レポート

PyCon KR 2014 レポート

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プログラムにについて

PyCon KR 2014をはじめて開催することもあり,プログラム内容を限定的に考えていると話していた座長のKwon-Han Baeですが,トークセッションの他,積極的に参加者同士の交流も考えてBoFのイベントも企画していて,1回目としてはとても良くできていたと思います。

でもやはりいつものPyConと同じようにスピーカーの変更などで印刷されている紙のタイムスケジュールが使えず,Web上のスケジュールを見ながらどの部屋か,どのセッションを見にいくか,と確認しつつ,皆さん参加していました。

トークセッションの内訳は,キーノート:1人,通常トークセッション:17人,LT:3人です。今回の基調講演を行ったのはPythonコアのコミッターであるHyeshik Changでした。韓国語で行われたので細かい話はわかりませんでしたが,エンコーディングについての話だったそうです。

トークセッション

今回のPyCon KR 2014はメインとして国内ユーザ向けのイベントということで基調講演含めてスピーカー人数は12人でしたが,1人以外すべて韓国のPythonのデベロッパーの方々でした。

残念ながら17セッションのうち英語のセッションは1つだけでした。この英語のセッションは,日本のRyusuke Kajiyamaさんでした。かじやまさんは以前PyCon SG 2014にも登壇しています。

その他のセッションはずべて韓国語でしたのであまりフォローはできなかったですが,スライドを見ていても内容としては様々で,高度な内容があったり,とても基本的の内容でもあったりな印象を受けました。

トラックの数は3つで,トピックに分けられていました。

一般 Python
  • Pythonとクラウドでスケーラブルなインフラ
  • dictをもっと理解して使おう
  • 制限から脱出:Geventについて
  • Python 3.4: AsyncIO
  • Pythonでクッキーを扱う
  • Geofront開発レビュー:Python 2からPython 3へ
データ処理・バイオテック Python
  • ビッグデータ用の統合キューリ言語:SociaLite
  • NetworkXを使ってのネットワーク分析
  • 金融データの分析と理解
  • DNAデータで自分の家族を探せ!
  • Java, ごめんね!Pythonで韓国語の自然言語処理
  • 0%Javaでビッグデータを!
Python アプリケーション
  • スタートアップのためのクラウドとPython
  • MySQLの拡張と高可用性(HA)のMySQL Fabric
  • IPythonとPandasでゲームデータの分析
  • 30分での同時Webスクレーパー(多分)
  • ネットワークエンジニアのためのPython

トークセッション行われた部屋の1つ

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トークセッション行われた別の部屋

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それ以外,スポンサーによるジョブフェアブースと,本の物販ブースもありました。

スポンサーブース

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本物販ブース

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ランチ

お昼には別館にある大学の食堂に移動してランチに行きました。

ランチ会場の光景

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私達のテーブルにスピーカーと海外から参加者が座っていました。ランチはご飯,プルコギ,キムチなどのセットで一般的に学食で食べるものでしたが,周りに座っていた人達に聞いたところ,美味しくて質も良いほうだと述べていました。

PyCon KR 2014の会場の学食にてランチ。私の右にIPythonとPandasについて発表したJeong Juと,私の前に座っているのは日本から一緒に参加したイアン。イアンの左には唯一の英語セッションで登壇したMySQLのかじやまさん

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LT(ライトニング・トーク)

各セッションの終了後にインホールにてLTを行われました。今回PyCon KRのLTは当日の申し込みではなく,事前にスピーカーとトピックを決めている形式でした。

LTの光景

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アフターパーティー

クロージングの後,BoF(Birds of a Feather)のセッションがありましたが,海外参加者やスピーカーはアフターパーティーの会場に移動しました。

左から:私,イアン,副座長のYeong-Geun,PyLadies SeoulのファウンダーYe Ji,座長のKwan Han

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アフターパーティーの光景

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韓国で人気あるフライドチキン

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アフターパーティーでは,スピーカーとスタッフの方々と英語で韓国のPythonの情報や,今回のPyConの感想などを聞きました。

皆さんの話によると,Pythonを使っているデベロッパーの人達は割と若い人達で,今までメインのJavaのデベロッパーと対象的だということです。また,スキルレベルの高いPythonデベロッパーも多数いるそうです。実際,会場にはGoogle本社に移動して就職している人,数ヶ月にアメリカのニューヨークに移住して金融関係のPythonの仕事をする人もいました。

スポンサーや資金集め

企業も新しいテクノロジー対応できる若い人達を採用する意欲が増していて,今回のようなイベントにはスポンサーとして積極的に参加しています。そして第1回とはいえ今回のPyConにも,次の大型スポンサーに協賛してもらうことに成功しています。

  • プラチナスポンサー:Google, IT産業を活発化する韓国政府機関 NIPA, Open Technet(OSS協会)
  • ゴルドスポンサー:NAVER, GitHub
  • シルバースポンサー:Smart Study, YoGiYo, InsilicoGen
  • メディアスポンサー:Hanbit, Insight Book, Open Learning Community (OLC)

副座長のYeong-Geunによれば,これらの企業以外にも多数の企業からスポンサーになりたいという話があったけれども,今回のPyConの開催を小さく管理しやすくするため残念ながら断らなければいけなかったそうです。

収入と費用

Kwan Hanの話によると協賛金として200万程度をいただいたということでした。また参加費としては1人1,000円なので,合計40万円ぐらいのチケット収入になりました。費用としては会場費20万程度,ランチ代は1人800円とTシャツ代1人1,000円でしたので,今回のPyCon KRは黒字にできたそうです。

撮影OKのセッションは録画を撮ってるのですが,その費用と作業はOLCという会社(メディアスポンサーの一社)が完全負担していました。OLC社は教育目的やコミュニティーのイベントであれば,無料で録画をしてくれるそうです。

ノベルティ

今回のノベルティは,PyCon KRの参加Tシャツとスティッカーの他,今年の6月からはじまったPyLadies Seoulのスティッカーももらいました。一番おもしろかったのはPythonのクッキーですが,こちらは3Dプリンターで作られたものだったそうです!

PyCon KR 2014のノベルティ

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まとめ

第1回目の国内PyConとしてはとても良くできていました。韓国語以外のトラックがほぼなかったというのは少し残念という気がしないでもないですが,当初の国内向けのみの方針を考えれば良いのではないかと思います。

今考えてみると,1年前にはじめて東京でPyCon APACでKwon-Hanと会ったときに,韓国のPythonユーザの状況まったく知らない状態から,その1年後に国内PyConを開催し,その上400人以上の参加者だったという他,PyLadies Seoulまでできたというのはとても驚いています。

さらに元々最大500人までしか受け入れらないイベントでしたが,チケット販売閉め切った後も250人ぐらいの申し込みがあったということKwon-Hanが明らかにしていました。

企業の積極的な協賛の声が挙がっていることも後押しになるでしょうか,来年1,000人程度の参加者の大きいのPyCon KRを目指すと聞いています。そのときにはもっと国際的なイベントにしたいということなので,英語トラックも取り入れられるでしょう。

また2016年には,なんとPyCon APACの開催も意欲をみせていました! 来年1,000人の大きい規模のPyCon KRを開催できれば,少なくてもアジア・パシフィック地区の最大のPyConイベントになります。そうするとPyCon APACの開催の実現も見えてくるはずです。

韓国のPyConの発展がこれからも楽しみです!

著者プロフィール

イクバル・アバドゥラ

マレーシア出身東京在住。クラウド・コミュニケーションサービス提供する株式会社MARIMOREの代表取締役。一般社団法人PyCon JPの理事で,アジア・パシフィック地域の連携強化担当。その他,PyCon MY(マレーシア)の発起人で,2015年のPyCon MYの座長を務める。

Website:http://www.marimore.co.jp/ja/
Twitter:@iqbalabd