前回は,
今回はその波動を紹介しながら,
発端
これは本書
『大学院に進学して理学部物理学科の講義を聴講したとき,
ヨーロッパに展開された物理学の歴史が熾烈なものだったことを知った。相対性理論も聞いたが, プラズマ中の波動を調べるための実験装置を製作する傍らで到底理解できるような科目ではなく不満足感が残った。』
このように筆者は,
波の2つの速度
私たちの周辺にはさまざまの種類の波動があります。いろいろな波動の中で,
線路の場合には,
地震も波動の一種で,
海岸に押し寄せる大きな波は,
昔から打ち寄せる波という表現はあるのですが,
図1を見てください。筆者が研究していた蛍光灯のようなガラス管に閉じ込められたプラズマ中の移動縞と呼ばれる波動です。この波動も,
- 一方向にしか伝播しない
- 遠方から発信源に向かって進行する
日常的な体験では,
何かが根本的に違うはずです。それは,
波動にはエネルギーが伴いますから,
移動縞をシミュレーションさせるための,
- ※1)
- 「実行」
ボタンを押すと波動が見えます。波型が, 発振源から陽極に向かうのに対して, 縞模様は陽極側から発信源に移動します。それぞれの進行(移動) 速度は, 同じです。しばらくすると消えますが, 停止ボタンにチェックを入れると止まります。もう一度クリックするとチェックは消えます。縞の密度を適当な大きさにしてから, チェックを消して 「実行」 ボタンを押すと, また移動縞が現われます。波の密度は, 例えば 「2」 とすると, 大きなうねりの中に縞が2つ発生します。
ところが,
実をいうと,
- 位相の進行速度を位相速度と呼びます。
- 波束(塊,
群)の速度を群速度と呼びます。
移動縞は,