小型Linuxサーバの最高峰 OpenBlockS 600活用指南

第4回 ルータにもなる自宅サーバをOpenBlockSで構築してみませんか(Part2)

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パフォーマンスの測定

動作環境の設定が済んだところで,静的なHTMLファイル,LAMP,Ruby on Railsでの毎秒に処理したリクエスト数を,Apacheに付属のベンチマークソフト Apache Benchを使用して測定してみました(図3⁠⁠。比較対象としてIAサーバでの測定も行っています(表1⁠⁠。

結果はご覧のとおり,前回のネットワーク性能の比較のときのようにはパフォーマンスが出ず,IAサーバに大きく水をあけられる結果となりました。しかし,数字的には大きな差が出ていますが,静的コンテンツの配信用途には,十分に実用的な性能と言えるでしょう。1秒あたり238リクエスト,1分あたり14,280リクエストを処理できており,1ページのファイル数が50あったと想定して,毎分およそ286クライアントからの接続を処理可能です。

またLAMPやRailsに関しては,ベンチマーク結果ではRailsが勝っていますが,体感的はLAMPのほうが全体的にスムーズに使える印象です。Railsの場合は,初回アクセスは待たされることもありますが,キャッシュ機構が働いている操作は非常にスムーズです。アプリケーションの場合は作り込み次第でベンチマーク結果が変わってきますので,個人やオフィス内の小規模なサーバであれば十分に活用頂けるかと思います。

以上のとおり,今回のパフォーマンス測定では,アプリケーションサーバとしての性能面では,IAサーバには敵わないことを確認できたのと同時に,使い方次第では十分な性能が出ることも,よくお伝えできたかと思います(なお今回の評価データは,開発段階のOS環境下での値であり,出荷時点での結果とは異なる場合があります⁠⁠。

図3 スループットの測定

図3 スループットの測定

表1 測定結果(単位:リクエスト/秒)

 OpenBlockS 600IAサーバ
静的HTML238.613292.71
LAMP(MODx)4.3522.80
Rails(Radiant w/thin)7.08288.044

Column「OpenBlockS 600の秘密」

OpenBlockSシリーズは初期のモデルのころより,壊れにくさを追求し,ファンレス・駆動部品ゼロなどを基本的なコンセプトとして開発されてきました。

最新モデルのOpenBlockS 600では,そのコンセプトをさらに徹底しています。

前のバージョン,OpenBlockS 266では図Aに示すとおり,①メインボード,②コンパクトフラッシュ用の変換ボード,③2枚のボードを接続するジョイントボード,の計3枚で構成されていました。

図A OpenBlockS 266の内部構成

図A OpenBlockS 266の内部構成

新製品のOpenBlockS 600では,従来のような複数枚の基板を組み合わせて使用するのではなく,すべての機能を1枚の基板上に収めることで,コネクタの接点不良の可能性も未然に防いでいます図B⁠。

また,壊れにくさへの追求は,これだけにとどまりません。OpenBlockSシリーズは,数年間に渡って使い続けられることが多く,長期間の使用では不安材料になってしまうケミカルコンデンサは一切使用せず,全て固形コンデンサを採用/搭載しています。

他にもケースカバーには,Ethernetやコンソールなどの必要最小限のポート以外に開口部を設けていないことも重要なポイントです。小さく壊れにくいため,床下や配電盤の中など,あまり環境が良いとは言えない場所で使われることも多くありますが,ケース内がきれいに保たれているため,ホコリの付着やそれに伴うサビの発生なども抑えられています。

小型でLinuxの動作するハードウェアは多数ありますが,OpenBlockSは壊れにくさという観点から小型パソコンでは担うことができない役割を持ったサーバとして,さまざまな用途・場所で利用されています。

図B OpenBlockS 600は1枚のボードに機能を集約

図B OpenBlockS 600は1枚のボードに機能を集約