Ubuntu Weekly Recipe

第266回 Google Readerの代替サーバーを用意する

この記事を読むのに必要な時間:およそ 5 分

ownCloud

ownCloudはPHP/WebDAVで作成されたFLOSSのクラウドストレージサーバーです。Ubuntu上でもDropboxのようなサービスが立ち上げられるということで,Recipeの第231回でもその機能や使い方を紹介しました。

そんなownCloudも,3月14日に新しいメジャーアップデートであるownCloud 5をリリースしています。インターフェースの刷新,削除されたファイルの復旧機能のサポート,アップロードされたファイルのウィルススキャンのサポートなど新機能の追加に加えて,各種機能の改善がはかられた注目のリリースです。

ownCloud 5では既存のファイル共有サービスだけでなく,Google Readerの代替としてNewsアプリの対応が進んでいます。

ownCloudは「アプリ」という形で,ownCloudインターフェース上の機能を拡張できる仕組みを持っています。Newsアプリはその名のとおりownCloud上でニュースフィードを表示するための,フィードアグリゲーターです。ウェブブラウザー上での記事の表示やキーボードショートカット,スター付けなどに対応しており,とても軽快に動作します。

図4 ownCloud Newsの画面

図4 ownCloud Newsの画面

インストール方法

ownCloud自身のインストール方法は第231回でも紹介しましたが,5系ではリポジトリのURLが変わっているため,再度パッケージをインストールする方法を説明します注2⁠。

$ sudo apt-get install wget git

# リポジトリの鍵のインストール
$ wget -q http://download.opensuse.org/repositories/isv:ownCloud:community/xUbuntu_12.04/Release.key \
  -O- | sudo apt-key add -

# リポジトリの追加
$ echo 'deb http://download.opensuse.org/repositories/isv:ownCloud:community/xUbuntu_12.04/ /' \
  | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/owncloud.list
$ sudo apt-get update

# パッケージのインストール
$ sudo apt-get install owncloud php5-curl

これで「http://localhost/owncloud」にアクセスすると,ownCloudにログインできるようになります。

図5 ownCloudの初回ログイン時の画面

図5 ownCloudの初回ログイン時の画面

ちなみに,Ubuntu ServerにはownCloudをインストールするCharmが用意されています。現在は4系のみの対応ですが,そのうちJujuを使ってもっと簡単にownCloud 5をインストールできるようになるでしょう。

NewsアプリはownCloud 5.0のアーカイブには含まれず,ownCloudの開発ブランチからとってくる必要があります。

# Newsアプリの取得
cd /var/www/
sudo git clone https://github.com/owncloud/apps.git
sudo chown www-data. apps

# Newsアプリをアプリフォルダーから見えるようにする
sudo ln -s /var/www/apps/news /var/www/owncloud/apps/

これで,ownCloudを再読み込みし設定からアプリ一覧を表示すれば,⁠News」アプリが表示されるはずです。

2013年3月27日追記:
Newsアプリはアプリリポジトリから単独のリポジトリに移動しました。新規にクローンしたり、appsフォルダーをpullする場合は、次のようにnewsリポジトリをクローンするようにしてください。

# AppFramework、Newsアプリの取得
cd /var/www/

sudo git clone https://github.com/owncloud/appframework.git
sudo git clone https://github.com/owncloud/news.git
sudo chown www-data. appframework news

# AppFramework、Newsアプリをアプリフォルダーから見えるようにする
sudo ln -s /var/www/appframework /var/www/owncloud/apps/
sudo ln -s /var/www/news /var/www/owncloud/apps/

# ownCloudの設定画面から、AppFrameworkとNewsアプリを有効化する

図6 Newsアプリを選択し「有効」をクリックすると,サイドペインに「News」が表示される

図6 Newsアプリを選択し「有効」をクリックすると,サイドペインに「News」が表示される

注2
Ubuntu 12.10以降であれば公式リポジトリのパッケージを使ってownCloud 4系をインストールできるのですが,今回紹介するNewsアプリはownCloud 5以降のみの対応となっています。

使い方

フィードは画面左上の「新規」から登録できます。また左下の歯車アイコンをクリックし,⁠OPMLをインポート」を選択した上で,Google Readerからエクスポートしたsubscriptions.xmlを指定してすればGoogle Readerからの移行は完了です。

キーボードショートカットについては,⁠jk」で上下に移動はできるくらいで,他のキーについては現在実装中です。また,独自にフィードを配信する方法や,APIとして外部に公開する方法も今のところありません。

その他のソフトウェア

NewsBlur

NewsBlurはオンラインのニュースリーダーサービスです。ウェブブラウザーだけでなく,Android/iOS用のアプリも公開されています。無料アカウントの場合は登録できるフィード数が(原稿執筆時点で)12個までなど,使用に制約がありますが,有料アカウントになると制約がなくなり,シロのご飯が豪華になります。

さらにこのサービスのソースコードは,MITライセンスで公開されています。このため自分のサーバーに,同じ機能を実装することができます。

インストールするには,Django,Celery,RabbitMQ,MongoDB,PostgreSQLなどかなり多くのサービスをインストールし適切に設定する必要があります。ドキュメントではFabricを使ったデプロイ方法が説明されていますが,この手順で行うとシステムの/etc/hostsをはじめとした設定を上書きしたり,実行ユーザーのシェルをzshに変更したりするため,試してみたい場合は仮想環境などで行うようにしてください注3⁠。

Ubuntu上でももっと簡単にインストールできるように,Charmを書いてくれる人を募集中です。またUbuntu 12.10以降であれば,NewsBlur用クライアントである「unity-webapps-newsblur」パッケージが公式リポジトリに存在しますので本家のNewsBlurサービスを使う場合は,このアプリもセットでインストールすると良いでしょう。

注3
個人的な設定もFabricスクリプトに含まれているようです。コミットログを見ると,このあたりの設定をクリーンアップ中のようなので,もう少し待てばもっと簡単にデプロイできるようになるかもしれません。

Lilina

LilinaはPHPで作られたシンプルなフィードアグリゲーターです。アーカイブファイルをダウンロードして,ウェブサーバーで公開されるディレクトリーのいずれかの場所に展開し,パーミッションを設定するだけでインストール完了です。

初回アクセス時に基本的な設定が行われ,あとはブラウザベースのニュースアグリゲーターとして機能します。ウェブサーバーとPHP 5さえあればどこでも使えるので,追加で余計なパッケージをインストールしたくない場合や,設定の手間を省きたい場合はおすすめです。

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著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。