レポート

Evernote Trunk Conference,サンフランシスコで開催

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作品コンテスト授賞式

午後のセッションでは,エスター・ダイソン氏の司会のもと,公開APIを利用した作品コンテストの受賞者選考および発表が行われた。

ジャパン・プライズの受賞者は2組

日本からの応募を募ったジャパン・プライズの受賞者は2組で,EverFinderの開発者である杉上洋平氏,そしてR.O.I.を開発した羅ハユン氏と上杉類氏だ。

EverFinderは,Evernoteを高速で検索して表示することを可能にした作品。一方,R.O.Iは一定時間にとられたノートを解析し,単語数を数値化することにより興味の対象を分析することを可能にするツールで,たとえば,これを大学の講義に応用すれば,ノートを取る学生の数が少ない場合は講義が退屈だという可能性も考えられるというもの。

EverFinder開発者,杉上洋平氏

EverFinder開発者,杉上洋平氏

R.O.Iを開発したのは,羅ハユン氏(写真)と上杉類氏の二人

R.O.Iを開発したのは,羅ハユン氏(写真)と上杉類氏の二人

グランプリはTouchanote

グランプリには最終選考候補者の6人から,当日の会場参加者の投票によってTouchanoteが選ばれた。Touchanoteは,NFCサポートのあるモバイル端末を利用してノートにタグ付けをし,実世界のオブジェクトとの関連付けを可能にする。他にも独創性と利便性の追求を工夫したアプリケーションの発表を何人かの開発者が発表したが,Evernoteの公開APIを利用して実現できるサービスは無限にありそうだ。コンテスト応募者からは「楽しくて,みんなの役に立つものづくり」を満喫している雰囲気が会場に伝わってきた。

Touchnoteがグランプリを受賞!

Touchnoteがグランプリを受賞!

最後はETC各賞受賞者を囲んでの記念撮影

最後はETC各賞受賞者を囲んでの記念撮影

「おもてなし」を取り入れたプラットフォームを目指すEvernote

今回のカンファレンスは,Evernoteが開催する初の技術会議であったが,Galleryの発表など開発者にとっては開発のプラットフォームになることへの野心,そしてユーザにとっては日常になくてはならない生産性を高めるユビキタスなツールを長期にわたって提供するプラットフォームになることへの壮大な計画があるような印象を受けた。

カンファレンス会場に到着してからなんとなく感じていたことだが,Evernoteには「おもてなし」の文化があると思う。すべてにとても心がこもっている印象を受けるのだ。まず,会場のビルの入口には,スタッフが早朝からひとり立っていて,⁠ようこそ」と笑顔で入り口に案内。ランチは,オーガニックの食材を使った温かみのある日本のお弁当,夕食はオーガニックのチキンバーベキュー。伊藤園のカラフルなお茶シリーズが飲み放題に振舞われ,珈琲もその場で豆を挽いて丁寧に淹れてくれる。椅子やテーブルの配置など会場の設定ひとつひとつも参加者同士が話しやすいように配慮が行き届いた設定だ。

ランチは,日本文化をイメージしたお弁当

ランチは,日本文化をイメージしたお弁当

それらすべての演出が非常に吟味されて心がこもっているのが感じられる。会場スタッフの一人ひとりが笑顔で参加者に気を配り,満足してくれるように気を配っているのが伝わってくるのだ。なんというか,老舗旅館にでも宿泊したときに受ける,あのおもてなしの感覚。

Evernoteのサービスは,使えば使うほど愛着がわく。そして,楽しくてわくわくする。Evernoteから一貫して伝わってくるメッセージ,それは「おもてなしの心」と,開発者にとっては「楽しくて,みんなの役に立つものづくり」を可能にするプラットフォームの提供にあるのではないか。100年後にも皆に愛され使われるサービスを提供する企業,Evernoteのこのカルチャーがあればきっと実現するにちがいない。

著者プロフィール

松原晶子(まつばらあきこ)

ソフトウェアエンジニアリングおよびテクノロジーマネージメントを専門としたプロフェッショナル。アドビ システムズの米国本社にてソフトウェアエンジニアとして約10年間勤務の経験を持つ。また,シリコンバレーベンチャー企業にてプロジェクトマネージメントにも従事。シリコンバレーで働く技術者を中心とした日本人プロフェッショナルを支援するNPO,Japanese Technology Professionals Association(JTPA)の共同代表も務める。

Twitter: @kokiara

Blog:http://kokiara.blogspot.com/

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