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第9回 Cisco IOSの選び方

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バージョン15.0以降

では,最新の15.0の話に移ります。

バージョン表記は「15.0(1)M1」のようになります。

  • 15.0がバージョン番号です。
  • カッコ内の数字が機能リリース番号で,機能が追加されると数字がカウントアップされます。
  • 次の"M"は長期メンテナンス版であることを示しており,バグ修正などのサポートが44ヵ月間提供されます。
  • "M"のところが"T"の場合は標準メンテナンス版であることを意味し,サポート期間は18ヵ月となります。
  • 最後の数字はリビルド番号であり,機能は追加せずにバグ修正などを行った場合にカウントアップされていきます。

そして,当面は以下のような順番でリリースされることがアナウンスされています。

図1

つまり,最新の機能が必要でない一般的なユーザ向けのIOSは,15.0(1)M → 15.1(5)M → 15.2(x)M → 15.3(x)M と機能追加されていき,それぞれ44ヵ月間の長期サポートが約束されます。この長期サポート版は,だいたい20ヵ月ごとに新バージョンがリリースされるとのことです。そして,次の"M"を待てないユーザは,一時的に標準サポート版の"T"を使ってください,ということです。

したがって,今後のIOS選びは,顧客が必要とする機能条件を満たすバージョンで,もっともリビルド数の多い"M"を選択するのが基本となります。

たとえば,15.0(1)Mで機能要件を満たすなら…

  • 15.0(1)Mの最新版(リビルド数が最も多いもの)を選べばよい。

15.1(1)Tで新たに実装された機能を使う必要がある場合は…

  • 当面は15.1(1)Tの最新版(リビルド数が最も多いもの)を選ぶ。
  • 15.1(5)Mが出た時点で,"M"への移行をお勧めする。

という考え方になります。以前と比べ,ずいぶんわかりやすくなりましたね。

また,ここまで読んでいただくと,15.0のリリース方針は12.4Tのスキームを発展させたものであることがわかると思います。

前述のとおり,12.4Tの中にも安定志向のバージョンとそうでないものがあったのですが,外部の人間には判断がつきませんでした。

そこで15.0では,"M"と"T"で明確に区別したと考えられます。

そして,この方法をとることによって,12.4までのメイントレインに相当する長期サポートのバージョンも,一本化してわかりやすくした,ということでしょう。

著者プロフィール

高木圭一(たかぎけいいち)

ネットワーク業界でSEとして22年間の業務を経験した後,現在は独立。IPイノベーションズの専属コンサルタント・インストラクターとして活躍中。ネットワークを活用した新しいライフスタイルを確立し,浸透させることを目標として活動中であり,栃木県に在住。

  • 1986年 富士通ネットワークエンジニアリング(現FNETS)入社
  • 2000年 シスコシステムズへ転職
  • 2007年 独立・IPイノベーションズ専属コンサルタント・インストラクター

URLhttp://www.gogonetpro.com/