レポート

世界のクリエイティブを体感する「FITC Tokyo 2011」レポート(後編)

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「Unityによるマルチプラットフォームゲーム開発」

2日目の午後第一セッションはUnity Technologiesのセッションからスタート。講師のCarl Callewaert氏はゲームを作るのも遊ぶのも大好きらしく,娘の名前はMaya(3Dソフトの名前)で,息子が生まれたらUnityと名付けたいと検討しているほどのゲームクリエイティブのファンらしい。

Carl Callewaert氏(左)

Carl Callewaert氏(左)

さて,Unity Technologiesの発祥はオランダ,コペンハーゲンで,現在はサンフランシスコの本社を置く。全世界で150人程のスタッフがおり,東京にもオフィスが存在する。⁠ゲーム好きはみんなゲームを作れるようになるべき」という信念のもと,社員採用時にはUnityコミュニティからの採用が多いらしい(Unityに興味がある方はまずはコミュニティに入るとよさそうだ⁠⁠。

現在全世界で75万登録ユーザーがいるUnityだが,その活用している会社は小規模から大規模に至る。

  • mika mobile:美大生が立ち上げた会社。キャラクターはMayaで制作。1年間で130万ドルの収入。
  • Electronic Artsタイガーウッズのゲームを制作。
  • Disney:Tron Legacyを制作。
  • Max & the Magic Maker:アーティストとプログラマが作った。iPhone, iPad, Wii, Web, Play Station 3, Xbox 360など異なるプラットフォームにもエクスポート可能なUnityならではのマルチプラットフォーム対応。

ゲームは上記以外にも多数リリースされているが,エンターテイメント分野以外でのUnityの活用も進んでいるらしい。たとえばポルシェのモデリングや軍事シミュレーションの開発など,その利用用途は多岐に渡っている。

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このようなサクセスストーリーが多く生み出される背景にはUnityがゲームデベロッパー向けに最適化している機能を提供しているからであると述べ,機能紹介のデモに移った。

デモはシューティングゲーム(FPS)を作るというシナリオのもと,ゲーム背景,建物や樹木などのオブジェクト,そして主人公の操作,マシンガンから打ち出される弾への重力付与など,プロパティ画面を駆使して設定方法を説明。また,オリジナルのJavaScriptなどもインポート後にプロパティで変更できるなど,⁠自分にもゲームが作れるのではないか?」とわくわくするデモとなった。

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ゲーム制作に必要な機能だけではなく,Asset Storeでキャラクターやテクスチャーなどをコミュニティに販売できる機能や,デバイスをコントローラー化できるUnity Remoteなど,上級開発者にも嬉しい機能が多数用意されている。

新バージョンのUnity 3.5については,キャッシュも使えるので書き出しの高速化,パスファインディング,ダイレクトライトマップ(キャラクターの上にスポットライトをあてるような照明効果)などの制作者に嬉しい機能とともに,分析機能もつけることにより商用利用でのゲーム開発をサポートしていくそうで,自分でゲームを開発したい,ゲームで儲けたいと考えている方にはUnity Technologiesは強い味方になりそうだ。

Unity 3.5ではAnalytics機能がつく

Unity 3.5ではAnalytics機能がつく

著者プロフィール

西村真里子(にしむらまりこ)

株式会社 バスキュール号 プロデューサー

日本IBM,アドビ システムズのWeb製品マーケティング担当を経て現職に至る。外資企業での経験を活かし日本発の良質のクリエイティブ,サービスを海外に展開する施策を前職,現職ともに行う。TEDxスピーカー経験&特許保持者。国内,国外問わずに人と出会うのが大好き。

URLhttp://twitter.com/mariroom