Ubuntu Weekly Recipe

第698回 デスクトップ環境の2021-2022年

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KDE

何度となく述べていますが,現在KDEというデスクトップ環境はリリースされていません。KDE Frameworks,KDE Plasma,KDE Gearに分けてリリースされています。

正直なところKDEに関しては昨年の大きな変更点今年のロードマップが公開されているため,ここで触れることはあまりありません。Steam DeckにPlasmaが採用されたこと,Waylandセッションの開発が進んだことなどが昨年行われたこととして挙げられています。KDEシステム設定の「言語」「形式※3⁠」が統合されること,WaylandセッションがX11を完全に置き換えるようになることなどが年内に行われる予定です。

※3
ここでいう「形式」⁠Formatの訳語)は,例えば通貨記号が⁠¥⁠⁠,数字の区切りは3桁ずつのコンマ,小数点はピリオドなどのことです。確かにGNOMEのように「地域と言語」としてまとまってしまうのがいいでしょう。ちなみにGNOMEでは「フォーマット」と訳されています。

昨年はKDEプロジェクトが発足から25周年という節目を迎え,10月14日にリリースされたPlasma 5.28が「25th Anniversary Edition」としてリリースされました。とはいえ「25th Anniversary Edition」っぽさはあまりなく,通常のリリースという感じです図2図3⁠。ログイン時にデスクトップに遷移するまでにその旨のテキストが表示されるのですが,早すぎてスクリーンショットが取れません。Kubuntu 21.10用のPPAでもパッケージが公開されているので,インストールしてみてください。

図2 Plasma 5.28にアップデートしたKubuntu 21.10のデスクトップ

図2

図3 ⁠About this System」を表示するとPlasma 5.23であることがわかる

図3

Xfce

Xfceは新規のリリースがない1年でした。

GSoCでファイルマネージャーであるThunar強化を行ったとのことです。

GSoCをうまく活用して開発が進むといいのですが,メンターの労力もかなりのものなので即座に開発力強化とはなりません。とはいえ今年中には4.18がリリースされることを期待したいところです。

LXQt

LXQtは昨年4月16日に0.17.0が,11月6日に1.0.0がリリースされました。最初のリリース版は2014年5月の0.7.0だったので,7年半で1.0にたどり着いたことになります。

相変わらずロードマップが公開されていないため今後どのようなことが予定されているのかはわからないのですが,Qt 6への移行をどうするかの議論が始まっています。

MATE

MATE昨年8月10日に1.26がリリースされました。Ubuntu MATE 21.10で採用されており,おそらく22.04 LTSでも同じバージョンを採用すると思われます。

ここ何バージョンかはおおむね1年毎のリリースとなっていましたが,1.26は1年半程かかりました。いずれにせよ今年中にもリリースが見込まれますし,課題は徐々に進めているWayland対応で,おそらく数年がかりで継続して行っていくものと思われます。

Cinnamon

Cinnamonは昨年5月27日に5.0.0が,11月15日に5.2.0がリリースされました。Linux Mintの変更点として挙げられている5.05.2の変更点を見ても,小規模の変更にとどまっているようです。その分なのかはどうかは不明ですが,Linux Mintに収録しているアプリケーションの変更や強化に重点を置いているようで,それはそれで喜ばしいことでしょう。そのうちの一つは第667回で紹介したWarpinatorです。

このようにCinnamonのリリースはLinux Mintのリリースと連動しているため,今年も2回リリースされるのは間違いありませんが,やはり小規模の変更点にとどまるものとは予想できます。しかしLinux MintはUbuntuのLTSをベースにしているため,Linux Mintも大きな変更を迎えることになります。これに合わせて何か動きがあるのかどうなのかといったところでしょうか。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamのメンバー。VirtualBoxなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。