レポート

中国のMakerブーム事情~規模の大きさとハードウェアのレベルの高さが目立つ「Maker Faire Shenzhen」

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1.5 分

日本からの出展も増加傾向

ユニークなところでは,デジタル版射的屋台のようなシューティングゲームができる移動式トラックというのもありました。支払いもWeChat PayやAlipayなど,スマホアプリでQRコードを読み取って支払うオンラインサービスを利用します。深センでは普通のお店はもちろん,屋台でもスマホアプリを使って支払います。

画像

宇宙空間での睡眠をサポートする寝袋スーツ「SUITS DRAMZ」は,センサーを使って適度な寝返りをサポートすることができ,マグネットでカラダを固定することもできるそうです。

画像

個人的に気になったのは,香港のスタートアップが開発しているウェアラブルグラスMAD Gazeの最新バージョン。

画像

機能は法人向けに販売を今年復活したGoogle Glass 2.0(と呼ばれている)とほぼ同じで,やはり好きな眼鏡にアタッチメントできるのが特徴です。会場ではなぜか「Pi-sen Bord(パイ専ボード)⁠を扱う日本ブースにて,スタイリッシュな眼鏡ブランドで人気のあるFACTORY900とのコラボで展示されていました。いよいよ来年には日本での販売も予定されているそうです。

日本からの出展ブースもあり,メイカーズのエコシステムの著者で,深センのメイカーズ事情に詳しい高須正和さんによると,イベントの参加者も含めてその数は増加傾向にあるのだとか。

今回は,電子工作モジュールの販売で知られるスイッチサイエンス(写真左上)⁠木製プログラミングロボットPETS(写真右上)⁠Maker Faire Tokyoで3Dプリンターとレーザー加工機で作った潜水ヘルメットからシャボン玉が飛び出す作品を展示したのがきっかけで今回招待されたというお台場ダイバーズ(写真左下)⁠DIY女子高生まんが「ホームセンターてんこ」を執筆されているまんが家とだ勝之さん(写真右下)以外にも,いろいろなブースが出展されていました。

画像 画像

画像 画像

来場者の多数は若い世代と家族連れ

会場には土日の2日間訪れましたが,深センは中国の中では比較的若い世代の人口が多いことと週末というのもあり,両日とも来場者は若い学生っぽい人たちや家族連ればかりという印象でした。子供の教育向けキットのブースも多く,子ども向けの体験型イベントもたくさんありましたが,日本で開催されているMaker Faire に比べると,これはすごい! という展示にはあまり出会えず,VRやAR,ゲームなどのコンテンツがらみの作品も少なかったような気がします。

画像 画像

アイデアやデザインでは目新しさを感じる展示が少なかったものの,ハードウェアの完成度は全体的に高めで,CESなどの展示会で見かけるプロトタイプレベルぐらいの作品がごろごろありました。そこは,世界最大の電気街で大手メーカ製品で使われているパーツが安く簡単に手に入る環境ならでは。もしかしたらあまりにもメイカーズが日常的過ぎて,イベントならではの手作り感が薄れているのかもしれません。

いずれにしても,昨年は10万人近い来場者が訪れており,今年も最寄りの駅の構内にいくつも広告サインが並ぶほど力の入った人気イベントであることは間違いありません。日本のMaker Faire との違いを強く感じる,深センらしいイベントでありました。

著者プロフィール

野々下裕子(ののしたゆうこ)

フリーランスジャーナリスト。大阪のマーケティング会社勤務を経て独立。主にデジタル業界を中心に国内外イベント取材やインタビュー記事の執筆を行うほか,本の企画編集や執筆なども手掛ける。掲載媒体は「@DIME」「CNET Japan」「WIRED Japan」などのほか,著書に『ロンドンオリンピックでソーシャルメディアはどう使われたのか』などがある。

Twitter:@younos

バックナンバー

2017年

  • 中国のMakerブーム事情~規模の大きさとハードウェアのレベルの高さが目立つ「Maker Faire Shenzhen」

バックナンバー一覧

コメント

コメントの記入