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第277回 Debian 7.0「Wheezy」の紹介

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Wheezyを使う

Wheezyを使い始める際のちょっとしたTIPSを解説します。

インストール/ライブイメージの取得

Debianのインストールイメージはアーキテクチャごとに用意されており,デスクトップ版,サーバ版といった区別はありません。PC向けであればamd64か少し古めのマシン(たとえばPAE非対応CPUや32ビットCPU搭載マシン)を対象にしたi386のどちらかを選択することになります。

イメージはbittorrentjigdoHTTP経由でダウンロードできます。HTTP経由が手軽ですが,Debianのサイト,たとえばトップページ右上の「Debian 7.0のダウンロード」からダウンロードすると国外のサーバからのダウンロードとなり時間がかかってしまいます。Debian JP Projectが国内ミラーサイトcdimage.debian.or.jpを運用していますので,こちらからダウンロードします。ダウンロード時間が大幅に短縮できます。

図2 cdimage.debian.or.jp

図2 cdimage.debian.or.jp

インストールせずに簡単に試してみたい場合は,ライブイメージという特別なイメージが使えます。ライブイメージを使えば,既存の環境を壊すことなく,実際にDebianのデスクトップ環境(GNOME,KDE,xfce4,LXDE)を試すことができます。そのまま,インストールに利用することも可能です。cdimage.debian.or.jpでもライブイメージをミラーしています。

ワイヤレスネットワークカードなどファームウェアを必要とするPCでライブイメージを利用される場合は,ファームウェアを含んだstable+nonfreeのライブイメージを利用します。さらなる情報はDebian Liveプロジェクトにあります。

ファームウェアのインストール

インストール直後の/etc/apt/sources.listにはmainセクションのみが指定されています。ネットワークおよびグラフィックドライバのファームウェアはフリーソフトウェアでないためmainセクションからはインストールできません。そこでこれらのファームウェアが必要な場合はcontrib,non-freeセクションを/etc/apt/sources.listに追加します。セキュリティ修正を提供するsecurity.debian.orgにも忘れずにcontribとnon-freeを追加します。

deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ wheezy main contrib non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian/ wheezy main contrib non-free

deb http://security.debian.org/ wheezy/updates main contrib non-free
deb-src http://security.debian.org/ wheezy/updates main contrib non-free

deb http://ftp.jp.debian.org/debian/ wheezy-updates main contrib non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian/ wheezy-updates main contrib non-free

そして,firmware-linuxやその他必要なファームウェアをインストールします。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install firmware-linux

wheezy-backportsの利用

Zabbixというネットワーク,サーバなどを監視,追跡するソフトウェアがあります。このソフトウェアはSqueezeではパッケージが提供されていたのですが,Wheezyには含まれていません注4⁠。ソースからビルドするか,Squeezeのソースパッケージを元にWheezyでビルド仕直す前に,wheezy-backportsを確認してみます。

パッケージディレクトリを検索のキーワードに「zabbix」と入力,wheezy-backportsを含めるためディストリビューション「すべて」を選択して検索します。

図3 パッケージディレクトリの検索

図3 パッケージディレクトリの検索

すると,zabbix-agent,zabbix-frontend-phpなどZabbix関連のパッケージがwheezy-backportsで提供されていることがわかります。

そこで,/etc/apt/sources.listにwheezy-backportsを追加します。

deb http://ftp.debian.org/debian/ wheezy-backports main
deb-src http://ftp.debian.org/debian/ wheezy-backports main

インデックスファイルを更新すると,zabbix-agentがインストールができます。

# wheezy-backports のインデックスを更新
$ sudo apt-get update

# ターゲットオプションで wheezy-backports を指定
$ sudo apt-get -t wheezy-backports install zabbix-agent

同様に新しいバージョンの LibreOffice もインストールできます注5⁠。

$ sudo apt-get -t wheezy-backports install libreoffice

このように,Wheezyには含まれていないパッケージや新しいバージョンのパッケージを使いたい場合にwheezy-backportsの利用を検討します。望みのパッケージがwheezy-backportsで提供されていればパッケージ管理システムの中で使えます。ただし,むやみにwheezy-backportsのパッケージを使うのではなく充分に検討してからにするべきでしょう。

注4)
Wheezyのフリーズ期間中に発見されたセキュリティ問題への対応がメジャーバージョンアップとなりましたが,フリーズ期間中は新たな機能を追加する変更は受け入れられないため,結果的にZabbix関連のパッケージは取り除かれました。――#687916
注5)
既にインストールされているパッケージをwheezy-backportsのパッケージに更新する場合でもinstallコマンドを使います。ターゲットオプションを指定した状態でupgradeコマンドを使うと,インストールされている全パッケージの最新バージョンをwheezy-backportsから取得することになるので注意が必要です。

著者プロフィール

かわだてつたろう

Debian JP Projectメンバー。普段は関西Debian勉強会で活動中。