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Web2.0 Expo Tokyo 2007 キーノート・レポート ティム・オライリーがTwitterのエヴァン・ウィリアムスに訊く起業家の秘訣「Odeoの失敗がTwitterの成功を生んだ」

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Web2.0 Expo Tokyo 2007

11月15日,16日と東京渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで行なわれた「Web2.0 Expo Tokyo 2007」(オライリー・ジャパン,CMPテクノロジージャパン主催)「Web2.0」の名付け親のティム・オライリー氏が来日。16日朝から行なわれたキーノートセッションでは,Twitterの共同ファウンダーのエヴァン・ウィリアムス氏との対談が行なわれた。

ティム・オライリー氏

ティム・オライリー氏

ティム・オライリー氏(左)とエヴァン・ウィリアムス氏(右)

ティム・オライリー氏(左)とエヴァン・ウィリアムス氏(右)

10年ぶりの来日となるオライリー氏は,昨日の伊藤穣一氏との対談を受け,日本ではなかなか起業家が育たないという点を軸として話を展開。ウィリアムス氏の起業家としての歩みを辿り,その中で失敗が成功を生む,というメッセージを伝えたかったようだ。

現在Twitterの共同ファウンダーとして活躍するウィリアムス氏はジーンズにグレーのコットンシャツというラフな装い。「これでも正装してきたんだよ」と笑う姿は,いかにもシリコンバレーを感じさせる風貌だが,起業家としてのスタートは西海岸から遠く離れた中西部のネブラスカ州だった。

93年に大学を中退してネット関連の企業を興すが2~3年で失敗。その後,オライリー氏の元でも働いていた。オライリー氏によると「こうしたらどう?」と,仕事にも独創的な社員だったという評価だが,ここも9ヶ月で退職する。オライリー氏本人を前に「他人に使われて働くのはいやだった」というから,根っからの起業家なのだろう。

ウィリアムス氏がBloggerを起業したのが90年代の後半で,99年に正式版をリリース。これにはオライリーも筆頭株主として出資していた。しかし,この時期はドットコムバブルがはじける直前で,その後暗黒時代を迎える。2001年には7名いた社員を全員解雇して,一人で細々と続けていたという。

その後,成長したBloggerは2003年にGoogleに売却。自らもBloggerの担当としてGoogle社員となるが,これもBloggerを軌道に乗せたあと2年で退職する。「当時のGoogleは800人くらいの規模だった」というが,これでもウィリアムス氏にとっては大きすぎたようだ。

Googleをやめた直後,ポッドキャストの可能性を感じて3社目のOdeoを立ち上げたが,これが失敗体験となる。本人の分析では「資金が潤沢にあり,ユーザーのことより会社をどう経営するかのことばかり考えてしまった」という。1年半ほどで自身で見切りをつけた。

オライリー氏は「大成功(Blogger)も大失敗(Odeo)も1回ずつ経験したことで,Twitterにつながったのでは」と,失敗の必要性を指摘。続いて好調なTwitterについての話となった。

Twitterについてウィリアムス氏は「単純さ(Simplicity)」を鍵に,「今何が起きているのか」というリアルタイム性に絞ってわかりやすく提供したという。製品の作り方について「製品のスコープ(範囲)を決めるのは重要だが,あまりがんじがらめにしてはいけない」と,ユーザーがTwitterの価値を高めていってくれたことも強調。オライリー氏のいうユーザー参加型の手法の価値を改めて認めた形だ。

Twitterに関してはユーザーの20%が日本人といい,「ローカライズも第一の優先で考えている」とのリップサービスも。潤沢な資金とユーザーがありながら,なかなか商用とならないことにオライリー氏から「贅沢なことだ」と聞かれると,「確かにビジネスモデルが確立されちないのは難点だが,家電などで1日1品などの希少な商品の販売などに利用される事例が出て来ている」と,今後の商用展開への期待を表した。

Twitterの開発環境はRuby on Rails。GoogleのときBloggerはJavaだった。ウィリアムス氏は「何をやるかわからないときは軽量なほうがいい」と,より軽量な開発環境が今後のWebサービスに有利と主張。Twitterの最初のバージョンは2週間で作ったという。「スピードアップした開発には慣れている。苦痛も伴うが,人が好んでくれるかどうかが価値だ」と,とにかく新しい機能を追加して,ユーザーの評価を受けることが重要という。

オライリー氏は,「短いスパンで出し,やりながら学び,失敗も繰り返す。起業家はダメなときはあきらめる,粘るの2つの道がある」とまとめる。ウィリアムス氏は「Web1.0はみんなが同じ方向を向いていたが,Web2.0にあるのは多様性」と語り,その成功のためにはユーザーオリエンテッドな考え方が結果的に成功することを示唆していたようだ。

Web2.0 Expo Tokyo 2007 会場の様子

Web2.0 Expo Tokyo 2007 会場の様子(1)

Web2.0 Expo Tokyo 2007 会場の様子(2)

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