Ubuntu Weekly Recipe

第705回 Radeon Software for Linuxを使用する[2022年版]

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ベンチマーク

それではPhoronix Test Suiteでグラフィック関連のテストを行った結果を見ていきましょう。

まずはゲームを3つほど試してみます。図2SuperTuxKart図3Tesseract図4Unigine Valleyです。なお図3はTesseract OCRとは別物で,ファーストパーソンシューティングゲームです。

図2 SuperTuxKartのベンチマーク

図2

図3 Tesseractのベンチマーク結果

図3

図4 Unigine Valleyのベンチマーク結果

図4

図2はほぼ差がなく,このクラスのGPUではSuperTuxKartだとベンチマークにならないほど軽いゲームであることがわかります。

図3と図4は,期待どおりの結果といえます。

次の図5から図14まではvkpeakというベンチマークのテストです。Vulkanの性能をさまざまな方式でテストしています。

図5 int16-scalarの結果

図5

図6 int16-vec4の結果

図6

図7 fp16-scalarの結果

図7

図8 fp16-vec4の結果

図8

図9 int32-scalarの結果

図9

図10 int32-vec4の結果

図10

図11 fp32-scalarの結果

図11

図12 fp32-vec4の結果

図12

図13 fp64-scalarの結果

図13

図14 fp64-vec4の結果

図14

表にまとめると次のとおりです。

Radeon RX 6500XT GeForce GTX 1650
int16-scalar(図5)
int16-vec4(図6)
fp16-scalar(図7)
fp16-vec4(図8)
int32-scalar(図9)
int32-vec4(図10)
fp32-scalar(図11)
fp32-vec4(図12)
fp64-scalar(図13)
fp64-vec4(図14)

32/64ビット浮動小数点と16ビットスカラーが高速で,あとは低速という傾向があるようです。もちろんこの結果だけで断言できるものではありませんが。

あとは長すぎるので結果の提示は省略しますが,GpuTestではおおむねRadeon RX 6500XTが高速で,GL-vs-VKではおおむねGeForce GTX 1650が高速でした。

OpenCLの結果はありません。エラーとなって実行できませんでした。clinfoコマンドを実行すると,次のように表示されます。

fatal error: cannot open file '/usr/local//usr/lib/clc/gfx1030-amdgcn-mesa-mesa3d.bc': No such file or directory

User Guide for AMDGPU Backendを見る限り「gfx1030」は誤りと思われるので(⁠⁠gfx1032」が正解?⁠⁠,このバージョンのROCmでは未対応なのかもしれません。

Radeon Software for Linuxを使用する上での注意点

Radeon Software for Linuxを使用する上での注意点は大きく2点あります。1点は前述のとおり普段の更新では最新バージョンにならず,更新するためには何らかのアクションが必要になります。

もう1点は,新しいカーネルに追随するまで時間がかかるということです。今回の例であれば,20.04 LTSで5.13カーネルが使用できるようになったのは今年1月半ば(筆者の手元では1月19日)のことであり,20.50のリリースは2月16日で,対応までに1か月くらいかかっています※5⁠。

※5
ちなみにRD-RX6500XT-E4GB/SFが筆者宅に到着したのは1月28日で,20.50がリリースされるまでひたすら待っていました。ただ現在は入手性が悪くなっているようで,早めに購入しておいてよかったです。それでもOpenCLが実行できない問題は残っていますが……。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamのメンバー。VirtualBoxなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。