レポート

ハードウェアを進化させる次世代ソフトウェアと情報,その先にあるユーザ体験~Evernote & Honda Hackathon: Design & Build Weekendレポート

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米国時間2013年5月31日から6月2日にかけて,Evernoteとホンダのシリコンバレーラボ(Honda Silicon Valley Lab,以下HSVL)が共同で主催したハッカソンイベント「Evernote & Honda Hackathon: Design & Build Weekend」が開催されました。

開始前の会場。今回が,Redwood CityにあるEvernoteの本社内で公式に開催された初めてのハッカソンイベントとなる

開始前の会場。今回が,Redwood CityにあるEvernoteの本社内で公式に開催された初めてのハッカソンイベントとなる

Intelligent Design & Hardware Hacks

本イベントのテーマは「Intelligent Design & Hardware Hacks」で,ハードウェアから取得できる情報と,Evernoteのようにユーザのさまざまなデータをノートとして保存・利用するWebサービスのAPIとを連携することで新しい価値を生み出すことができるかという点に着目したものでした。

Evernoteはすでに自身の提供するWebサービスの枠を超えてプラットフォームとして3rdパーティにAPIを提供しています。エコシステムのさらなる拡大のために,Evernoteは日本でもトヨタやヤマハのような異業種とのハッカソンや,エンジニアとデザイナーとが集まるMeetupなど,分野を超えて議論をする中で新しいアイデアを生み出すことに積極的に挑戦しており,今回のイベントを開催する目的ともリンクするものだと言えるでしょう。

HSVLは今回「Honda Vehicle API」というHONDAの自動車から走行情報を取得できるAPIを,参加したデベロッパー向けに公開しました(米国時間で6月11日より,登録制で一般向けにも公開されています)⁠

本イベントでは他にもAndroidやiOSと連携するスマートウォッチのPebble,同じくスマートフォンと連携してさまざまなセンサから対象の温度や色,加速度などの情報を取得できるNODE sensor,ユーザの手と指の動きを3Dモーションセンサーで読み取りPC等を操作できるLeap Motionといった,ハードウェアとAPIを一体で提供する会社が協賛して参加者と共に新しいサービスのデザインと実装に取り組みました。

机の手前にあるセンサーがLeap Motion。手の動きに連動してアートワークを操作できるデモを行っていた

机の手前にあるセンサーがLeap Motion。手の動きに連動してアートワークを操作できるデモを行っていた

机上の円筒形のデバイスがNODE sensor。各種センサーに加え,フラッシュライトのモジュールもある

机上の円筒形のデバイスがNODE sensor。各種センサーに加え,フラッシュライトのモジュールもある

説明後,各チームが各者各様でハッキング

イベントは最初にEvernoteと各ハードウェアの提供するAPI・SDKの概略の説明があったあと,参加者ごとに自由にチームや個人に分かれてどのようなサービスを作るかの検討,そして具体的なサービスが固まってからはひたすら実装という流れでした。

参加者の様子。左手に着けているのがPebble Watch

参加者の様子。左手に着けているのがPebble Watch

参加者はどれか1つだけのAPIを選んで開発しても良いのですが,APIごとにAwardがあるのでそちらを狙うのであれば幅広く連携するサービスを検討したほうが良いことになります。また,APIによってはJavaScriptのみで提供しているといった制約もあり,新しいAPIの仕様を限られた時間の中で理解し,戦略を練って最後にピッチが行えるレベルまで実装することが求められるタフなイベントであると感じました。

全16チーム,最終日にピッチ大会

チームは全部で16に分かれ,最終日の午前中にピッチが行われました。

各ハードウェアで取得した情報をEvernoteに保存するといった汎用的なものから,不在時にHONDAの車が盗難されそうになったときにPebbleが振動して伝える,スマートフォンでワンタッチで警察に通報するといった,実際にありそうなユースケースを想定したものなど,各チームごとにさまざまなアイデアが出てきて興味深かったです。

大きなチームを組んで深夜まで開発を行う参加者たち

大きなチームを組んで深夜まで開発を行う参加者たち

Leap Motionでレシピをチェック!

シンプルですが筆者が気に入ったのは,料理の最中にLeap Motionでレシピを操作・閲覧できるというサービスでした。Leap Motionを使えば各種ブラウザ等のソフトウェアの操作は行えるのですが,実際に手を汚さずにページをスクロールできるユースケースとし

ては非常に実感がわきやすく,普及すればLeap Motionでの操作を考慮したサイトのUI設計が出てくるかもと思える内容でした。

シリコンバレーでは「スマホの次」を目指して,ソフトウェアだけでなくそれらと連携したさまざまなハードウェア製品が登場してきています。どれか1つではなく,それらが有機的に連携していくことでより大きな価値を生みだしてさらなる市場の開拓につながると考えているのですが,今回のハッカソンイベントはその手応えを十分に感じさせるものでした。

また,開発者にもユーザにもこうしたプロダクトの発展のためにやれることはたくさんあり,コミュニティに参加する全員で,新しい体験をデザインしていくという感覚が大切です。今回のようなイベントはまさにそのような貴重な場として,これからも機能していくと考えています。

著者プロフィール

赤木法生(あかぎのりお)

日本の通信事業者所属でシステム開発に従事。大規模開発のSEを担当しつつ,個人でAndroidやスマホ向けAPIのサーバサイドプログラミングを行っています。メインはAndroidでPython,JavaScriptも触り中。現在はシリコンバレーのベンチャー企業にてトレーニー中。開発者向けのSDKと格闘しています。

https://github.com/redtree1112

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