3D立体写真で見る宇宙

Part.2 画像処理で星座を3Dにする

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「織姫星までは25光年,牽牛星までは16光年,いずれも地球の近くにあるからあんなに明るく見えるんだよ。」

梅雨の晴れ間に輝く七夕の星を見ながら,こんな風に宇宙空間を空想したことのある人も,もしかしたらいるかもしれません。でもこの空想を目で実際に味わうことができたらどうでしょう!ちょっと楽しいと思いませんか?

一枚の星座写真を画像処理することによって,3D立体星座写真を作ることは可能です。星までの距離を一つずつ調べ,その星を所定の量だけ左右に移動すればいいだけなのです。極めて単純な作業を積み重ねさえすれば,宇宙空間をこの目で味わえる3D写真を作れるのです。今月はその3D処理の基本と3D立体星座写真の作例を紹介しましょう。

3D処理の基本

  • (A)星の距離を調査する。
  • (B)距離に反比例したピクセル数だけ星を移動し(平行法の立体写真の場合,左目用写真では右に移動させる),切り取られた部分を周囲の夜空の色でスポッティングする。
  • (C)スポッティング後,一緒に移動してしまった周辺の星を元の位置に戻す。
  • (D)B,Cと同じ処理を右目用写真でも行う(移動方向は左目用写真の逆)。
  • (E)A~Dの処理を写真内にある距離を調査した星全てに対して行う。

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1.こと座・はくちょう座・こぎつね座

上の星座がこと座で明るい星は織姫星。下の星座がはくちょう座で白鳥の尻尾にある1等星がデネブ。デネブは遠くにあるにもかかわらず明るく,実際に激しくエネルギーを放射している星だということがよくわかります。はくちょう座の右に見えるのはこぎつね座。

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2.わし座・や座

真ん中の大きい星座がわし座。その上に見える小さい星座がや座。手前に飛び出て見える明るい星が牽牛星。地球の近くにあるため明るく見えることがわかります。

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数光年もの距離を移動できない人類では撮影不可能な星座の3D立体写真も,このように単純な作業を積み重ねるだけで創作することができるのです。

それでは,はるか遠方にある星雲や星団,銀河のような天体の3D立体写真を作ることはできないでしょうか?

著者プロフィール

伊中明(いなか あきら)

1957年横浜生まれ。天体アーティスト。1996年9月、画像処理による3D天体写真を初めて発表。創作・執筆活動と並行しながら、「星のホームページ」を運営している。

著書

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