レポート

「豊富な事例から学ぶ! CMSで成功する企業サイトの構築と運用」レポート

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セッション2「これからの企業ウェブサイト運営における重要なテーマ:WebガバナンスとCMS」

続いて,企業Webサイトのコンサルティングにおける豊富な実績を持つアンダーワークス株式会社の代表取締役,田島学氏が,WebガバナンスのトレンドとCMS導入のポイントについて解説しました。同社は,前述のNTTコミュニケーションズのCMS導入プロジェクトにも参画しています。

アンダーワークス株式会社 代表取締役 田島学氏

アンダーワークス株式会社 代表取締役 田島学氏

[WebガバナンスとCMS]

企業のWebサイトの運営に様々な部門が携わるようになって久しくなっています。各部門がWebサイトの企画・制作・運用に携わることのメリットは,商品ブランドの訴求やリアルのマーケティングとの連動が進めやすいというメリットがある一方で,さまざまなコストやリスクを生み出す一因にもなっています。費用面で見ても,年間1億円以上のコストをWebサイトにかけている企業も少なくありません。

それらのコストを削減するために,CMSの導入を考える企業も多いといいます。⁠アンダーワークスでは,これを単なるCMSの導入としてではなく,Webガバナンスの最適化として捉えている」と田島氏は語ります。Webガバナンスには,コストの最適化も含まれますが,コンバージョンや顧客満足など,攻めの部分も含めて考えるということが昨今のトレンドです。つまり,Webガバナンスという言葉とCRMという言葉には密接な関係があるということです。現に,最近よく導入されるCMSパッケージには,承認フローや履歴管理という守りの機能だけでなく,LPOや顧客管理といった攻めの機能を売りにしているものが多くあります。CMSの導入には,コストの削減だけでなく,収益に与えるインパクトも考慮する必要が出てきています。

[CMSを選定するポイント]

それでは,実際にCMSの導入を行なう際に,何が重要となるのでしょうか。アンダーワークスでは,数々のCMS導入コンサルティングの実績から,パッケージ選定前に行なう要件定義の重要性を指摘します。⁠CMS導入の失敗原因を分析すると,その多くが導入前の要件定義を適切に行なっていれば避けられたリスクだと考えている」と田島氏は語ります。

CMS導入に際して,多くの方から以下のような質問が出るといいます。

  1. どのようなCMSパッケージを選べば良いのか
  2. CMS導入にいくらかかるのか
  3. CMS導入をリニューアルと同時に行なうべきか,否か

これらは,初めてCMSを導入する担当者の多くが直面する疑問です。しかしながら,これらを事前によく検討されることなく,主要なCMSパッケージを担ぐベンダのコンペを行い,機能の多さや費用の安さで選んでしまっている例が少なくないのではないでしょうか。

「機能が非常に多いパッケージだからできないことはないだろう,と思ったが,カスタマイズが必要で追加費用が発生した」⁠ページの移行作業を正確に見積もっていなかったので,結局すべてのページを移行させることができなかった」など,当初の目的が達成できなかったという話もよく耳にするということです。

「これらは,事前に十分な要件定義を行うことで避けられる場合がある」と田島氏は説明します。⁠誰がCMSを利用するのか」⁠どう利用したいのか」⁠そのためにどんな機能が必要なのか」⁠それによって何が解決できるのか」こうした事前の要件定義を行うことで,リスクの少ないプロジェクトとすることができ,結果として少ない費用で行うことも可能なのです。また,その際に重要なのは,導入後利用するユーザ(=各部署のウェブ管理者/制作者)からのヒアリングです。CMSはシステムであり,初期導入よりも,導入後に便利に使えることが問われるからです。

[要件定義とは]

CMS導入の要件定義というと多くの方が複雑なコンサルティングをイメージするかもしれません。しかしながら,田島氏は,⁠CMS導入要件定義の基本は,非常に単純な現状把握の作業が基本になる」と語ります。

要件定義の基本作業

①サイト全体のページを全て把握し,どのページに何をしたいのか
②現状の運用をすべて把握し,どの部分をどう改善したいのか
③現状のインフラを把握し,どんなシステムが存在しているのか

一見単純な現状把握作業ですが,果たしてどれだけのCMS導入プロジェクトでこれらの作業を事前に行っているでしょうか。これらの把握状況によって,CMS導入の費用が大きく異なったり,必要な機能や工数・期間が見えてくることがあります。そのため,アンダーワークスでは「まずCMSパッケージを横軸で比較する前に,自社サイトの現状を改めて網羅的に把握することを勧めている」といいます。

[費用対効果:いつまでに導入費用を回収すべきか]

CMS導入における費用対効果を考える上で,ヘッダやフッタ,ロゴが揃うことやアクセシビリティが向上することなども導入の効果と言えますが,それだけでは数百万,数千万という導入費用を正当化することは難しいのが現状です。外注費用や社内での制作・承認工数の削減など,社内コスト面での効果はもちろんのこと,CMSで巻き取ることのできる余計なシステム(実際,すべてのシステムを把握してみると様々なASPや小さなアプリケーションが入っていることが少なくない)の統合メリットなど外部コストの削減も大きな効果と言えます。また,SEO向上や回遊率向上によるアクセス向上効果,LPOや会員化によるコンバージョンやCS向上メリットなども考慮できれば,攻めの意味での効果も期待できます。⁠様々な新しい技術が開発されるWebという特性を考えると,2年~3年の期間で導入費用が回収できるような費用対効果を目指すことが,一つのベンチマークになってきている」と田島氏は説明します。


アンダーワークスでは,CMS導入を単なるシステム導入/サイトリニューアルとしてではなく,Webガバナンス=コストとリターンを全社最適化することと捉えているといいます。また,最近では,顧客ニーズ調査やユーザビリティ調査,戦略立案,CRM推進など,Webサイトに関するさまざまなコンサルティングも行っているということです。

アンダーワークス株式会社
URLhttp://www.underworks.co.jp/
NTTコミュニケーションズ株式会社
URLhttp://www.ntt.com/