Ubuntu Weekly Recipe

第711回 Ryzen 5 5500Uで省エネPC生活

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ベンチマーク

Ubuntuのインストールはいつも通りUSBメモリから行いました。特に引っかる部分もなかったため,ここの手順は省略します。Wi-FiもLiveセッションの段階から問題なく動作します。

まずはGNOMEの「ディスク」を起動し,SSDのベンチマークを取ってみましょう。書き込みベンチマークはSSDをマウントしている状態では実行できないため,Liveセッションの段階でやっておくのがお勧めです。

図8 ベンチマーク結果。Writeがやたら速く,何かの間違いではないかと思うが,何度やり直しても似たような結果が出るので,そういうものだと思っておく

図8

ベンチマークには定番のPhoronix Test Suiteのバージョン10.8.2を利用しました。今まで使っていたM75q-1(Ryzen 5 PRO 3400GE)でも同じベンチマークを取って,比較したのが以下のものです。ノート用のCPUなのでどんぐりの背比べ的な部分もありますが,全体的に一回り性能は向上していると思ってよいのではないでしょうか。

図9 Linuxカーネルのビルド

図9

図10 XZの圧縮

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図11 GIMPの様々な処理。

図11

なお前述の通り,アイドル時は1400MHz駆動で50℃程度のCPUですが,全コアに負荷をかけると動作クロックは4000MHzまで上昇し,温度も90℃を越えてきます。そしてその状態が継続すると,今度はサーマルスロットリングによって動作クロックが2700MHz程度まで落ち,それにともなって温度が低下するようになっているようです。

図12 ベンチマークを実行し,全コアに負荷をかけた状態

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図13 ベンチマーク実行中。CPU温度は90℃を越える

図13

図14 動作クロックが低下し,冷却が進んだ状態

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PCのコンセプト的に,全力でCPUを回し続けるような使い方をするものではありませんが,長時間全力運転を続けることができないという点は覚えておいてよいかもしれません。

図15 ベンチマーク実行中の消費電力は,およそ30W程度。ピーク時で40W程度まで上がることが確認できた

図15

Steamでゲームを動かす

さて,ベンチマークのスコアはわかりました。でも実際のところ,気になるのはスコアの数値ではなく,アプリがどのくらい快適に動くのかではないでしょうか。とはいえ,ブラウザやオフィススイートの動きがモタつくレベルのPCではありません。そこで第626回を参考にSteamをインストールして,それなりに重そうなゲームを動かしてみましょう。Steamのインストーラーは,Multiverseリポジトリにあるものを利用しました。なお現在のSteamクライアントでは,ベータプログラムへ参加せずとも,デフォルトでProtonを利用できるようになっています。

図16 ただし互換性の検証が済んでいないタイトルはインストールできないため,⁠他のすべてのタイトルでSteam Playを有効化」にはチェックを入れておくとよい

図16

以下では,筆者が試してみたタイトルのいくつかを,スクリーンショットつきで紹介します。またゲームはどれも基本的に,4K解像度のフルスクリーンで起動して試しています。

図17 Linuxにネイティブ対応しているタイトルのひとつ「Factorio⁠⁠。激しい動きをするようなタイトルではないため,モタつきなどは感じず,普通に遊ぶことができた。とはいえこのスクリーンショットにあるように,めいっぱいズームアウトして4Kサイズいっぱいにオブジェクトを並べると,スクロールがガタつく部分もあった

図17

図18 みんな大好きパラドゲーの「Stellaris⁠⁠。これも派手なアクションをするようなタイトルではないが,4Kで起動すると,かなりのモタつきが感じられた。なおStellarisもLinuxにネイティブ対応しているため,Proton不要で動作する

図18

図19 昨年発売して高い評価を得た,メトロイドヴァニア系探索アクション「ENDER LILIES: Quietus of the Knights⁠⁠。普通に遊べる程度には動いたが,お世辞にもヌルヌルとは呼べない動きのため,ストレスがあるかもしれない

図19

図20 3Dスペースコンバットゲーの「STAR WARS: Squadrons⁠⁠。4Kではさすがに「起動するだけ」で,メニューから出撃すらできなかった。フルHDのウィンドウモードにすることで一応遊べはしたが……というレベル

図20

そもそも小型省電力PCですから,ゲーミング系の性能を求めるのが筋違いではあります。ですがおそらく,2Dのゲームや,非アクション系のゲームであれば,それほどストレスなく遊べるのではないかという手応えがありました。

このように,現在の小型PCはお手頃価格な割に非常にパワフルです。Ubuntu 22.04 LTSのリリースに合わせて,小さなデスクトップPCを新調してみるのもよいかもしれませんね!

著者プロフィール

水野源(みずのはじめ)

Ubuntu Japanese Teamメンバー。理想のフリーデスクトップ環境を求めて東へ西へ……のはずが,気がついたら北の大地で就職していたインフラ寄りのエンジニア。最近レンズ沼にハマる。日本仮想化技術株式会社所属。