Ubuntu Weekly Recipe

第133回 夏休み特別企画・夢の仰向けUbuntu生活

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キーボードとポインティングデバイス

寝転んだ状態でPCを使うとなると,入力機器をどこに置くかが問題になります。腕を自然に降ろした状態で,キー入力とポインタ操作をできるようにしなければ快適な環境とは言えません。そこで選んだのが,ThinkPad USB トラックポイントキーボード(英語)です。日本語配列のモデルもあります。

これを下腹におけば,寝転んだままでも腕や肩に負担をかけることなくキー入力とポインタ操作が可能です。

図6 下腹から股間の上に置くと打ちやすい

図6 下腹から股間の上に置くと打ちやすい

このキーボードにはトラックポイントというポインティングデバイスが付いています。Windowsの場合,中ボタンを押しながらトラックポイントを操作することで画面をスクロールさせることができますが,Ubuntuでこの操作を実現するには設定が必要です。

Ubuntu 10.04 LTSの場合,以下の内容で/usr/lib/X11/xorg.conf.d/20-thinkpad.confを作成し,ログインしなおします。

Section "InputClass"
    Identifier "Trackpoint Wheel Emulation"
    MatchProduct "TrackPoint"
    MatchDevicePath "/dev/input/event*"
    Driver "evdev"
    Option "EmulateWheel" "true"
    Option "EmulateWheelButton" "2"
    Option "Emulate3Buttons" "false"
    Option "XAxisMapping" "6 7"
    Option "YAxisMapping" "4 5"
EndSection

9.04および9.10の場合は,以下の内容で/etc/hal/fdi/policy/mouse-wheel.fdiを作成して再起動します。

<match key="info.product" string="TPPS/2 IBM TrackPoint">
 <merge key="input.x11_options.EmulateWheel" type="string">true</merge>
 <merge key="input.x11_options.EmulateWheelButton" type="string">2</merge>
 <merge key="input.x11_options.XAxisMapping" type="string">6 7</merge>
 <merge key="input.x11_options.YAxisMapping" type="string">4 5</merge>
 <merge key="input.x11_options.ZAxisMapping" type="string">4 5</merge>
 <merge key="input.x11_options.Emulate3Buttons" type="string">true</merge>
</match>

中立姿勢

これで概ね快適な環境が整ったのですが,腰痛や神経痛の場合,平らな布団に寝転ぶよりも脚を少し高くした「中立姿勢」をとると痛みが和らぎます。そこで,この姿勢をとることができる座椅子を追加で購入し,布団の代わりに使用することにしました。

図7 高い部分に脚を乗せて寝転ぶと,ロケットで打ち上げられる宇宙飛行士のような姿勢になる

図7 高い部分に脚を乗せて寝転ぶと,ロケットで打ち上げられる宇宙飛行士のような姿勢になる

これで,ひとまずは満足いく環境が整いました。

仰向け,最高!

仰向けでPCを使うのは非常に快適です。なぜ今まで座っていたんだろうという気になってきます。頻繁に立ち上がる必要があるときや,紙に文字を書く必要があるときには適しませんが,私の場合はPCに向かい続ける時間が長いですし,この記事をお読みの皆さんにもそういった方は多いでしょう。

椎間板ヘルニアになりやすいのは,一日中座り続ける仕事をしている人だそうです。ならば社員の健康のために,仰向けで仕事をするオフィスがあってもいいように思います。IT業界ならばペーパーレスになってきているでしょうし,コミュニケーションはメールやチャットで済ませればいいため,机に座らなくても支障は少ないでしょう(訪問者の信用を失いかねないという大きな問題はあるかもしれませんが)⁠

この仰向けUbuntu環境,今後はモニターを増やしたいと考えています。この環境を作る前は机に3枚のモニターを載せていたので,頭部を取り囲むように左右に2枚追加するつもりです。

さらに,頻繁に使うものはすべて布団干しに据え付けるつもりです。携帯電話,デジカメ,各種リモコン,各種充電器,電源タップ,ペン,メモ用紙,ハサミ,定規,カップホルダ,スピーカ,ヘッドホン,読みかけの本や雑誌,目薬,鏡,ティッシュ,鼻毛切りなどを布団干しに吊るすなり置き場を作るなりすれば,起き上がる必要を減らすことができます。家族の目さえ気にしなければ,より快適に過ごせるようになるでしょう。

著者プロフィール

小林準(こばやしじゅん)

Ubuntu Japanese Team リーダー。2005年より日本国内でUbuntuの普及活動を行っている。著書に,Linuxシステムの管理に必要な知識を解説した『独習Linux』がある。