レポート

「NEXT」に向かって~メルカリを支える技術を大公開――Mercari Tech Conf 2017開催

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ビジネスの成長に合わせた組織の変化

続いて登場したのは,VP of Engineeringの柄沢聡太郎氏。鶴岡氏のプレゼンテーションを受けて,ビジネス拡大に伴う組織拡大・変化に関する取り組みと実績,これからについて発表を行いました。

VP of Engineeringの柄沢聡太郎氏

VP of Engineeringの柄沢聡太郎氏

⁠この2年間,メルカリは非常に急速にビジネスも組織も拡大しました。その中で,どのように組織変革に取り組んできたのか,組織の広げ方についてご紹介します」と冒頭で述べ,順を追って説明をはじめました。

まず,大きな転換期としては,2014年のサンフランシスコ(US)⁠2017年のロンドン(UK)という2つの海外リージョンを開設したことを挙げ,それとともに,メルカリ(アプリ)の断続的なUX改善,戦略的な地域拡大,プラットフォームの拡張(アッテ,カウル,メゾンズ)など,複数の課題に取り組んできたそう。 この間,エンジニアの数は2015年9月に25名,2017年9月は120名を超える規模になっており,最近ではとくにマシンラーニング専属のエンジニアや,SET(Software Engineer in Test)と呼ばれるテスト専任のエンジニアの割合が増えているとのこと。

そして,⁠変化を続ける組織」という観点から3つのトピックを紹介しました。

  1. Souzoh(ソウゾウ)
  2. US Growth(アメリカでの成長)
  3. Client Source Code Fork(クライアントソースコードのフォーク)

です。

1つ目のソウゾウ,これは新規事業を開発・運営する子会社です。⁠ソウゾウの誕生により,新しいCtoC,領域特化メルカリの拡張が進んでいます」とその成果を紹介し,そのポイントとして「小さな組織と権限委譲」⁠まったく新しい挑戦」⁠プラットフォーム化」を取り上げました。

2つ目のアメリカでの成長については,このあとの名村卓氏からより詳しく説明されるとしたうえで,まず日本から全力で取り組み,開発リソースも日本中心で行い,今後の事業拡大に応じて現地化を進めていく予定だそうです。

最後のクライントソースコードのフォークは,まさに,2つ目にも関わるもので,元々日本市場向けに開発していたメルカリアプリは1ソースマルチバイナリで開発を進めていた一方で,リージョンが増え,リージョンごとの事業拡大とともにニーズの多様化が進み,現在はリージョンごとにソースコードのフォークも検討・進行しているとのこと。 1つ目の「小さな組織と権限委譲」を体現する戦略を採用していると言えます。

SREやQA/SETなど,横断的なエンジニアチームの存在もメルカリのプロジェクトを支える大きな役割を果たしている

SREやQA/SETなど,横断的なエンジニアチームの存在もメルカリのプロジェクトを支える大きな役割を果たしている

メルカリのプロジェクトチームはリージョンごとに構築されているが,SREやQA/SETなどのエンジニアはリージョンを横断的に担当している

メルカリのプロジェクトチームはリージョンごとに構築されているが,SREやQA/SETなどのエンジニアはリージョンを横断的に担当している

そして,メルカリの行動規範である「Go Bold, All for One, Be Professional」を紹介し※,これこそがメルカリのVALUEであり,エンジニアにももちろん当てはまるものであり,このポリシーに則りながら「さらなる成長を目指していきたい」とコメントし,この行動規範とともに)これからのメルカリが目指すもの・技術戦略,それは"Scalabe and Elastic"です」と締め括り,最後の名村氏へバトンタッチしました。

※:メルカリの行動規範については柄沢氏への2016年5月のインタビュー記事Go Bold,All for One,Be Professional――メルカリが掲げるVALUEを実現するエンジニアリングとエンジニアたち 株式会社メルカリ執行役員CTO 柄沢聡太郎氏に訊くも併せてご覧ください。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

Twitte ID:tomihisa(http://twitter.com/tomihisa/

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