レポート

インフラエンジニアDAY大阪レポート~既存ホスティングとクラウドの融合

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クラウド・エンジニアサバイバル ~先が読めない時代に生き残るために~

最後のセッションは「クラウド・エンジニアサバイバル ~先が読めない時代に生き残るために~」と題し,株式会社技術評論社の馮富久をモデレータ―に,各セッションのスピーカーが一同に会してパネルディスカッションが行われました。

株式会社技術評論社 馮富久

馮富久

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

はじめに投げかけられたテーマは「技術視点から見た日本のクラウドの現状」についてです。

Amazon EC2,AWSの次に日本のベンダーもクラウドサービスを始めてきたが,このような状況の変化において日本で何が変わってきたのか。

これに対してさくらインターネット株式会社の田中邦裕氏は,日本のクラウドの現状は「仮想化=クラウド」なりがちであると言及し,クラウドの本質は仮想化を使うことよりも,仮想化を使うことによっておこるマルチテナントやセルフサービスそこを日本はできていないという印象があるという。

株式会社ゼロスタートコミュニケーションズの山崎徳之氏は,ソーシャルアプリやフラッシュマーケティングという成長分野で需要があるのはクラウドにとって追い風となっていると話します。

「mixiアプリ上位20社のうち5社がさくらインターネット,5社がAmazon。全ての会社がクラウドという領域で競い合っているわけではない。」と紹介する田中氏の言葉も踏まえて,日本の経済規模から見れば一部でしかない市場に需要が固まってしまっているのも事実,と述べました。

さて,クラウドの台頭により,今後,日本のホスティングベンダーはどうなるのでしょうか?

田中氏はクラウドデータセンターについて「一言でいうとハウジングをしないデータセンターです。」と説明しました。

ハウジングはデータセンターに置くことをサービスの目的にしていますが,ホスティングにとってデータセンターは手段でしかないので,例えばラックのドアを外すことができるし,ラックに載せるサーバは決定しているので下から上までブレードサーバを詰めることも可能と,できることの幅は広がります。何より安く実現できるのはクラウド時代のデータセンターの特徴です。

仮想エンジンにKVMを採用しているさくらインターネットのデータセンターについて濱野氏から「I/Oをどのように整理するのか」という質問が出ました。

これに対して田中氏は「ベストエフォート」というキーワードを挙げます。

高級なストレージを買って1000ユーザー,2000ユーザー入れるのは一般的ですが,さくらインターネットは最近の安価で高速なストレージに着目し,ストレージ一つあたりに入れるユーザーを少なくすることで対応していると述べました。

また,ベストエフォートがマッチしないユーザには専用サーバを提供することもできます。いかに専用サーバ,VPS,クラウド,ハウジングをシームレスにローカルで繋ぐかが重要だとします。

山崎氏はさくらインターネットの特徴について,クラウドと非クラウドを使い分けるメリットを持ってAWSに対抗できるプレーヤーは今までいなかったと,期待感を表しました。

プライベートクラウドのメリットがテーマに対し,濱野氏はクラウドのメリットを活かすのであればプライベートは活かせない。しかし,企業はプライベートクラウドを欲しがる現状がある。クラウド的運用ができないという名目ののもとに社内のハードウェアとかソフトウェアの統一を図り,運用コストを下げる,オペレーションを楽にしたいという点でクラウドニーズがあるのではないかという。

パブリッククラウドのメリットについて,テーマを変えようとしたところ,さくらインターネットがデータセンターを選定した際の事例を掘り下げたい声が挙がり,スポットは田中氏に向きます。

2011年に完成予定の石狩データセンター立ち上げの経緯について田中氏に質問されました。

背景として,3年前から郊外型データセンターの検証をしていたので,選定に必要なノウハウはあったといいます。

石狩が,熱周りの効率がいいことは選定のポイントになったそうです。最高気温が30度を回る日は殆どなく,稀に30度を上回る日があっても一日で1時間程度しかオーバーしないのは他の候補地にない利点でした。

また,広さと地価の安さは郊外型データセンターの重要な選定ポイントです。スペースの広さは,ハウジングしたユーザーの「機材を追加したい」というニーズにも柔軟に応えることができます。場所代・設備代・電気代という全体のコストの中で場所代を圧縮できるので電気を使わなければコストは殆どかからないというメリットもあるそうです。

最後に,クラウド時代のエンジニアが養うべきスキルについて,⁠全レイヤーについて熟知していなくても,理解しているエンジニアが求められている」と改めて幅広い知識の必要性を述べられた上で,次にくるチャンスや学ぶべき技術について,自分で目利きする力も養う必要があるとまとめられました。

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