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第49回 NetBookを使いこなす(1):USBメモリからのインストール・RTL8187SEの利用

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Cartina UMの無線LAN(RTL8187SE)を使う

Ubuntu 8.10のインストールが完了すると,無線LAN以外のハードウェアを正常に認識する状態になっているはずです。ここからはこの無線LANを動作させるための作業を行いましょう。

まず,Cartina UMの内蔵無線LANはRealtek RTL8187SEというチップが利用されています注4⁠。これはlshwコマンドを用いることで確認できます。

$ sudo lshw | grep product
    product: QBOOK        
       product: QBOOK
          product: Intel(R) Atom(TM) CPU N270   @ 1.60GHz
             product: PartNum0
          product: Mobile 945GME Express Memory Controller Hub
             product: Mobile 945GME Express Integrated Graphics Controller
             product: Mobile 945GM/GMS/GME, 943/940GML Express Integrated Graphics Controller
             product: 82801G (ICH7 Family) High Definition Audio Controller
             product: 82801G (ICH7 Family) PCI Express Port 1
             product: 82801G (ICH7 Family) PCI Express Port 2
                product: RTL8187SE Wireless LAN Controller
             product: 82801G (ICH7 Family) PCI Express Port 3
                product: RTL8101E/RTL8102E PCI Express Fast Ethernet controller
                (以下略)

このチップはUbuntu 8.10をそのままインストールしただけでは動作するドライバがなく,何らかの方法でドライバを準備しなければなりません。Windows用のNDISドライバを利用する方法でも良いのですし,検索エンジンを用いればコンパイル済みのドライバを配布しているサイトも見つかりますが,今回は「Debianで準備されているソースパッケージを流用し,利用できるドライバを作る」という方法で動作させてみましょう。

Debianにはrtl8187se-sourceというパッケージが準備されており,これを利用することでRTL8187SEを動作させることができます。

第16回で紹介したように,UbuntuはDebianをベースにしていますので,パッケージをビルドしなおすことで流用することができます注5⁠。第16回で紹介したように,まずビルドに最低限必要なパッケージを導入します。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install fakeroot build-essential dpkg-dev devscripts

/etc/apt/sources.listに以下を追加します。

# Debian packages
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian unstable main contrib

以下の作業にはインターネットに接続された環境が必要です。有線ネットワークを用いてインターネットに接続した状態で,検証用の公開鍵を取得し,dbを更新します。

$ gpg --recv-key --keyserver wwwkeys.eu.pgp.net C4C7264B
$ gpg --export C4C7264B | sudo apt-key add - 
$ sudo apt-get update

これでrtl8187se-sourceをビルドしなおすための準備が整いました。以下のように操作して,パッケージを作成します。

$ sudo apt-get build-dep rtl8187se-source
$ mkdir -p ~/src/rtl8187se
$ cd ~/src/rtl8187se
$ sudo atp-get source --compile rtl8187se-source

~/src/直下にrtl8187se-sourceパッケージ(rtl8187se-source_1023.0928.2008_all.deb)が作成されるはずです。⁠場所]からホームディレクトリを開き,srcディレクトリにあるrtl8187se-sourceパッケージをダブルクリックして,gdebiを用いてインストールします。

注4)
MSI社のNetBookであるMSI Wind NetBook U100の11b/gモデルなどにも同じチップが搭載されているようです。筆者は実機を入手して確認できていませんが,おそらく同じ手順を用いることで利用することができるでしょう。
注5)
このパッケージはソースパッケージなので(archがallなので)本来はビルドしなおす必要はなく,直接パッケージをダウンロードしてインストールしても良いのですが,アーキテクチャを見て判断する面倒を避けるため(誤ってバイナリパッケージをインストールしてしまう事態を避けるため⁠⁠,あえてリビルドをかけています。

m-aによるインストール

rtl8187se-sourceパッケージはその名の通り,RTL8187SEのドライバの「ソース」パッケージです。利用するためにはmodule-assistant(m-a)を用いてビルドする必要があります。

以下のコマンドでautoinstall(a-i)が実行され,必要なモジュールのビルド・パッケージング・インストールが行われます。

$ sudo m-a a-i rtl8187se

あとはOSを再起動すれば無線LANが利用できるようになっているでしょう。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。