レポート

「Plone Conference 2012」参加レポート(前編)

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Plone Conference 2012

アムステルダムでは観光を楽しみ,ここからはアーネムで開催されたPlone Conference 2012の内容に移ります。

アムステルダム中央駅

アムステルダム中央駅

アーネムはヘンダーランド州の州都で,東京駅のモデルになったアムステルダム中央駅から電車に乗って約1時間,ドイツとの国境に近い場所にあります。別名パークシティーとも呼ばれるほど森と公園が多く,緑豊かな美しい街で中心部にはライン川が流れています。

近年のPlone Conferenceでは,開催都市にある有名な橋がロゴとして使用されています。一昨年のブリストル(イギリス)はクリフトン吊り橋,去年はサンフランシスコ(アメリカ)のゴールデンゲートブリッジ,そして今回のアーネムはジョン・フロスト(元イギリス軍中佐の名前)橋です。この橋は第二次世界大戦中に激戦地となった場所で映画「遠すぎた橋」の舞台として有名です。

Plone Conference 2012のロゴ

Plone Conference 2012のロゴ

Ploneのカンファレンスは年に一度,主にアメリカ・ヨーロッパで10月~11月頃に開催されています。今回のイベントスケジュールは次の通りです。

日程8-9 Training,10-11-12 Conference,13-14 Sprint
参加費用275ユーロ(約28,875円)※Conferenceの3日間のみ
会場Musis Sacrum,Velperbuitensingel 25 6828 CV Arnhem
参加人数250名(+スタッフ12名)

初日の2つの基調講演をはじめ63のセッション,オープンスペース,ランチ,パーティーなどが行われました。詳細スケジュールはこちらです。

会場到着~受付

アーネムの朝7時は寒くまだ暗いです。宿泊先のGolden Tulip Arnhem Velpホテルの近くにある停留所からバスに揺られること約25分で会場の前に到着します。会場はアーネムの駅から徒歩10分なので,近くにホテルがあるのですが,Plone Conference効果なのかすべて満室になっていました。カンファレンスに参加の際はホテルの予約はお早めに。

会場となるMusis Sacrumは,街の中心街にあるレンガ作りの立派な建物でカンファレンス,会議,コンサート,パーティーが開催され全体で870人収容することができます。今回はここを1週間すべての部屋を貸し切って行われました。

到着してまず私達を出迎えてくれたのは,Ploneの文字のオブジェとスポンサーのロゴが入った垂れ幕でした。試しに抱えてみると,オブジェはずっしりと重く頑丈な物質で作られているようです。受付はラストネームの最初のアルファベットの文字ごとに分かれていて,受付の人にカンファレンスグッズを貰いました。

そして希望者にはA0サイズ(841×1189ミリ)の巨大Plone Conferenceポスターを配布していましたが,持ち帰った方は少ないようです。私は8つ折りに畳んでスーツケースに詰め込み持ち帰りました。

Musis Sacrum

Musis Sacrum

Plone Conference 2012の会場前

Plone Conference 2012の会場前

カンファレンスグッズ(コップ,ビール,ピンバッチ,Tシャツ)

カンファレンスグッズ(コップ,ビール,ピンバッチ,Tシャツ)

開会セレモニー

開会30分前のConcert Hallは,参加者が20~30名にスタッフが数名とこれから始まる気配を感じられませんでしたが,10分前になって続々と人が集まりだしました。開会セレモニーは挨拶と諸注意から始まり,次にアーネムの市会議員Michiel Van Wessemさんより街の紹介がありました。その中の話を聞いて知ったことですが,2009年のヨーロッパグリーンコンペティションで「ヨーロッパで一番グリーンな街」に選ばれたそうです。

Concert Hall

Concert Hall

KEYNOTE: GOING ALL OUT ON THE CLOUD!(CLOUD9 IDE)

最初の基調講演のスピーカーは,オランダのCloud9 IDE,Incに所属するJavaScript developerのJan Jongboomさんです。このセッションは,JavaScriptが生まれてから現在までの歴史,Cloud9の構築とその上でPloneを実行するデモンストレーションという流れでした。彼のプレゼンは印象的な画像をスライドの壁紙にして直感的でわかりやすいものになっています。次のサイトに彼のプレゼン動画が公開されています。

Youtube:Jan Jongboom: Keynote: Cloud9

JavaScript 1995 to 2012

JavaScriptは1995年にNetscape2.0上で実装されました。当初は「JS had to “look like Java” only less so,[it had to] be java’s dumb kid brother or boy-hostage sidekick.」と言われていましたが,XMLHttpRequestなどの登場により,すでに読み込んだページからさらにHTTPリクエストを発信する非同期通信が実現されてからはJavaScriptの価値はだんだんと高くなりました。その良い例の一つがGMailです。

次のスライドはJavaScriptの実現・推進がどのような状況にあるかを示したものです。パーツとしての側面よりもJavaScriptが主役となった使い方の方が重視されているのが明らかです。

JavaScript The Good Parts VS JavaScript

JavaScript The Good Parts VS JavaScript

また,JavaScriptから派生した技術としてjQueryやSizzleなども紹介していました。その中でもCloud9のベースになっているNode.jsを構成するLibUVについて多く語っていました。

LibUVはI/O処理のイベントを管理するライブラリで,通信などのイベントを監視しその情報をNode.jsに通知することでスムーズな処理を実現しています。またLinuxやMac,Windowsなど多くのOS上で動作するのでシステム開発の負担が少なくてすみます。

Node.jsはJavaScriptとLivUVを統合することにより制作されたものであり,Google V8エンジン上でプログラム(JavaScript)を実行できるように実現しました。Cloud9はこの技術を元に制作されました。

I/O処理

I/O処理

Cloud9の構築

Cloud9はプログラムの構築,実行とデバッグ,テスト,シェア,デプロイの作業をすることができます。クラウド上で提供されているこのシステムはJavaScriptで書かれた統合開発環境です。Node.jsが動作するサーバーで実装されており,ブラウザを通して操作できるためOSなどの環境に依存しません。今回はこのシステムを利用してPloneを起動するデモをしてくれました。事前準備としてMongDBの起動,およびPython2.6.6(or 2.7)とPloneのインストールが必要です。

Plone起動のデモ

Cloud上でもUnifiedInstaller形式のPloneを5分で構築できると言っていましたが,実際は会場のネットワーク環境が非常に遅いため動画によるデモになりました。Cloud9のUIは,左側にディレクリー,右側にエディター,下にターミナルの表示が標準のようです。彼のデモから得られたCloud9の特徴と機能は次の通りです。

  • 変数モニターなどのデバッグ機能
  • メンバー間のチャットおよびコードのシェア
  • JavaScript予約語の文字予測

一つのブラウザ画面でPloneの構築から開発までできる環境は今までになかったことなので魅力的ですし,ブラウザで開発環境にアクセスできるのでとても便利だと思いました。

著者プロフィール

間中宏修(まなかひろのぶ)

1985年生まれ。理系大学院を卒業後,Web業界に進みPloneを使ったWebサイトの構築にあたる。個人では,オフィシャルからプライベートまで音楽系のWebプロジェクトを企画している。趣味は音楽の鑑賞とピアノの演奏,またライブ遠征が転じて旅行にも興味を持つ。プロフィールの写真はお気に入りの場所サンフランシスコのハイドストリート。

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