Ubuntu Weekly Recipe

第355回 Ubuntu 10周年記念オフライン・ミーティング(兼14.10リリースパーティ)レポート

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シェル芸人

プレゼンターはsatoh_fumiyasu氏。

氏は⁠No Twitter No Life No Twitter No Development⁠を掲げ⁠TDD⁠⁠Twitter Driven Development⁠を地で行く人物だ。satoh_fumiyasu氏は他にも⁠シェル芸人⁠⁠,⁠シェル魔王⁠とも呼ばれている。

氏はTwitterで流行した「突然の死」をシェルスクリプトで再現したことから上記の異名と共に有名になったらしい。

この「突然の死」をシェルスクリプトで再現するにあたって氏は,外部コマンドを使わずに再現しようと決めシェルスクリプトを書き始める。後に様々なオプションを作成し追加して行った。そして今,⁠echo-sd⁠と言うコマンドにブームが起きたのであった。

しかし,⁠echo-sd⁠が真の意味で素晴らしいところはスクリプトの書き方である。やってることはネタだが,スクリプトは仕事で使えるような書き方で記述している。GitHubにこのスクリプトが公開されているらしいので,興味がある方はスクリプトを読んでみるのも楽しいだろう。中身を読んでも楽しめる。氏は技術者の鑑である。

話題は今でも記憶に新しいShellShockの話になる。あの事件の原因はどうやらマイナーな機能から発生したとsatoh_fumiyasu氏は話す。セキュリティとして大丈夫だろうと思っていた箇所こそ割と穴があるらしいので,実際に確認するのがShellShockのような事態に対応する方法だとsatoh_fumiyasu氏は話す。

ShellShockでsatoh_fumiyasu氏が悔やんでいたのは,自身がShellShockの穴を見つけられなかったことであると苦笑を交えながらこの事件を振り返る。見つけた穴の脅威度によって賞金が出るらしい。勿論Shellの穴にも賞金が出たらしく,それを手に入れ損なったのが残念だったらしい。

プレゼンの最後にsatoh_fumiyasu氏は「シェルスクリプトとは詰将棋のような楽しみがある」と語った。

普段,アプリ起動のショートカットを作る程度の存在だと思っていたシェルスクリプトだが,satoh_fumiyasu氏のプレゼンを聞いて奥の深さを知ることができ有意義だったと筆者は感じた。

satoh_fumiyasu氏(画面の文字列は⁠echo-sd⁠を使用して吉田史氏が入出力したもの)

satoh_fumiyasu氏(画面の文字列は“echo-sd”を使用して吉田史氏が入出力したもの)

Orange Box

プレゼンターはCanonicalの村田氏と門河氏。

まず,Orange Boxとは何か。端的に説明すると持ち運べるクラスタ注9だ。ケースとクラスタ本体の合計30kgの代物を,持ち運べると豪語して良いのか判断に苦しむが,兎に角,持ち運べるクラスタ。それがOrange Boxだ。

注9)
クラスタの意味はひとまとめにした物。ここでは複数のサーバーをまとめた物。

このOrange Boxは飛行機に載せて運ぶことが可能とのことだ。⁠Ubuntu Orange Box」でGoogle検索を行うと購入ページが見つかるので,興味がある方は検索し実際の購入ページを覗いてみるのも良いだろう。

Orange Boxの構成は,なんとファン1個で10台を冷却するという,本当に冷却が可能なのかと疑問に思う構成らしい。後ろにLAN PortがあるのでそれでPCに繋げることも可能とのことだ。Orange Boxはそれぞれのノードのスペックは高くないが,トータルで見ると20コア(40スレッド⁠⁠,メモリ160Gバイトのマシンとなる。

Orange BoxのデモンストレーションとしてOpenStackを実際にインストールし動かそうとする。スクリーン上の端末に見慣れた文字列が表示されインストールが開始される。インストールが完了するまでの間,Orange Box等の質疑応答時間が挟まれる。この質疑応答を聞きながら思ったのは,この会場にいるほとんどの方々はコマンドラインで作業を済ましてしまうので,GUIでの操作は不要なのかもしれないと筆者は思った。そもそもだ,インフラ関係の仕事をしている方々がGUIを必要とするのか。コマンドライン恐怖症を患うのか。恐らく筆者が知ることはないだろう。

質疑応答を行っている間に準備が整うと仮想マシンを立ち上げて行く。VPSのサービスセンターのようなイメージで仮想マシンを作成して行く。ちなみにこの様子はGUIで表示して行ったので視覚的に各サービスの繋がりが一目でわかった。俯瞰して状況を見る際にGUI環境があると楽なのかもしれない。

最後にOpenStackの用途について解説を行った。OpenStackは検証環境やWebサービスを行ったり,使う人それぞれの采配で様々な用途で使用することが可能であると村田氏は言う。

そして何よりも色々な意味で熱いマシンであるのもOrange Boxの魅力なのかもしれない,と村田氏は苦笑交じりにOrange Boxについてまとめた。

村田氏(左)と門河氏(中央⁠⁠,Orange Box(右)

村田氏(左)と門河氏(中央),Orange Box(右)

Ubuntu生誕10周年おめでとうございます

使いやすいLinuxのディストリビューションを目指したUbuntuが,10周年を迎えたことは大変意義のあることだと筆者は考えております。

筆者はファイルサーバー構築のため手を出したのがUbuntu 12.04です。Ubuntuを使用し始めてから約2年と短い期間ですが,ファイルサーバーとして今でも利用しております。

面倒くさがり屋な筆者にとってファイヤーウォール等のソフトウェアがインストールの途中に選択できたのは大変ありがたかったです。面倒が嫌いな方々こそ,お勧めできるディストリビューションだと筆者は考えております。

これからのUbuntuの発展を陰ながら応援して参ります。最後に今回のイベントを運営してくださった上野さんをはじめスタッフの方々や会場を提供してくださったGREEの皆さまに心より感謝をしております。ありがとうございました。

著者プロフィール

小知和渓(こちわけい)

自宅にサーバを安く作りたいなという理由だけでUbuntuに手を出したのがはじまり。Androidの開発環境が直ぐに構築できたという理由だけで休日のデスクトップ環境がUbuntuになってしまう。現在はUbuntuでmiに代るテキストエディタを探す旅に出ている。mi大好き。