レポート

2013年関心のある技術は?トップ10発表,テック界のスター誕生!「CROSS VS」,アンカンファレンスも大賑わい ~「エンジニアサポート新年会2013 CROSS」レポート(後編)

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「CROSS VS」

今回のCROSS2013では,新たな試みとして,エンジニアの起業を支援するステージづくりにも取り組みました。⁠CROSS VS~アプリ/サービス公開オーディション」は,世に出したいサービスやプロダクトを持つスタートアップやエンジニアのための,サービスやアプリのプレゼンテーションステージ(ピッチコンテスト)です。

当ステージは,サムライインキュベート,MOVIDA JAPAN,グローバルブレイン,インキュベイトファンドなど著名なベンチャーキャピタリスト,ヤフー,楽天,DeNA,mixi,NTTグループなどネット企業の新規事業担当者,メディアの方など総勢22名を審査員として招き,100人を超える観客が見守る中,開催されました。

ステージにつけたコピーは「テック界のスター誕生!」⁠往年のスター発掘番組のテック版といった光景が展開され,独特の緊張感とエンタメ性のある,リアルなイベントの醍醐味が味わえるステージとなりました。

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出演者はCROSS2013の公式サイトで募集され,20組のエントリーがありました。一次予選の通過者は7組。高倍率を勝ち抜いた,個性あふれる「7人の侍」が,熱いプレゼンテーションを展開しました。

  • 1組目の「LaunchApp」⁠ザオリア株式会社による,アプリのユーザーテストをクラウドソーシング型で実施できるサービス。
  • 2組目の「ROBOprof」⁠Facebookのアイコン画像からペーパークラフトを作成できる,フリーエンジニア・森雅秀氏によるアプリ。
  • 3組目「Saturn Storage」⁠現役大学生とネット企業の1年目社員が中心メンバーの「Team Saturn Storage」で作った,複数の無料ストレージサービスを1つの画面でまとめて管理できるサービス。
  • 4組目「limica」⁠株式会社ナスカークラフトによる,気になる人にドリンクとメッセージを送ることができるリアル店舗向けのサービス。
  • 5組目「Cu-hacker」⁠株式会社ジェネストリームによる,複数名のカレンダーを束ねて日程が調整できるサービス。
  • 6組目の「告白の行方」⁠エンジニア菊本久寿氏による,自動音声によるワンコイン告白サービス。
  • 7組目の「ワガコダケ」⁠ソーシャルで集めた写真から,あらかじめ登録しておいた「わが子」の写真だけをピックアップしてくれるサービス。

実に多種多様なサービスが,名だたる審査員の前で堂々のプレゼンテーションを展開しました。ライブ感あふれるプレゼンの数々に,審査員からは「想像以上に,みなさんのプレゼンテーションのクオリティが高かった」という声も聞かれました。

各発表者によるプレゼンテーションが終わった後は審査員による「入札」が行われます。演出上の「入札」であり,この札を上げることで即,投資や提携が決まるわけではありませんが,リアルタイムで審査員の反応がわかり,札が上がる瞬間は,発表者,観客の間に独特の緊張感が走りました。⁠自分の出番で札は上がらないと思うなあ」と出演前に話してくれた発表者も,一度札が上がると,その数に驚いたり,興奮を隠せなかったり。札を挙げた審査員と,ステージの終了後談笑する発表者もいて,⁠入札」の演出は,マッチングの第一歩として役立つ仕掛けとなりました。

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ニフティクラウドの使用権400万円分が賞品として提供される「VS大賞」を受賞したのは「Saturn Storage」⁠大賞は,審査員22人による5点満点の採点の合計点で決定されました。⁠Saturn Storage」「入札」する審査員の数も多く,講評では「必要だと思ったものを自分たちで作ろうと思い,実際にカタチにしたところが素晴らしい」という評価が目立ちました。

学生が中心となって作られたサービスがチャンピオンになったことは,CROSS VSというステージにとって,象徴的な結果でした。今回のコンテストは,あえてスタートアップやフリーのエンジニア,学生などの所属を問わずに,出演者を選抜しました。審査員も,出演者も,観客もCROSSするピッチコンテストにしたかったのです。そして結果として,経歴も何も関係なく,会場のみなさんがいいと感じたサービスがチャンピオンをとったのは,CROSSらしい結末だったと言えるでしょう。

「Saturn Storage」は楽天賞とのW受賞。KLab賞は「Cu-hacker」が,DeNA賞とおばかアプリ選手権賞は「告白の行方」がW受賞を果たしました。

特に「告白の行方」は,その独特のユーモアとプレゼンテーションスタイルで,会場をもっとも沸かせてくれたサービスです。プレゼンテーターの菊本さんは「レンタルCTO」という変わった肩書きを持つフリーのエンジニア。⁠おばかアプリ選手権への出場は本当に夢だったので,夢がかなってうれしいです」とコメントを残しました。VSが生んだニューヒーローの1人と言っても,過言ではないかもしれません。

コンテストの開催は,実験的な試みでした。資金投資自体,エンジニアにとってセンシティブな一面もあります。ですが,エンジニアがビジネスの成功に至る一つの重要な道に進むきっかけとして投資や事業提携があることも事実です。そのきっかけづくりのために,コンテストステージを開催することにしましたが,マッチングの場づくりとして一定の成果が上げられました。何より,大勢の出演者や観客の方々,審査員の皆様に喜んでいただける,ライブ感あふれるステージになったことが,大きな成果だったと感じています。

著者プロフィール

森藤大地(もりふじだいち)

ニフティ株式会社 データマイニング/Webエンジニア

自然言語処理・言語発達のニューラルネットワークなどの研究を行った後,ニフティ株式会社に入社。レコメンデーションエンジンの設計開発などを行ない,現在,全社的なデータ保持・解析基盤の構築・データマイニング業務に携わる。興味の赴くままにHTML5,JavaScript,Node,MongoDB,Hadoop,OpenIDなどの勉強会に参加しつつ,日々開発業務を楽しんでいます。

Twitter:@muddydixon

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