レポート

「技術ってすばらしい!」エンジニアがワクワクできるイベント~日本マイクロソフト,de:code 2015を開催

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2015年5月26,27日の2日間,日本マイクロソフト株式会社はエンジニアのための技術カンファレンス「de:code TechEd + //build/」を開催しました。ここでは初日に行われたキーノートの模様をお届けします。

エンジニアが活躍できるシーンにワクワクできるイベント

de:codeキーノートセッションのホストを務めるのは昨年に引き続き,日本マイクロソフト執行役デベロッパー エバンジェリズム統括本部長の伊藤かつら氏。

de:codeキーノートセッションのホストを務めた伊藤かつら氏

de:codeキーノートセッションのホストを務めた伊藤かつら氏

伊藤氏は冒頭でこの春に届けられた2つのメッセージを紹介しました。1つはポール・アレン氏のツイート,もう1つはビル・ゲイツ氏のメールです。

アレン氏・ゲイツ氏は皆さんもご存知の,Microsoftの共同創始者です。ポール氏は,Microsoftの最初のプロダクツがMicrosoft Basicであることを4月4日のツイートで紹介し,また,ビル氏は1975年4月4日から40年経った2015年4月4日(現地時間)に,全従業員に向けて会社設立当時の思いとともに40周年を記念したメッセージを送りました。

ビル・ゲイツ氏から全従業員に送られたメール

ビル・ゲイツ氏から全従業員に送られたメール

伊藤氏はこれらに触れたうえで「すべてのエンジニアたちを応援したい。それが今のMicrosoftのミッションです。そのために,Microsoftの次(未来)を,このイベントを通じてエンジニアに伝えます」とコメントし,de:codeの幕が上がりました。

モバイルファースト,クラウドファースト,イノベーションを支えるエンジニアに向けて

さっそく今のMicrosoft,次のMicrosoftを伝えるべく登場したのが,この7月から日本マイクロソフトの代表執行役社長に就任する現副社長の平野拓也氏。

「イノベーションの第一歩はエンジニアから。エンジニアの支援を私たちが行います」と力強く述べた平野氏

「イノベーションの第一歩はエンジニアから。エンジニアの支援を私たちが行います」と力強く述べた平野氏

平野氏は,IT業界では伝統よりも革新とイノベーションが重要であるとしたうえで,現在のMicrosoftが掲げる「モバイルファースト・クラウドファースト」戦略について改めて説明し,今後,モビリティ,クラウドの世界でリーダーを目指すとコメントし,そのためにはエンジニアの支援を積極的に行うことを誓いました。

Microsoft Azureとクラウド

続いて,米Microsoftから,Microsoft Azureの責任者でもあるJason Zander氏が登場。

Microsoft Azure責任者でもある,米Microsoft Corporate VP of the Microsoft Azure team in the Cloud &Enterprise groupのJason Zander氏

Microsoft Azure責任者でもある,米Microsoft Corporate VP of the Microsoft Azure team in the Clou

まず,Microsoftがここ数年掲げている「モバイルファースト・クラウドファースト」について改めて説明し,たとえば, Cortanaはこの2つのコンセプトを具現化したものの1つであり,⁠このようなクラウドの世界をもっと実現していきたい」と,同社が考える技術とソリューション,ユーザに向けたサービスの方向性について説明しました。

そして,平野氏と同じく,イノベーションの必要性を説くとともに,そのベースとなるIT,技術の重要性について,Microsoftが持つ技術とそれが生み出したイノベーションの関係について見解を述べました。

クラウドとビッグデータが変革を起こした自動車業界:トヨタのConnected Car

Microsoftが考えるクラウドだけではなく,実際にIT以外の分野でもクラウドの活用が進んでいる事例として登場したのが,トヨタのConnected Carです。

ステージに登場したトヨタ株式会社CIO 友山茂樹氏は,⁠なぜ製造業のトヨタがそんなシステム屋みたいなことをしなければいけないのか」というテーマで,これまでのトヨタのクラウドおよびビッグデータへの取り組みを説明しました。

トヨタ自動車株式会社CIO 友山茂樹氏は「なぜ製造業のトヨタがシステム屋のようなところに手を出したのか」を,自身の経験と併せて紹介し,クラウドとビッグデータの効果,それを体現したConnected Carについてアツく語った

トヨタ自動車株式会社CIO 友山茂樹氏は「なぜ製造業のトヨタがシステム屋のようなところに手を出したのか」を,自身の経験と併せて紹介し,クラウドとビッグデータの効果,それを体現したConnected Carについてアツく語った

友山氏がプロジェクトを提案した当時は,ほかの役員からは否定的な声が多かったっとのこと。しかし,友山氏は「これからの自動車の付加価値はハードウェアだけではない」と信じ,ソフトウェアへの注力,そして,今で言うビッグデータを活用するためのプランを掲げ,国内初の車載通信端末搭載車発表に至り,自動車メーカとしては初めて,ビッグデータを商用化したとのこと。

その後については,多くの方もご存知のとおり,多くのITカーが誕生し,今では車載端末とクラウドがつながり,つねに最新のデータ収集・分析が行え,その先にあるサービス提供ができる世界になりました。

キーノート中の会場近辺のConnected Carのリアルタイム表示。どの車がどのくらいのスピードを出しているかまでわかる

キーノート中の会場近辺のConnected Carのリアルタイム表示。どの車がどのくらいのスピードを出しているかまでわかる

プレゼン中には,実際にその時間帯に動いているITカーの様子が画面に映し出されるなど,まさにクラウドと車がつながっている事例を目の当たりにすることができました。友山氏は最後に「CIOとして心がけているのは⁠俺たちが会社を変える。ITドリブン⁠という思いと考えです」と,ITがもたらす可能性を信じ,これからも変革を起こしていきたいとコメントし,締め括りました。

Microsft Azureの特徴

再びJason氏が登壇し,クラウドプラットフォームの5つのポイント,そして,Microsoft Azureの3つの特徴を紹介しました。

まず,Jason氏は,クラウドプラットフォームの5つのポイントとして,

  • データセンター革新
  • データインサイト
  • エンタープライズモビリティ
  • IoTの活用
  • アプリケーションの革新

を挙げました。これらを支えるためにクラウドが必要となるということです。そして,Microsoft Azureでは次の3つの特徴で,これらのポイントを実現することを紹介しました。

  • スケール
  • エンタープライズ対応
  • ハイブリッド

まず,スケールに関して,現在Microsoft Azureでは19の地域にデータセンターを設置しており,今後も増えていく予定とのこと。これにより,スケーラビリティの確保を実現していくそう。加えて,A/D/Gの3シリーズのバーチャルマシンを用意することで,利用シーンに応じた使い分けを可能にします。その他「Azure Data Lake service」についても紹介されました。

2番目のエンタープライズは,現在最もニーズが高まっているもので,Microsoftとしても大きな投資をしている部分とのこと。たとえば,ISO/IEC 27001やSOC 1/2をはじめ,世界標準でコンプライアンス順守に取り組んでいます。

そして,利便性の面で必要となるハイブリッドについては,ユーザ自身が今持っているアセットをフルに活用できることをサポートすることに注力しており,オンプレミス/パブリッククラウドの融合をシームレスに実現できる技術開発を進めているそうです。

ここで,テクニカル・エバンジェリストの安納順一氏が登場し,Microsoft Operatioons Management Suite(OMS)の実演デモを行いました。これにより,ハイブリッドクラウドの可視化を促進し,一元管理を簡易化できるというもの。OMSに集約することが,ハイブリッドクラウドの運用パフォーマンスを高められるというわけです。

真の意味でのハイブリッドクラウドに対応したMicrosoft Operatioons Management Suite(OMS)の実行画面。環境に依存しない運用監視が行える

真の意味でのハイブリッドクラウドに対応したMicrosoft Operatioons Management Suite(OMS)の実行画面。環境に依存しない運用監視が行える

こうして濃厚なキーノートの前半が終了しました。ここで一旦ブレイクが入り,高橋忍氏と同じく安納順一氏が登場し,Power BIのデモを交えたパフォーマンスが行われました。

ブレイクタイムに登場した日本マイクロソフト高橋忍氏と安納順一氏。次に登場するGiorgio Sardo氏の呼びかけを来場者に促し,その声量をPower BIで可視化するデモを行った

ブレイクタイムに登場した日本マイクロソフト高橋忍氏と安納 順一氏。次に登場するGiorgio Sardo氏の呼びかけを来場者に促し,その声量をPower BIで可視化するデモを行った

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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