Ubuntu Weekly Recipe

第464回 知っておくべきLibreOfficeの便利な機能 Calc編

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数式エンジンの刷新

LibreOffice 4.2から数式エンジンが刷新されました。これにより処理速度とメモリの使用量を削減しています。そればかりか,OpenCLを使用してGPGPUでの計算も可能になりました。もちろんUbuntuでもこの恩恵にあずかることはできるのですが,詳しい解説はまた後日にしようと思っています。最も簡単な方法はNVIDIAあるいはAMDのビデオカードを増設し,プロプライエタリなドライバーをインストールすることです。IntelのCPUだとわりと新しめのものだといいのですが,古いものだと遅くなってしまうこともありました。その後[ツール][オプション][LibreOffice][OpenCL][OpenCLを使用する]にチェックを入れ図5⁠,LibreOfficeを再起動すればOpenCLを使うようになります図6⁠。

図5 ⁠OpenCLを使用する]にチェックを入れる

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図6 第457回図6より。⁠Calc: CL]になっているとOpenCLが有効になっている証

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グラフを画像で保存

表計算ソフトで作成したグラフを画像で保存したいと思うことはよくありますが,LibreOfficeであればもちろんできます。作成したグラフを右クリックし,⁠イメージとしてエクスポート]をクリックすると保存ダイアログが表示されます。ファイル形式はPNGやJPEG形式はもちろん,EPSやSVG形式も選択できます。

統計

[データ][統計]に,統計で使われるデータ解析で使われるさまざまな機能が追加されています。具体的にはサンプリング,基本統計量,分散分析(ANOVA⁠⁠,相関,共分散,指数平滑,移動平均,回帰,t検定,F検定,z検定,カイ二乗検定です図7⁠。本格的に使用するには機能が足りないと思いますが,ぜひとも試していただきたい機能のひとつです。

図7 回帰のダイアログ

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数式を数値に

入力された数式を結果のみの数値にしたいということはままあります。具体的には,例えばセルに[=1+1]と入力されている場合,結果の[2]が表示されますが,これを[2]という数値に変換したいということです。その場合は変換したいセルを選択して[データ][計算][数式を数値に]を実行してください。

すべての行/すべての列の範囲指定

例えば,A1のセルを含むすべての行の範囲指定をする場合は[A1:AMJ1⁠⁠,すべての列の範囲指定をする場合は[A1:A1048576]とする必要があります。しかしLibreOfficeではこの形式のほかに,それぞれ[1:1][A:A]と入力するだけでもよくなり,便利になりました。

数式でワイルドカードを使用できるように

Calcはこれまで数式でワイルドカードではなく正規表現が使用できましたが,5.2からはワイルドカードも使用できるようになりました。使用できるワイルドカードは"?","*","~"の3つです。Excelに慣れている場合は違和感なく使用できるでしょうが,Calcユーザーにはおせっかいかもしれません。設定は[ツール][オプション][LibreOffice Calc][計算式][数式でワイルドカードを使用する][数式で正規表現を使用する][数式ではワイルドカードも正規表現も使用しない]で変更できます図8⁠。5.2では[数式で正規表現を使用する]がデフォルトですが,5.3では[数式でワイルドカードを使用する]がデフォルトに変更されているため注意してください。

図8 数式でワイルドカードを使用するか設定が変更できる

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CSVエディター機能

第363回でCalcをCSVエディターとして使用する方法を紹介しましたが,この機能もApache OpenOfficeとは若干違い,使い勝手が良くなっています。

ここでもう一度読みたい記事

ここで紹介した機能のうちのいくつかを手がけ,現在も継続してLibreOffice Calcを開発されている吉田浩平さんが昨年講演しています。ぜひ、このレポートを今一度読み返してみくてださい。

このような方によってLibreOfficeは開発され,便利に使用できていることを心の片隅に置いておきたいものです。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。