Ubuntu Weekly Recipe

第235回 Ubuntu 12.04でEmacs 24.1を使う

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Emacs 24.1の新機能

Emacs 24.1には,様々な新機能の追加や既存機能の改修があります。以下にEmacs 24.1での主要な変更点を挙げます。

  • パッケージシステムpackage.elの追加
  • カスタムテーマシステムの改良
  • Emacs-Lispでlexicalスコープのサポート
  • bidirectionalテキストの表示・編集のサポート※5
  • GnuTLS,GTK+3,ImageMagick,SELinux,Libxml2のビルトインサポート

本稿ででは,この中から一般ユーザへの恩恵が高い,パッケージシステムとカスタムテーマについて紹介します。

※5
アラビア語やヘブライ語向けに,テキストを右から左に表示・編集できるようになりました。

パッケージシステム package.el

パッケージシステムpackage.elがEmacs 24.1より追加となりました。

package.elとは,Emacs Lispパッケージのパッケージマネージャです。Emacs Lispパッケージのインストール,アップグレード,アンインストールができます。M-x list-packages※6とコマンドを入力することで,パッケージ管理用のインタフェースが開きます。

図1 list-packagesの実行結果

図1 list-packagesの実行結果

M-x list-packagesのインタフェースで利用する主要なキーを以下の表に示します。

list-packages で利用可能なキー

キー
説明
エンター現在行のパッケージの説明を分割したウィンドウに表示する※7
?同上
i現在行のパッケージをインストールするパッケージとして,マークをつける
d現在行のパッケージをアンインストールするパッケージとして,マークをつける
u現在行のパッケージにつけたマークを取り消す
U更新のあるパッケージにマークをつける※8
xマークをつけた候補に対して,インストール・アンインストールを実際に実行する

操作例を以下の図に示します。行の一番左に「I」の文字がある行がインストール候補のパッケージです。行の一番左に「D」の文字がある行がアンインストール候補のパッケージです。

図2 list-packagesの操作例

図2 list-packagesの操作例

パッケージ取得をするためのアーカイブサイトとして,package.elにデフォルトで登録してあるサイトは,http://elpa.gnu.org/packages/ですが,数がまだまだ少ないです。

そこで,有志が管理しているサイトをアーカイブサイトとして登録することで,導入できるパッケージ数を増やすことができます。有志が管理しているサイトは,marmaladeやMELPAが有名です。

marmaladeとMELPAをアーカイブサイトとして登録するには,Emacsの設定ファイル※9に以下の行を追加します。

(require 'package)
(add-to-list 'package-archives '("marmalade" . "http://marmalade-repo.org/packages/"))
(add-to-list 'package-archives '("melpa" . "http://melpa.milkbox.net/packages/"))
(package-initialize)

marmaladeとMELPAをアーカイブサイトとして追加した後に,M-x list-packagesと実行した結果が以下です。

図3 アーカイブサイトにmarmaladeとMELPAを追加した際のlist-packagesの結果

図3 アーカイブサイトにmarmaladeとMELPAを追加した際のlist-packagesの結果

※6
M-xとは,⁠Altを押しながら,xキーを押すこと」もしくは,⁠ESCキーを押して離した後にxキーを押すこと」を意味します。
※7
M-x help Pコマンドでもパッケージの情報を見れます。
※8
古いバージョンのパッケージに削除のマークを,新しいバージョンのパッケージにインストールのマークをつけます。
※9
~/.emacs.elや~/.emacs.d/init.el等。

カスタムテーマ customize-themes

テーマの有効・無効を切り替えるためのインタフェースであるcustomize-themesコマンドが追加されました※10⁠。

テーマとは,Emacsの見た目の設定を指します。customize-themesコマンドでは,このテーマを切り替えることができます。以下がcustomize-themesのインタフェースです。

図4

図4

左のチェックボックスの上にポイントを置き,⁠エンター」キーを押すことでテーマを切り替えることができます。テーマを変更した例が以下です。

図5

図5

画像上部にある「Save Theme Settings」ボタンを押すことで,次回,Emacsを起動したときも,今回変更したテーマを使用するように変更できます。このボタンを押すと,Emacsが~/.emacsファイルに設定を書き込みます。

画像を見て分かるようにテーマの数はまだまだ少ないですが,一部,MarmaladeやMELPAより有志の作成したテーマのインストールができます※11⁠。

※10
color-theme.elとは別物であることに注意してください。
※11
一部,color-theme.el用のテーマも配布されており,Emacs 24.1のcustomize-themesからは使えないものもあることに注意してください。

おわりに

いかがだったでしょうか。本稿では,Emacs 24.1の導入方法と,その主要な新機能について紹介しました。今回紹介したEmacs 24.1の新機能はほんの一部に過ぎません。すべての変更点について知りたいという方は,是非ともNEWSファイルを参照してください。すべての変更点がそこにあります。

著者プロフィール

濱野聖人(はまのきよと)

株式会社 創夢所属。EmacsとPCキーボードをこよなく愛するDebian GNU/Linux使い。PCキーボードは100枚近く所持。