NEWS & REPORT

Sun Tech Days開催 James Gosling氏が基調講演[動画あり]

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1.5 分

「なぜJavaなのか?」James Gosling氏基調講演

一連のデモ後,再び末次社長が壇上に上り,サンの目指す「Open Opportunities」というビジョンを紹介しました。全世界の人々がネットワークで結ばれるには何が必要か,そしてそんな世界を実現するために,サンはどのようなアプローチを取っていくのか?-抽象的ではありましたが,同社のオープンな姿勢を効果的にアピールするセッションでした。

Java躍進の秘密

続けて,いよいよGosling氏の基調講演が始まりました。まず現在のJavaの広がりについて,Javaができて以来すでに50億を超えるデバイスやコンピュータに使われていること,600万人を超えるプロフェッショナルのJava開発者がいること,週に1000万回以上,Java環境がダウンロードされていること,各種のコマースサイトをはじめ,金融業界など大規模なエンタープライズネットワークがほぼ100%何らかの形でJavaを使っている現状を説き,なぜそうなったのかを明かしていきます。

まず,Javaは仕様のみではなく,必ず動くコードとともに公開した点,多くの新技術として発表されるものは,まず仕様が公開されても,その後動くものがなかなか出てこない。しかしJavaはまずリファレンスとなる実装やテスト環境が仕様と同時に公開されていることが,多くの開発者の共感を得たと説きます。

それとともに,⁠Javaはコミュニティを大切にし,コミュニティとともに成長した」と,Java成功の大きな理由のひとつとして,最初からコードを公開し,コミュニティを育てて来た点を強調しました。

画像

「Javaは遅い」は過去の話

また,従来Javaの弱点と言われていた点についても,大きな改善が加えられている点を指摘します。まず,最適化については,今やC/C++並みに進んでおり,一部C/C++を凌駕する性能を持つ部分もあること。そして,かつては遅さの象徴と言われたGC(ガーベッジコレクタ)もインテリジェント化し,C/C++のmalloc/freeといった処理を手作業で行うよりも多くの場合速いとのこと。

さらに「Javaをまだインタープリタ言語と思っていませんか?」と説きます。Javaコードは動作時点でそのつどコンパイルされる「ダイナミックコンパイル」という方式で動きますが,このダイナミックコンパイラは,動作時点のシステム環境を把握し,その環境に最適化されたコードを生成するため,C/C++などのスタティックコンパイラの生成コードよりも速くなったと強調しました。

その証拠として,非常に精度の高いリアルタイムシステムでJavaが利用されている例を紹介しました。たとえばABBという産業用ロボット企業では10Gの加速下で正確な動きが要求されるロボットにJavaが使われているそうです。

今後の展開

最後に,Javaの今後の展開について語りました。まず近々登場のNetBeans 6.0に触れ,⁠もうEmacsは使わないでください(笑)⁠Emacsは優れた開発環境ですが,それは30年前の話です」と,かつて自身が開発したEmacsを引き合いに出し,NetBeans 6.0の多機能をアピールしました。

画像

また,Java SE 6のアップデートとして,デスクトップ環境が大幅に改善されるとのことです。今後は,PhotoshopやIllustratorなどのデザインツールと統合し,デザイナーからもアプローチできるようなビジュアルでユーザフレンドリーな環境に進んでいくと予測を述べ,講演を締めくくりました。

なおGosling氏自身は,現在JavaFXに注力しているそうです。

最後は恒例のTシャツ配布で盛り上がりました