Ubuntu Weekly Recipe

第325回 「Ubuntu 14.04 LTSリリースパーティ+オフラインミーティング14.05」参加レポート

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後半戦,ライトニングトーク

予定していた大手サービス事業者のプレゼンが終わり,この後ライトニングトークが続きます。

Canonical Japan様の松本氏によるJujuの紹介

最初は,Canonical Japan様の松本氏が登壇し,Canonicalの提供する自動デプロイシステムJujuを紹介しました。Jujuは,パブリッククラウドやローカルサイトにあるUbuntuサーバへ,OSSソフトウェアやアプリケーションを自動的に展開・配布するオーケストレーションツールです。

この手の仕組みは,今後さらに増えるであろうスケールするシステムの運用を助ける強力なツールとなること間違いなしで,ハードウェアベンダ,仮想化ベンダ,OSベンダがシェア獲得のしのぎを削っている領域です。CanonicalもUbuntuを軸に,とくに力を入れているようです。

Jujuはcharmと呼ばれる設計図で,自動インストールを行います。puppetでいうmanifest,chefでいうrecipeみたいなもののようです。charmは,canonicalの運営するjujucharmsで公開・共有することができます。

当日の発表で特筆すべきは,MySQLのActive/ActiveのHA構成をデプロイするcharmが公開されたとのことでした。データベースのHA,難しいですよね。しかもActive/Stanbyではなく,Active/Activeです。それが,簡単にデプロイできるなんて,本当に魔法のようです。筆者も近々利用させていただくことになるでしょう。

写真 Canonical Japan様の松本氏

写真 Canonical Japan様の松本氏

Ubuntu Japanese Team様の柴田氏によるUbuntu Phoneのお話

次は,Ubuntu Phoneのお話。Ubuntu Japanese Team様の柴田氏が登壇されました。

Ubuntu for Androidの中止が発表され,そっちはそっちで落胆していただけに,モバイル分野のUbuntuには期待がかかるところでした。最近Ubuntu Phoneもバージョンアップし,それはそれはすばらしく画期的な進化をとげたようです。

なんと! 電話を受け取れるようになったのです!(大拍手!)

Phoneの名がついていながら,13.10リリース時のイメージでは,着信してもバイブレーションしないので気づけない,気づいたとしても通話開始できないことがある状態だったそうです。

外野からのツッコミでは「電話を受けられない機能が付いていた」のが外されたので,デグレだ,という声が上がります。たしかにそういうニーズもありそうです。そして,Ubuntu PhoneではGUIはUnity8を採用し(デスクトップはUnity7⁠⁠,Qt5で作られているそうです。

写真 Ubuntu Japanese Team様の柴田氏

写真 Ubuntu Japanese Team様の柴田氏

日本Qtユーザー会の鈴木氏によるQtのお話

ということで,日本Qtユーザー会の鈴木氏へマイクが渡されました。

Qtはアプリケーションユーザインターフェースフレームワークだそうでして,とくにGUIアプリを作成するツールキットとして,ウィンドウやボタンなどを容易に配置し設計することができるようです。

Qtで作られたKDEはあまり普及しておらず,会場内で挙手を求めたところ,100人ほどいるのにKDEユーザはただの1人でした。なので,Qtの普及には,Unityに大きな期待をかけており,Ubuntuが頼りの綱だそうです。

Qt Createrという開発環境も用意されており,その操作デモを見せていただいきました。ところで,Qtは「キュート」と呼ぶことをはじめて知りました。とほほ。

写真 日本Qtユーザー会の鈴木氏

写真 日本Qtユーザー会の鈴木氏

LibreOffice日本語チームの小笠原氏による開発者募集などのお話

最後は,LibreOffice日本語チームの小笠原氏です。さっきビールを飲んで真っ赤になっていた人だ,と心配しましたが,顔色も戻ってしっかりされてました。

デスクトップでもGitやターミナルを使いたいから,Windowsは嫌だと,至極もっともな主張を展開されました。筆者も大きく頷かずにはいられません。目の前にクラウディアさんがいらっしゃいましたが。

Linuxであれば,資料作成にはLibreOfficeは必要です。それも激しく同意です。ということで,開発者不足なので,大募集中だそうです。我こそはという方は,ぜひご協力ください。

これで終わりかと思いきや,外野から「Macでいいじゃん」という声が飛び,会場は俄然キナクサイ雰囲気が漂い始めました。

小笠原氏はMacのプリンタドライバ開発時代の体験などを語り,Appleの製品は良いんですよ,でも一部異常に閉鎖的な文化が嫌いなんだと言います。

そしてLinuxはパッケージ管理システムがよくできている,と主張しました。Debianさまさまです。たしかにMacでは削除すら満足にできないですから。

私もLinuxが好きですが,何を使うかより,その上で何を産み出すかですよね。

Ubuntuでも赤い帽子の人でも,MacでもWindowsでもいいんです。EmacsでもvimでもSublimeでもnotepad.exeでもいいんです。

何かを使って,知的生産活動ができさえすれば。

写真 LibreOffice日本語チームの小笠原氏

写真 LibreOffice日本語チームの小笠原氏

参加者プレゼント

さて,プレゼンのレポートはこれで終了です。いままで書いてきませんでしたが,登壇された皆さまからは,参加者の皆さまに素敵なプレゼントを用意していただきました。各プレゼンの最後にじゃんけん大会があり,勝ち抜いた参加者に贈られましたので,それを一挙にご紹介します。くやしいことに私はじゃんけんに一度も勝てませんでしたが……。

  • ⁠株⁠技術評論社からは,SoftwareDesign 2014年5月号と,その電子本引換券
  • マイクロソフト⁠株⁠様からは,去年の夏コミで販売した「無料ではじめるWindows Azure×WordPress超入門」巻末カラーコミック付き
  • 日本Azureユーザ会からは,マイクロソフト手帳と日本DC開設記念クリアファイル,そして「クラウディア」と兄の「クロード」という名のワイン2本セット(拍手!)
  • GMOインターネット⁠株⁠様からは,2万円クーポン。また希望者全員に3,000円クーポン
  • さくらインターネット⁠株⁠様からは,2万円クーポン
  • Canonical Japan様からは,本家Ubuntu 14.04 LTSのDVD

写真 Canonical本家のDVDパッケージはけっこうクール

写真 Canonical本家のDVDパッケージはけっこうクール

そして,グリー⁠株⁠様からは,素敵な会場を提供いただきました。

そしてなにより,楽しい時間と機会を作っていただき,ご尽力いただいたUbuntu Japanese Team様のスタッフの方々,ありがとうございました。

参加された皆さま,そしてこのレポートを最後まで読んでいただいた読者の方々に感謝をしつつ,本レポートを終わりたいと思います。

著者プロフィール

寺内康之(てらうちやすゆき)

大学時代にSunOSに出会ってUNIXが大好きになり,仕事ではCentOS,趣味でUbuntuを使っている。そのため,ディレクトリ配置やパッケージコマンドをかなりの頻度で取り違えるのが長年の悩み。Sublime Textに恋に落ちたが,本命はvim。Evernoteなしでは生きていけない。

Twitter:@yasuki