Ubuntu Weekly Recipe

第337回 12.04から14.04へアップグレードする際に気をつけるべきこと

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12.04からの大きな変更点

おそらく12.04を使い続ける方はそろそろ14.04への移行を考えているところだと思います注8⁠。Ubuntu 12.04 LTSから約2年。Ubuntu 14.04 LTSは12.04と比べてどんな風に変わっているのでしょうか。一番手っ取り早いのは,12.04からのリリースノートをすべて読むことです。

一応14.04のリリースノートは12.04からアップグレードする利用者のことも考えて記述はしているようなのですが,残念ながらUbuntuのリリースノート自体が網羅性が低く,取りこぼしているものも数多く存在するため,12.10から一通り読んだほうがより安全です。

12.04の利用者にとってとくに注意の必要な違いは次のとおりです。

Unity 2Dが廃止されました。

3Dアクセラレーションが動作しない環境でもGallium llvmpipeなどを使った描画が行われるため,Unityが使えなくなると言うわけではありません。ただしCPUの性能が悪い場合は,これまで以上にデスクトップが重く感じるかもしれません。どうしても重い場合は,他のデスクトップ環境への移行も考えてみてください。Unity自体の軽量化はだいぶ進んでいるため,3Dアクセラレーションさえ有効であれば12.04よりも動作がかなり軽快になっているはずです。

Unityが5.xから7.xになりました。

Unity自体は見た目や細かい機能がいろいろと変わってはいるものの,大きな変更はないのでそれほど操作に戸惑うことはないでしょう。注意すべき点として,Unity検索時に検索クエリーをインターネットに送るということです。この挙動を変えたい場合は,システム設定の「セキュリティとプライバシー」から設定を変更してください。

新しくWebAppsという機能が追加されました。

これは,任意のWebサービスを1つのアプリケーションとして独立したウィンドウで起動したり,専用のメニューを表示できるようになる仕組みです。対応済みのサービスに通常のブラウザーからアクセスした場合,WebAppsを追加するかどうか問い合わせてきますので,必要に応じて使い分けると良いでしょう。詳しくはあわしろいくやさんの第246回の記事を参照してください。

ドライバーの設定場所が変わっています。

プロプライエタリなドライバーは,ソフトウェアセンターのソフトウェアソースにある「追加のドライバー」タブでインストールできるようになりました。

Ubuntu Oneクライアントが削除されました。

オンラインストレージとしてのUbuntu Oneサービスが終了しました。このためクライアントなどはインストールされません。14.04でのサービスの移行先の例などはきっと誰かがRecipeで書いてくれるはずです。きっと書いてくれるはずです。

UEFI Secure Bootに対応しています。
マウントポイントが変更されています。

udisks2になったことで,USBディスクなどを接続したときの自動マウント時のマウントポイントが/media/$DISKから/media/$USER/$DISKに変更になっています注9⁠。

initデーモンはUpstartのままです。

12.04と比べるとかなり多くの機能が追加されています。今後14.10から16.04にかけてsystemdへの全面移行が行われる予定ですが,14.04を使い続ける限りはUpstartを使うことになります。ちなみにudevやlogindのために,systemdもインストールされています。

インストールメディアが変更されました。

アップグレードする場合はあまり関係ありませんが,容量の問題でインストールメディアがCDからDVD(もしくはUSBメモリー)になっています。またデスクトップの推奨アーキテクチャも32bit版から64bit版に変更になりました。

Wubiが廃止されました。

Windows上にパーティションを切ってインストールするWubiは廃止になりました。またデスクトップ版のインストール時にWindowsからデータをマイグレーションする機能も廃止になっています。

いくつかのコマンドは標準でインストールされません。

gksuコマンドやatコマンドなどは標準ではインストールされなくなりました。必要な場合は手動でパッケージをインストールしてください。

日本語入力関係が変わっています。

日本語入力システムはIBusのままですが,バージョンの違いにより操作性が大きく変わっています。詳しいことはあわしろいくやさんによる第296回第319回を参照してください。さらに日本語RemixではIBusの代わりにFcitxを標準インストールするようになりました。Fcitxについては第274回第297回先ほどと同じ第319回も参照してください。

注8)
ちなみに同じくLTSの10.04のサーバー版は2015年4月ごろにサポートが終了します。まだ10.04を使っている方はそろそろ移行計画を立てましょう。
注9)
udisks2的には/run/media/$USER/$DISKですが,Debian/UbuntuのパッケージにはFHSの観点から/run/mediaではなく/mediaに変更するパッチが適用されています。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。