Ubuntu Weekly Recipe

第363回 CSVエディターとしてのLibreOffice Calc

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エクスポートダイアログ

保存時は,⁠名前を付けて保存」「テキストCSV (.csv)」を選択します。変更していない場合はエクスポートダイアログが表示されないかもしれません。その際,⁠フィルター設定を編集する」にチェックを入れると,エクスポートダイアログが表示されます。

エクスポートダイアログは図3です。

  • 「文字エンコーディング」はいいでしょう。文字化けしないものを選択してください。
  • 「フィールドの区切り文字」は,通常デフォルトのままでいいでしょう。
  • 「テキストの区切り文字」も,通常はデフォルトのままでいいでしょう。
  • 「セルの内容を表示どおりに保存」はデフォルトでチェックが入っていますが,このチェックを外すと生データのまま保存することがあるようです。しかし,具体的にどんな数値でそうなるのかの検証はできませんでした。通常はデフォルトのままでいいでしょう注8⁠。
  • 「計算結果の代わりにセルの数式を保存」もそのままです。たとえばセルに⁠=3*3⁠と入力していた場合,デフォルトでは⁠9⁠と保存されますが,ここにチェックを入れると⁠=3*3⁠のままで保存されます。どういった場面で便利なのかはよくわかりませんが,そういう機能があることを覚えておくといいかもしれません。
  • 「全てのテキストのセルを引用符で囲む」も見てのとおりの機能です。これは今回のように数字の前に「0」が入っているものの,これをテキストとして扱いたいと言うような場合には,チェックを入れておくといいでしょう。
  • 「指定された列幅」は若干わかりにくいですが,要するに固定長のことです。と言うわけで,ここにチェックを入れると固定長でエクスポートできます。

ついでに,CSVで保存する場合は同時にods形式でも保存しておくといいでしょう。Excelで開くことがある場合は,xlsx形式でもいいでしょう注9⁠。

注8)

ヘルプを読む限り過去のバージョン(たぶんOpenOffice.orgの時代)との互換性維持のために用意されているオプションのようでした。

注9)

とは言え,相互運用性に全く問題がないとは言えず,4.4.0でもシートの内容が空っぽになる,書式がおかしくなるなどの不具合に遭遇したので,壊れたら困るデータの場合はコピーのxlsxファイルを使用するのが無難そうです。

図3 エクスポート時のオプションダイアログ

図3 エクスポート時のオプションダイアログ

使用バージョン

本稿執筆時点でUbuntu 14.04ではLibreOffice 4.2.7,14.10では4.3.3ですが,先日4.4.0がリリースされ,すでにPPAでアップデートできるようになっています。もちろん現在開発中のUbuntu 15.04では,4.4.xになります。今回2万行くらいのデータを扱ったところでは,意外にも4.4.0が一番安定して動作していました。特にOpenCLを有効にすると注104.2.7や4.3.3ではたびたび落ちて作業になりませんでしたが,4.4.0では特に問題ありませんでした注11⁠。もちろん扱うファイルによって変わってくることは充分に考えられますので,あくまで参考程度にお考えください。

注10)
もっとも,14.10ではどのようにしてOpenCLを有効にすればいいのかわかりませんでしたが。
注11)
ただし,少なくとも筆者が作業した範囲では,特に早くなった処理はありませんでした。

4.4からは「ツール」「セルの内容」「数式を数値に」という機能が追加されていて,計算結果を数値で欲しい場合に使用すると便利です。

Excelのほうが便利なところ

Excelのほうが便利なところもいくつかあります。あくまで筆者が気づいた範囲ですが。

処理速度が速い

同じ処理,たとえば連続データを実行しても,速度の差は如何ともしがたいです。Excelでは体感でも数倍の速度で処理するうえ,時間がかかる処理でも進捗が表示されるので大人しく待てるのですが,Calcは時間がかかるうえに反応なしになるだけなので進捗がわかりません。

和暦の扱い

いまどきCSVデータに和暦が入っているということもあまりないとは思うのですが注12⁠,Excelでは日付として扱ってくれますがCalcでは文字列として扱ってしまいます。

関数の入れ子の数

関数はExcelのほうがたくさん入れ子にできます。具体的には忘れてしまいましたが,Calcでは40個前後,Excelでは60個前後だったと記憶しています。もちろんこれだけの入れ子を必要としている時点で使い方が間違っているのですが,そうとも言ってられない場面ではExcelを使用しました。

注12)

実際筆者が受け取ったデータにはこれがあり,とても困りました。元データが,どうやら和暦の2桁で年を保存しており,26以前だと平成,それより後だと昭和という年号を付けたのだと推測できるようなデータでした。いうまでもなく今年は平成27年なので,そこを修正してからExcelにインポートしました。主にExcelで西暦に変換してからのデータを扱っていたので,何かがおかしいことには気づいていましたが,何がおかしいのかが全くわからず,とても困りました。最終的にはデータをにらめっこして気がついたのですが。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。