WebエンジニアにとってのIoT ~Physical Webが拓く未来~

第5回(最終回) Physical Webの応用と課題

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Physical Webの今後について

実用化のメドは?

さて,エンジニアの皆さんにとって一番気になるのは,⁠それで結局いつになったらこの技術を実用できるのか」というところだと思います。

Physical Web関連の標準化が進み,その恩恵を受けられるようになるには,少し時間がかかりそうではあります。しかし,iBeaconが要求されるような案件において,やりたいことがシンプルな情報配信であるならば,実はもうUriBeaconだけ部分的に採用してしまって良いのではないかと個人的には考えています。

URLではなくUUIDをビーコンにセットし,iBeaconのProximityUUIDの代わりとするか,あるいはURLを使い,そのドメインをチェックすることで自社のURLだけ通すようにしてしまえば独自アプリを作ることも可能です。

UriBeaconの仕様は単一機能のためシンプルで安定していて,今後変更されにくいと思われます。すでに海外ではビーコンの販売サイトも出てきて,UriBeaconコミュニティの公式Twitterアカウント自体が宣伝していたりします。

iBeaconでもUriBeaconでもどちらでも成り立つ案件であれば,UriBeaconを利用しておけば,キラーアプリケーションとなるPhysical Webの標準ブラウザのようなものが登場したとしても,そのままビーコンを利用した情報配信を継続できる可能性もあります。

今のうちから使えるところは使いつつ,次の展開があったときに即座に動けるようにしておく,あるいはさらにコミュニティへのフィードバックを行ったり,自らがキラーアプリケーションとなるサービスを取りに行く言うようなチャレンジをしたりするのも面白いのではないでしょうか。

最後に

5回に渡ってPhysical Webの紹介をさせていただきました。2015年3月の連載開始タイミングでは業界内であまり取り上げられていませんでしたが,2015年4月に入ってから状況が変わりつつあります。

4月9日に六本木ヒルズで行われた,Google Developer Summit 2015のセッションの中でもPhysical Webについて軽く紹介がされました。そのあたりのタイミングから徐々に海外などの記事も増えてきて,少しずつ注目を集め始めています。

5月末に行われるGoogle I/Oや,それ以降の続報に注目したいところです。今後の動向も是非チェックしてみてください。

著者プロフィール

加藤亮(かとうりょう)

ソフトウェアエンジニア。

比較的プロトコルとフロントエンド寄り。

2014年7月よりリクルートテクノロジーズアドバンスドテクノロジーラボ所属。