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第5回 いつもおそばにFreeBSD~携帯デバイスにインストールしよう~

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[おまけ]携帯電話でFreeBSDを起動する

ハードディスク上のFreeBSDを呼び出すために使ったメモリはMicro SDカードなので,携帯電話機「FOMA P-01A」にFreeBSDの入ったMicro SDを差し込んでPCにつなぐとどうなるのだろうか? と思って試してみた。結果は驚くなかれ,⁠普通にFreeBSDのファイルシステムとしてマウント利用可能」なだけでなく,⁠携帯電話機(のMicroSD)を接続したコンピュータで,携帯電話機(のMicroSD)からFreeBSDが起動できてしまうのである。

FOMAは「メニュー⁠⁠→⁠設定⁠⁠→⁠その他⁠⁠→⁠USBモード設定」で,⁠microSDモード」にしておくと,FreeBSDに接続したときに「da0」デバイスとして認識してくれる。

umass0:  on uhub3
da0 at umass-sim0 bus 0 target 0 lun 0
da0:  Removable Direct Access SCSI-4 device 
da0: 1.000MB/s transfers
da0: 3780MB (7741440 512 byte sectors: 255H 63S/T 481C)

この状態でFreeBSDを再起動すると,FOMA接続のMicroSDからFreeBSDが起動してくれる。さらに,前章で紹介した「USB HDDとのタンデム起動」にもばっちり成功した。

 FOMAでFreeBSD。これがホントの「携帯でFreeBSD」

図10 FOMAでFreeBSD。これがホントの「携帯でFreeBSD」

図11 ⁠FOMAで金(星⁠⁠」と喜ぶ筆者(撮影協力: 天川修平氏)

図11 「FOMAで金(星)」と喜ぶ筆者(撮影協力: 天川修平氏)

おわりに

今,出張先のアメリカは真夜中である。今回で22回目を数えるIEEE International Conference on Microelectronic Test Structuresの委員として,ロサンゼルス近郊のOxnardという町に出張に来ているのだが,スカイライナーや空港のラウンジ,飛行機の中に至る移動時間をフル活用して,さまざまなデバイスにインストールを行ってみた。途中,熱による?暴走やハードディスク非認識の問題に悩まされながらも,本記事で紹介したような,ある程度まとまった形の「結果」を出すことができた。

普通,MicroSDカードにFreeBSDをインストールしようなんてクレイジーなことはあまり考えないわけで,ふと思いついたアイディアを手軽に試せて,これが意外に新しい実用性にむすびつくかもしれないといった発展をたどるのは,FreeBSDならではと言えよう。

活用方法も知恵次第で無限である。たとえばチューンナップしたFreeBSD携帯環境を用意して,困っている新人君,ハートを射止めたいあの人にプレゼントすると喜ばれるかもしれないし,MicroSDカードのフォーマットを工夫して,前半3.2GバイトをFAT(Windowsでフォーマットする⁠⁠,残り512MバイトにFreeBSDをインストールして,BootMgrを入れることで,普段は携帯電話機でSDカードとして使いつつ,イザというときにはパソコンにつないで「ディスクまるごとバックアップ」といったシステムオペレーションをしてヒーローになる,といったことも可能かもしれない。

無限の可能性を秘めたFreeBSDの世界へ,ようこそ。

著者プロフィール

三田吉郎(みたよしお)

東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻准教授。講義「電気磁気学」「わかる電子回路」やマイクロマシン研究の傍ら,FreeBSDの普及,開発に尽力する。FreeBSD ports committer。国際派を自任し,2007~8年9月までフランス国立情報学研究所(INRIA)招聘教授。共著書に「FreeBSD徹底入門」(翔泳社),「FreeBSD Expert」など。