか。とはいえ,今でもPerlという言語を愛用している人たちがいますし,Perlを使ってサービス開発を試みる人たちがいます。そして何より,Perlという言語で育ってきたエンジニア(自分もまさしく,その1人だと思っています)が,さまざまな領域で活躍しています。

そういった人たちが集まり,知見を交換し,また久々の会話を交わす場所として,「YAPC::Japan」という火は,これからもずっと消えずに灯り続けていて欲しい,という夢を持っていました。……と思っていたところ,夢は夢で終われないということもあり,遂に今回のYAPC::Fukuokaではいよいよ自分がその火を受け継いで,次につなぐという重責を担うことになりました。

毎度のことではありますが,カンファレンスの準備というのは予想以上に大変です。

会場を選定し,スポンサーを集め,コンセプトを決定し,それに従ってさまざまなコンテンツを練り上げていかねばなりません。チケットの販促,トークの募集と選定もしなければなりませんし,ノベルティの詰め込みや会場設営もしなければなりません。

もちろん,カンファレンス当日はスタッフとして,滞りなくスケジュールが進んでいくように,臨機応変に動くことも求められます。

とはいえ,今回はこれまでのYAPC::Japanシリーズで積み上げた知見,そして昔からFukuoka.pmでお世話になっていた現地コアメンバーの奮闘,そしてJPAのスタッフによる献身的な後方支援,そして何より,YAPC::Fukuokaを積極的に楽しんでくださった参加者や登壇者の皆様,そしてスポンサー企業さまのご協力によって,大きなトラブルもなく終了することができました。

本当に,ありがとうございました。

最後になりましたが,ここでは綴らなかったYAPC::Fukuokaに対する気持ちなどは個人のブログに綴りましたので,よければそちらもご笑覧頂けると幸いです。

……それでは皆さん,YAPC::Okinawaでお会いしましょう!

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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